伊藤浩之の春夏秋冬

いわき市遠野町に住む元市議会議員。1960年生まれ。最近は遠野和紙に関わる話題が多し。気ままに更新中。

虫の種類が増えてきた

2021年06月13日 | 
 朝、愛犬と散歩していると、シーズンになるとカブトムシやクワガタムシがくるナラ類の古木が、道のすぐ脇にあった。これらの昆虫は、基本的に夜行性なはずだが、朝、明るくなってもご飯の採取に一生懸命。時には、しみ出す樹液をめぐって、他の昆虫を追い払う大型の甲虫・カブトムシやクワガタムシの姿もみたものだった。

 この古木では、カブトムシはもちろん、クワガタムシ類では、コクワガタ、オオクワガタ、ノコギリクワガタ、ミヤマクワガタといった代表的なクワガタをはじめ、余りなじみのないスジクワガタなども見たことがあった。

 ある意味、昆虫の観察に最高の場所だったのだが、ある年を境に、胸と頭だけで腹部がないカブトムシやクワガタを近くの路上に見かけるようになった。これらの生命力は強いようで、腹部がなくても足を振り回すなどしっかり生きていた。どうして腹部がないのだろう。1度や2度なら、そんなこともあるだろうと見過ごしただろう。しかし、腹部だけがない虫の発見が度重なり、また翌シーズンも同じ事がおこると、その原因が気にかかり出す。

 ある朝、古木のそばの路上に止まっているハシブトガラスを見かけた。近づく私と愛犬に気がつき、飛び立ったのだが、このカラス、古木を見上げていたように見えた。

 原因が分かった。この木にカブトムシ等が集まることを知ったカラスが、毎朝、夜明けとともにやってきて、樹液をなめる甲虫を餌にしていたのだ。しかも、美食家を気取って、柔らかい腹部だけを食べていたのだ。

 この木の樹液がしみ出す傷は、たぶん、カブトムシなどを採取したい誰かがつけていたのだと思う。しかし、この木では腹部のない虫しか採れなくなった。そこで場所での採取をやめたのだと思う。現在は古木の傷も癒え、樹液がしみ出す状況にはなくなった。

 そんなことで、ここ2年ほどは、カブトムシ類を見ることがなくなっていたのだが、別の場所で、自然にできたであろう樹液の泉に虫が集まっているのを見つけた。きっかけはオオスズメバチの飛翔音。ブーンという音が聞こえてきたので、気を付けてみるとオオスズメバチが飛んでいた。この季節、それほど攻撃性は高くないはずなので見ていた。すると木に止まって樹液をなめだした。



 よく見ると、別の場所でも樹液をなめる虫がいる。ヒカゲチョウとマダラヒカゲが並んで蜜を吸っていた。



 周辺には樹液を求めてか、ヒカゲチョウ類が集まっていた。



 サトキマダラヒカゲ。



 ヤマキマダラヒカゲ。

 いったいどこが違うのだ。私も図鑑を見ながら、同定に困った。はじめは、後ろ翅の色具合かと思った。灰色と茶色っぽい色合いの違い。しかし、現物のチョウを見てみると、そこではなさそうだ。その時、やっぱりネットの世界は便利。奥が深い。違いを教えてくれるホームページが存在した。

 そのページよると、翅の模様で見分けることができる場所が2ヶ所あるという。
 1つは、翅の端に並ぶ目玉模様。一番下の2つ目模様から上に数えて4つ目と5つ目の目玉模様の黒目を描く黒い線が、細くはっきりしないのがサトキマダラ。逆に太く目玉くっきりと見えるのがヤマキマダラだという。

 もう1つは、後翅(閉じた状態では下の方の翅)の付け根に近い方に、白い丸が3つ並んでいるのだが、これが「く」の字型に並ぶのがヤマキマダラヒカゲで、直線的なのがサトキマダラヒカゲだという。ただ、こちらの判別方法は、それ程明確な違いがないように見受けられるので、1つの判別方法が分かりやすいと思われる。

 これらのチョウは、名前が示すとおり、ヒカゲのような薄暗がりが好き。どちらかといえば林の中のような薄暗がりを飛び回っている。

 その場所に黒い塊のような影が見えた。木のコブか何かかとも考えたが、もしかしたらカブトムシでもいるのでは。そう考えたが、、年のためカメラを向けてズームしてみた。



 するとその影の正体はクワガタムシ。しかも、この大きさ、凹凸の少ないシルエットはオオクワガタではないか。そう思わせた。その時には良く分からなかったが、後で写真を拡大してみると、体の下にメスを抱えている。無視にとってのレストランである樹液の泉は、出会いの場、社交の場でもあったのだ。

 メスの方は、オスの下でもがいているようだ。樹液を自由になめて、お腹を満たしたいのだろう。







 写真を撮るため、辺りの枝をガサガサ揺すっていたのだが、肝が据わったヤマキマダラがいた。一向に逃げようとしない。



 カラシナの菜の花がたくさん咲いている場所がある。花の上に赤い虫。先日、トロロアオイ(花オクラ)をプランターに植えた時、土の中から出てきた虫と同じか。カメムシの仲間、ナガメだ。





 その下の葉っぱにはヒメウラナミジャノメが翅を休めている。





 近くにはいたのはオオチャバネセセリ。



 さてシオヤトンボとニホンカワトンボなどで始まったトンボシーズンだった。最近、シオカラトンボが出てきた。





 少し早く出ていたハラヒロトンボは、一頃より数が減ったように見える。







 最初に出てきたシオヤトンボはめっきり数が減った。彼らの夏は終わりつつあるのだろう。





 今日が初見となったのはショウジョウトンボ。頭の先から尻尾の先まで真っ赤なトンボ。赤とんぼを見たのも今シーズン初となる。





 いずれのトンボも麦わら色はメス。シオカラトンボ等は他のトンボと区別が付きそうだが、ショウジョウトンボは、これから出てくるナツアカネやアキアカネと区別が難しそうだ。見分けるポイントは、ショウジョウトンボの場合、翅の付け根付近を染める茶色。大きさの違いもあるが、この翅の付け根の違いはけっこう分かりやすい。

 トンボの近くにトノサマバッタがいた。近寄るとすぐに逃げるだのが、なぜか逃げない。



 よく見ると、左の翅がない。何らかの事故にあったのだろう。カマキリに襲われたのだろうか。

 自宅近くに、先日までハルジオンが咲いていた空き地があるが、これが枯れた後、ヒメジョオンが満開になっている。この花畑を縫うように数匹の虫がフワフワと飛んでいた。カノコガだ。



 実は花に止まるカノコガを見たのは、これが初めて。カノコガも蜜を吸うということか。新発見だ。



 田んぼでは、間もなくアカネ類の羽化が始まるだろう。楽しみ。


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