雲のたまてばこ~ゆうすげびとに捧げる詩とひとりごと

窓の雨つぶのような、高原のヒグラシの声のような、青春の日々の大切な箱の中の詩を、ゆうすげびとに捧げます

水戸岡鋭治さんと熊本博多連続日帰り

2012年12月15日 | ポエム
▲新幹線駅工事中の熊本駅に停車中の大好きな787系特急「有明」(2006.1.13)

水戸岡鋭治さんと熊本博多連続日帰り
 師走、最初の土日は、会議と研究会への参加で、福岡市へ出張した。
 当然、かつては博多のビジネスホテルに一泊するところだが、今回は昨年開通した九州新幹線を利用して宿泊をしないで二日連続で日帰りをした。
 宿泊と連続の日帰りとで金額的にはあまり変わらないかもしれない。要は鉄道が好きなのだ。熊本博多間、日帰りで前日までの予約でつばめ使用に限る「びっくりつばめ切符」を利用した。博多駅ビルで1,500円分の買い物券が付いた企画切符で、5,500円。実質4,000円は安い。ノンストップの「みずほ」なら30分だが、各駅停車の「つばめ」でも博多熊本間を小1時間で行けたら十分。鉄道好きの私としては、物足りない位だ。オマケの買い物券でお土産のドーナッツとワインを買った。
 実際、1日目の会議の出席者の中には、片道1時間以上かかって参加した福岡県内の方もいて、距離と時間の関係がいびつになっている。
 2日目の研究会が終わってから博多駅に戻り、その日から開催されている「水戸岡鋭治幸福な鉄道展」を見た。展覧会自体は、子ども向けでつまらなかったが、初日で取材を受けている水戸岡さんを見ることが出来た。
 水戸岡鋭治さんは、4半世紀に渡り、JR九州の車両の設計やデザイン、列車そのものの企画を行っているドーンデザイン研究所を主宰する工業デザイナー。国際的な鉄道デザイン賞である「ブルネル賞」を4度受賞するなど、国内外で注目されている。九州新幹線、九州の都市間を走るインターシティー、ローカル列車の車両、九州各地の観光地で人気の観光列車などを手がけ、移動の手段であった鉄道の旅を、列車に乗ることが旅の目的の一つになるような、ユニークな楽しい車両を作り続けて来た。九州新幹線の全線開業の際に、全国から注目を浴びた九州で、ユニークなJR九州の列車がさらに人気となった。今では、東京の工業デザイナー等の関係者も水戸岡さんが手がけた列車を九州まで視察に来ているという話を耳にする位だ。



▲初めて九州新幹線に乗車したときに撮影。車体のマークやレタリングも水戸岡さんの車両のデザインの特徴だ。(2006.1.13)

 JR他社の車両デザインがどのようになされていたのか、詳細は知らないが、国鉄時代の枠を取り外すことが出来ないでいた。最近こそ、JR九州の影響か、優れたデザインの車両も見られるが、国鉄時代のあさかぜ型20系寝台列車やこだま型151系、ディーゼル特急に使われたキハ82系のデザインを越えるものは出ないどころか、鉄道ファンとしてはトキメク車両に出会うことは少なかった。
 そんな中、1988年に登場したJR九州の787系つばめ型は、車両のコンセプトと言い、外観、内装ともにドキドキワクワクの車両だった。つばめに乗ること自体が楽しめた。国鉄時代のつばめを意識しており、個室や横3列シートのグリーン車、ビュッフェ、ヨーロッパの列車のようなセミ・コンパートメントの車両もあった。このセミ・コンパートメントは、私の子ども達のお気に入りで、4人がけの半個室の中央のテーブルを広げて、お菓子を食べたり、トランプをしたりした。
 好きな鉄道のことを話し出すと、饒舌に、しかも止まらなくなってしまうが、この787系つばめ型の電車が水戸岡さんの手がけた傑作で、驚いたことに、今回久しぶりに博多駅で見かけた787系の姿に相変わらずときめいてしまった。25年も経って古さを感じないデザインは、すばらしい。
 来年はやはり水戸岡さんが企画デザインを担当した二つの列車が登場する。一つは来年10月のJR九州のクルーズトレイン「ななつ星」。オリエントエクスプレスまではいかないが豪華な九州一周の専用列車だ。たぶん、宝くじでもあたらない限り、私が乗客になることは無いだろうが、その登場が今から楽しみである。来年3月の肥薩オレンジ鉄道の「おれんじ食堂」という観光列車も楽しみにしている。
(2012.12.15)

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