島へ
その担当者から電話があった。その内容と声の調子で少しずつ現実味を増してきた。どうやら僕は島へ行くらしい。そしてメンバーが男性1人だけという衝撃事実が告げられた。
えぇっ!
声に出して驚いてしまった。男性ばかりだと思っていた。そういう事じゃないのか?と不安が花粉のようにまとわりついてくる。全員で6名。年齢構成や出身などの詳細は全く教えてくれなかったが、共同生活を行うのだ。
ゲストハウスに4泊する。得体の知れないメンバー(男子は僕だけ)6名とスタッフ数人。これをチャレンジと呼ばずしてなんと呼ぶのか。
旅は慣れている。ひとり旅も。しかし共同生活は初めてだ。そしてその男女比。僕は正直意気消沈し、その5日間の自分の置かれた状況を想像してみた。
そして大人しい無口な男子を装う事に決めた。このままじゃ何か心に傷を負ってしまいそうだ。震えながらスケジュールを確認した。
農園や漁業などその島の特徴を体験する内容に加えて「祭事」と「その練習」という項目に驚いた。どうやら調べると祭りに参加するというのだ。
説明の時には聞いていたのだが上の空だった。祭りの内容が「男性2名が弓を放ち、その魔物を除ける」という。その2名の男子のうちの、まさか僕が弓の練習をするんじゃないよね?地元の屈強な男子がその大役をうけたまわるんだよね?また不安になった。
その祭事に参加するためにスーツを用意するという、下手をすると袴がどうのとか言っていた電話。まさかとは思うが、男子は僕だけなのだ。
嫌な予感がする。
これ以上プレッシャーをかけるとドンピシャでインフルエンザにかかるかも知れないほどだ。僕は別にズル休みに抵抗がある方ではない。個人のストレスを犠牲にするほど人間もできていない。
しかし全てを受け入れようとする覚悟もないわけではない。見知らぬ島へ、見知らぬ人たちと関わりながら少なくとも新しい話題で会話し一喜一憂する。その楽しみな気持ちも同時に存在するのだ。
地元の人たちが「移住」を期待してくるのも分かった上で、それでも1次産業やその土地の"良さ"を感じることから始まることも理解しているつもりだ。
僕はまた新しい事にチャレンジする。
そんな愉快な自分を、またさらに好きでいるために。
人見知りスキルを発動させ、 普段の僕ではない"女子会男子"のように大人しくしていられるのは何日目までだろう。
その担当者から電話があった。その内容と声の調子で少しずつ現実味を増してきた。どうやら僕は島へ行くらしい。そしてメンバーが男性1人だけという衝撃事実が告げられた。
えぇっ!
声に出して驚いてしまった。男性ばかりだと思っていた。そういう事じゃないのか?と不安が花粉のようにまとわりついてくる。全員で6名。年齢構成や出身などの詳細は全く教えてくれなかったが、共同生活を行うのだ。
ゲストハウスに4泊する。得体の知れないメンバー(男子は僕だけ)6名とスタッフ数人。これをチャレンジと呼ばずしてなんと呼ぶのか。
旅は慣れている。ひとり旅も。しかし共同生活は初めてだ。そしてその男女比。僕は正直意気消沈し、その5日間の自分の置かれた状況を想像してみた。
そして大人しい無口な男子を装う事に決めた。このままじゃ何か心に傷を負ってしまいそうだ。震えながらスケジュールを確認した。
農園や漁業などその島の特徴を体験する内容に加えて「祭事」と「その練習」という項目に驚いた。どうやら調べると祭りに参加するというのだ。
説明の時には聞いていたのだが上の空だった。祭りの内容が「男性2名が弓を放ち、その魔物を除ける」という。その2名の男子のうちの、まさか僕が弓の練習をするんじゃないよね?地元の屈強な男子がその大役をうけたまわるんだよね?また不安になった。
その祭事に参加するためにスーツを用意するという、下手をすると袴がどうのとか言っていた電話。まさかとは思うが、男子は僕だけなのだ。
嫌な予感がする。
これ以上プレッシャーをかけるとドンピシャでインフルエンザにかかるかも知れないほどだ。僕は別にズル休みに抵抗がある方ではない。個人のストレスを犠牲にするほど人間もできていない。
しかし全てを受け入れようとする覚悟もないわけではない。見知らぬ島へ、見知らぬ人たちと関わりながら少なくとも新しい話題で会話し一喜一憂する。その楽しみな気持ちも同時に存在するのだ。
地元の人たちが「移住」を期待してくるのも分かった上で、それでも1次産業やその土地の"良さ"を感じることから始まることも理解しているつもりだ。
僕はまた新しい事にチャレンジする。
そんな愉快な自分を、またさらに好きでいるために。
人見知りスキルを発動させ、 普段の僕ではない"女子会男子"のように大人しくしていられるのは何日目までだろう。