伊藤浩之の春夏秋冬

いわき市遠野町に住む市議会議員。市政や市議会、日常の活動などを紹介していきます。

代表質問の答弁3・復興後をにらんだ取り組みと労働法制改悪の見解

2015年03月14日 | 市議会
 2月定例会の代表質問です。本来は、全ての質問を読み上げ、答弁をまとめて受ける一括質問一括答弁の方式で行われています。このブログでは質問にごとに答弁を差し込み、一問一答の形に編成しなおしてあります。今回が3回目。市内の経済状況と復興後をにらんだ本市の取り組みの質問です。市内経済のマイナス要因となる労働法制改悪への見解も求めています。

 質問全文は3月3日のブログ=http://blog.goo.ne.jp/hiroyuki19601121/e/ac54e413b623d4ada5215a7533a4316a=に掲載しました。



3 市長公約の取り組みについて
(1)公約の予算への反映について


 伊 藤
 次に市長が公約にどのように取り組んでいるかです。

 市長は選挙において様々なことを公約してこられました。その公約に問題があった点、また実現を求める点については、当選直後の2013(平成25)年10月定例会で取り上げさせていただきました。

 市長就任後2回目となる今回提案の新年度予算案に市長の公約はどのように反映させたのでしょうか。

 財政部長
 平成27年度当初予算において、公約であります、医療、職・雇用、住居のいわゆる「医」「職」「住」及び「子育て」、「教育」に関わる課題解消に向けて取り組む施策につきまして、主なものを申し上げますと、まず、

「医」につきましては、新病院の建設事業や休日夜間急病診療所の移転改築のほか、福島県立医科大学に寄付講座として、新たに地域整形外科支援講座を開設することといたしました。

 「職」につきましては、医療機器、蓄電池、さらにはロボットなどの成長戦略産業の集積や、国際産学連携拠点やエネルギー関連産業など、主要なプロジェクトの誘致をめざすことといたしました。

「住」につきましては、引き続き、震災復興土地区画整理事業や災害公営住宅の整備を進めるとともに、市街化調整区域における地区計画の活用に向けた調査を行うことといたしました。

 「子育て」につきましては、「子ども・子育て支援新制度」の施行にともなう様々な施策を推進するとともに、「仮称・なこそ子ども元気センター」の整備や松ケ岡公園において、大型複合遊具の整備を行うことといたしました。

 「教育」につきましては、小中学校において、学校司書を増員するとともに、教育先進都市づくり基金を活用し、生徒会長サミット事業を拡充することといたしました。

 この結果、「『明るく元気ないわき』復興・創造予算」として編成できたものと考えております。




4 経済と雇用状況、本市の対応について
(1)本市の経済と雇用状況について


 伊 藤
 安倍内閣がすすめるアベノミクスは、円安で輸出企業・大企業には利益をもたらす一方、輸入に原材料を頼らなければならない中小企業にはコスト高をもたらし経営を圧迫しています。8%への消費税増税は、下請け価格で競争させられる中小企業には、下請け単価への転嫁が難しく、経営をいっそう厳しいものに追い込みました。

 経営が厳しいため残業が続いている、ボーナスが出るか分からない。そこで働く労働者は厳しい現実を訴えていました。

 また、円高は物価高をもたらし、庶民の生活にのしかかりました。今年になってカップラーメンやインスタントラーメン、食用油やパスタなどが値上げしたのに続き、今後、冷凍食品、アイス、紅茶、牛乳などの値上げが目白押しです。

 こうした厳しい現実がある中でも、震災後、本市の有効求人倍率は比較的良好に推移してきました。この原因はどのようなものと考えていらっしゃるでしょうか。

 商工観光部長
 有効求人倍率につきましては、平性24年7月以降1倍を超える水準で推移し、平成26年12月末時点で1.83倍となっており、過去20年の中で最も高い水準となっております。

 また、有効求人数につきましては、平成26年12月末時点で8,599人であり、平成23年4月末時点の5,672人と比較して増加しているとともに、有効求職者数については、平成26年12月末時点で4,697人であり、平成23年4月末時点の1万391人と比較し減少するなど、本市の雇用情勢は震災直後と比較すると、大幅に回復している状況となっております。

 この要因としましては、就職決定件数の増加などにより、求職者数が減少傾向で推移していることに対し、復旧・復興に関連する建設・土木分野のほか、居住者や市内滞在者の増により、利用者が増加したと推測される「販売」・「サービス」等の分野において、求人が増加傾向にあることなどが考えられます。

 伊 藤
 本市は先ごろ、産業及び雇用動向調査の結果を公表しましたが、この中で本市の経済状況は、現在、どのようになっているのでしょうか。

 商工観光部長
 昨年10月1日を基準として実施した「いわき市産業及び雇用動向調査」の経営状況調査によりますと、運輸業・郵便業では、円安の影響や人手不足などにより、「経営状況がやや悪い、悪い」と回答した企業割合が高い状況となっておりますが、建設業では、復旧・復興関連需要の継続などにより、多くの企業が「経理状況が良い」と回答しており、製造業では、「横ばい」の状況となっております。

 また、「景気動向調査報告書」いわゆる「トレイル」によりますと大型小売店頭販売額の微増が継続しております。

 このような状況から、平成23年度以降に回復基調に転じた、市内経済については、現在も、総じて良好な状況が継続しているものと考えております。

 伊 藤
 本市の経済状況の今後について、どのような見通しを持っているのかうかがいます。

 商工観光部長
 「トレイル」によりますと、震災以降、高い水準にあった、自動車新規登録台数や新設住宅等の耐久消費財でマイナスが続いていることから、今後の購買意欲の動向が懸念される一方、「産業及び雇用動向調査」では、中長期的な経営状況の見込みについて、『良くなる・やや良くなる』又は『変わらない』としている事業所はあわせて48.3%であり、「悪くなる・やや悪くなる」は33.3%となっておりますが、いずれにいたしましても、社会情勢等の変化要因もあり、今後の本市の経済状況を見通すことは難しいものと考えております。


(2)復興後の持続を見据えた予算編成と国施策への姿勢について

 伊 藤
 新年度予算案について市長は、提案説明の中で、復興期の最終年度となる平成27年度は、新・市総合計画基本構想に掲げる「めざしていくいわきの姿」の実現に向け、市民福祉の増進と将来世代への責任を果たすため、復興と新たなまちづくりへ取り組むと同時に、財政の健全化をはかることを基本として予算を編成したのべ。

 東日本大震災や原発事故からの復旧・復興が本市の経済や雇用に影響を与えていることを考えれば、これらの事業の推移は、今後の本市の経済を見通す上で大切な意味を持つことになります。復旧事業の見通しはどのようになっているでしょうか。

 行政経営部長
 本市の復旧事業につきましては、平成23年10月に策定した市復旧計画に基づき、これまで、本年度内での完了に向けて取り組んでまいりましたが、河川の護岸復旧工事の一部が被災地を中心とした災害復旧工事等の集中にともない、機材の確保に不測の期間を要したことから、本年度内での完了は困難な状況となっておりますが、現時点では、本年6月には当該復旧工事が完了する見通しとなっております。

 伊 藤
 復興事業の見通しはどのように把握していらっしゃるでしょうか、うかがいます。

 行政経営部長
 市といたしましては、市復興事業計画にもとづき、これまで、さまざまな復興事業を実施してきたところであります。

 そのうち、震災復興土地区画整理事業や災害公営住宅整備事業などにつきましては、計画期間である平成27年度までに完了する見込みでありますが、災害公営住宅入居者に対する家賃の補助や、住宅の再建にともなう浄化槽設置費用への補助などにつきましては、計画期間後の平成28年度以降におきましても、取り組みを継続する必要がありますことから、復興交付金制度の延長について、国に対し要望してまいりたいと考えております。

 伊 藤
 復旧・復興が本市の経済に影響を与えている現実を考えれば、これらの事業の終期を見据えながら、本市経済の持続につながる見通しを持った取り組みが大切になると思います。復興事業の終期を見据えた新年度の取り組みはどのようになっているでしょうか。

 商工観光部長
 市といたしましては、既存の地域産業の復興・発展を見据えた、新たな産業の振興にも取り組み、安定的かつ継続的な雇用の場を創出することが肝要であると認識しております。

 そのため、本市の地域特性を活かすことの出来る再生可能エネルギー関連産業をはじめ、成長分野である医療機器産業や蓄電池産業、ロボット産業等の振興に努めるとともに、地域産業を支える人材の確保が強く求められている状況も踏まえ、いわき産学官ネットワーク協会や、大学等の高等教育機関、公設試験研究機関等と連携しながら、意欲と能力のある担い手の育成と確保に全力で取り組んでまいる考えであります。

 伊 藤
 現在国会に提出されようとしている労働者派遣法改定案は、すべての業務を対象として、派遣労働者の受け入れ期間を上限3年とし、組合等からの意見を聴取すれば期間を延長できることなどを内容として、事実上、派遣労働を固定化し、また「高度プロフェッショナル制度」は、労働時間の規制を撤廃し、残業代を支払わなくてもすむようにすることなどを内容とし、これらは貧困の固定化などによって本市の経済と市民生活に負の影響を与えると考えらます。市民の生活を守るためにも国会提出の断念を求める必要があると思いますが、いかがお考えでしょうか。

 商工観光部長
 国におきましては、全ての労働者派遣事業を許可制とすることや、労働者派遣の期間制限の見直し等を内容とする、「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律」の改正法案と、高い専門能力を有する労働者を対象に、労働時間ではなく成果で評価されるとした、新たな労働時間制度の創設などを内容とする労働基準法の改正法案が、今国会に提出される予定となっております。

 これらの法改正につきましては、労働関係法令の立法の趣旨を損なうことなく、労働者及び事業所双方にとって有益なものとなるように、その内容等について、国家において十分な審議がなされるべきものと考えております。


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