雲のたまてばこ~ゆうすげびとに捧げる詩とひとりごと

窓の雨つぶのような、高原のヒグラシの声のような、青春の日々の大切な箱の中の詩を、ゆうすげびとに捧げます

くちびる

2011年07月07日 | ポエム
 くちびる

きみの赤い唇は
どんな果物より美しいね
きみの赤い唇は
おとなになったしるしだね

その唇から出たことばが
時には僕を悲しませた
その唇から出たことばが
いつしか僕をつよくした

そして
その唇に触れることなく
その唇から離れて行く

きみの赤い唇はもう
さようならは言わないけれど
ふたりの旅立ちのしるしだね
(1976)


 化粧について
 ここ数年、テレビを見ていて、「ああ、なんてきれいな女性なんだ」と、ときめくようなことが少なくなった。私の好みなんだろうけど、私がきれいだなと思う女優さんやタレントさんが少ないように思う。
 大手化粧品会社の「ほらっ、見て見て。日本を代表する、私たちみんなきれいでしょ」みたいな、7、8人の女性が登場するCMを見ても、協調される程きれいだなとは、思えないのだ。魅力が少ないのだ。
 他社の化粧品会社のポスターを見ていても、バッチリ化粧をしたモデルのスポーツ選手をみて、ふだんの競技の後の化粧気の少ない顔の方がむしろきれいだと思う。そう。化粧がいけないのだ。今流行の化粧というものが多分私の好みではなくなってしまったのだろう。
 もちろん、私が歳をとってしまったことも大きな一因であろう。世の中と感覚とずれてしまっているだろうことは、自覚している。
 でも今も昔も、素顔が美しい年頃は変わらずにあると思う。なんて美しいんだと、胸が切なくなるような、光り輝く様な年頃が。
 若い頃、パリに住んでいた。ファッションの流行の先端と行く街だから、パリジェンヌはさぞや流行に敏感で、皆、先端のバリバリの格好をしているのだろうと想像していたが、それは違っていた。みんなそれぞれの格好をしている。そしてそれがとても魅力的だった。足の美しい子は、それを意識してミニスカートを、太めの子は、ああこの子には、これが一番魅力的に見えそうだという格好をしていた。自分をよく知っているんだなと思った。
 一方、日本の今の若い女性の、化粧だけみても何だか個性が無いように感じる。
 高校生から20歳代前半の皆様。素顔が最も輝く一瞬の年頃を大切にしてほしい。そういう貴重な年頃の美しさを個性の無い化粧で隠さないで欲しいとオジさんは願う。
 それ以後の方は、残念ながら化粧が必要となる。でも30代、40代、50代、60代。「まだまだ若い子はこの人の魅力にはかなわないよね」って思う、チャーミングな顔の女性もたくさんいます。と、いうより、その歳でないと出ない魅力って絶対にあります。
(2011.7.7)


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