<増田俊男の時事直言より転載>
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私は「異次元金融緩和」を「異常金融緩和」と呼んできた。
異常と言うのはFRBの5年遅れというタイミングと、GDP比でFRBの3倍という異常大型緩和量である。
黒田総裁が異常緩和を発表した2013年4月4日、すでにFRBは日銀に緩和縮小発表が5月早々になると伝え日銀に何をすべきか示唆していた。
FRBの3倍の緩和量はFRBが緩和出口後の資金供給減を補填するのにぴったりの量であった。
10月31日の俗に言うバズーカ発言のタイミングは計算されたもので、丁度FRBが完全に緩和を停止する日であり、また中間選挙における共和党優勢で財政引き締め懸念が出始めている市場に活を入れる時であり、11月10日からの北京APECまではアメリカの市場を盛り上げておく必要があったからだ。
日銀短観(9月)が示すように日本の景気は徐々に上向いているし、為替についても大手輸出企業の設定レートは100円だから106‐109円以上に急激に下げる理由は全くない上、日本経済は欧州のようにリセッションに陥る可能性はないことは日銀が一番よく知っている。
FRBが10月をもってQE3の出口にした理由は、FRBのバランスシートが世界一の不良債権、返済の可能性が皆無の米国債の比重が増加し過ぎ、やがてFRBの信認問題になる事が明らかだからだ。
更に5年以上、400兆円以上の緩和で物価の最大要因の所得は伸びるどころかマイナス、GDPもインフレ率換算でゼロまたはマイナスであった。
アメリカ経済を自律成長させるための5年以上にわたるFRBの金融緩和政策は完全に失敗に終わり、副産物として金融市場バブルを残したのである。
このFRBの失敗を知りながらの日銀緩和だから2013年4月の日銀緩和政策以来日本の所得はマイナス、GDPも下降線なのは当然の結果。
黒田総裁は金融緩和の大リスクを知りながら何故ここで再びバズーカを発射したのか。
FRBの金融政策が失敗に終わり、残した副産物は金融バブル崩壊のみ。
この期に及んで待っていましたとばかりFRB失敗の「補てん係り」の登場!
黒田総裁のアメリカの為の意図的円安政策で日本の産業の米であるエネルギー価格は高騰、電気代値上げ、ガソリン代値上げ、中小企業の原材料高騰、、、等々の日本を尻目に黒田総裁はバズーカ砲遊び。喜ぶのはアメリカだけ。
「黒田さん、ご苦労さん」とは高騰する日本の株を最高値で売ってアメリカに持ち帰る皆様からのお言葉。
政治年齢はついに7歳、日銀はマイナス7歳、、まだ産まれていない!
存在しない方を非難しても始まらない。すべては夢のごとく、ただ悪夢にならぬことを祈る。
<転載終わり>
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10月31日に日銀は追加の金融緩和を発表しました。アメリカがこれ以上金融緩和をすることができないので、日銀が代わりに金融緩和をしたことは誰でも分かることです。リーマンショック以来FRBは日銀以上の金融緩和をして来たため、株価だけは史上最高値を現在も更新中です。既にアメリカの経済は破綻していますが、QEでかろうじて延命して来ました。それももう終わりになります。
アメリカもEU、日本も金融緩和という延命措置で何とか生きていますが、アメリカとEUは金融緩和も限界になって来ています。本屋に行くと、アメリカや日本経済が来年以降大混乱を迎えるという趣旨の本がたくさん並んでいます。確かにGDPの何倍もの金融緩和をしたので、金利が5%に上がっただけでも国の経済は廻らなくなります。そのためFRBは市場から国債を買い上げて、金利を抑えています。
このまま行けば、アメリカもEUも経済は行き詰まり、混乱することは経済評論家でなくても誰でも分ることです。日本もまた経済が破綻し、リーマンショック以上の不況になると経済評論家は言います。確かにGDPの200%の国債を発行しているのですから、評論家の言うことは正しいのですが、それはアメリカやEU、中国には当てはまりますが、日本だけには該当しないようです。アメリカもEU、中国の国の金庫は空っぽですが、日本には巨額な富が眠っているとのことです。それは主に金塊という形で保管されているそうです。
日本の大企業はアメリカ企業の株を多く取得しているため、今アメリカ経済が破綻し、アメリカ企業の株が暴落すると、日本企業への影響は甚大なものになります。倒産する企業も出て来てしまいます。そのため、日本としては仕方なく日銀の追加金融緩和という形で、援護しているということです。 アメリカを救済するために黒田バズーカを発射したのではなく、日本の企業を救済するための措置であったというのが真相のようです。
近いうちにアメリカやEU、中国の経済は行き詰まります。「金でつぶして地固めして」と日月神示にあるように、今の資本主義経済は根底から倒れてしまうと思います。誰かが犠牲になっている経済システムというものは、長くはもちません。草木、虫けら、四つ足と共に生きることができる世の中に移行する時期が、近づいて来ました。世界経済は一旦は更地になりますが、そこから再生する燃料として、日本の金塊が使われるように思います。その後は金(きん)に裏打ちされた経済システムが出現するはずです。いずれは金の要らぬ世になりますが、それには50年や100年はかかるように思います。ミロクの経済までは遠いですが、今の資本主義はそろそろ終わり、もう少し真面目な経済に移行する日が近くなって来ました。
・益田俊男の時事直言