山形のホリデイマタギ日記

山菜とキノコと魚を採って遊ぶ年寄りの冷や水日記

まぼろしのキノコ(PartⅠ)

2020年03月17日 | キノコ料理
 異様に早い春の訪れに、少々の戸惑いを感じる。しかし、そんな春でもマタギの準備は、それに合わせて進んできている。
 山行の装備、OK!
 海行の準備もOK!
 とってきたあとの受け入れ態勢も、ほぼOK!
 なんですけどね。ちょっと気になっているものがあるんです。
 次の、山菜採りで食べきれないほどの収穫があったときのために、二つの桶は空いたんです。だけど、もう一つがかなり心配なんですよ。
 3つ目の桶の中身は、

これはトビタケ(これもマイナーキノコ) その下にあるんですよ


このキノコです こちらは、ベリーレア物

 正式名称は、『エゾハリタケ』。地元では、『ヌキウチ』とか『ヌケオチ』とかと呼ばれています。でも、それを知っている山形県民は、ほとんどいないんじゃないかな?
 「ハリタケ」とは、

カサの裏面です

カサの裏面が、ヒダ状でも海綿状でもなく、針状になっているために、この名がつけられています。このタイプは、数種類あるんです。ただ、このエゾハリタケ、非常に稀なキノコである上に、生える場所が、頭上遙か彼方の木(多分ブナだけ)の幹であるために、めったに手に入りません。

こんな風に生えていました(写真 縦にできない)

したがって、このキノコを見たことのある人はもちろん、これを採ってくる人も極めて稀です。ただ、かつて食べたことのある身としましては、なんとか手に入れたいまぼろしのキノコなんですよ。
 ちなみに、『ヌケオチ』とは、冬になり、雪が積もった重みで樹上から抜け落ちてくるのを拾うから、この名前になったと聞きました。さもありなん。木に登って採るのは、かなり危険で労力を伴います(なかなか剥がれてくれない)。
 さて、このキノコの厄介な所は、この先も続きます。美味しく食べるのに、3年間以上かかるというのです。
 見て分かるように、このキノコ、『サルノコシカケ』みたいに固いんですよ。今回調理しているのは、3年もの。平成29年に採ってきて、塩漬けにしておいたやつです。
 これを戻して(塩を抜いて)、味噌に漬けて1年待つのが普通だそうです。
 せっかちなマタギとしましては、そんなに待ってるよりも、いろんなチャレンジをして、新しい食べ方を見つけたいと思っています(味噌漬けも作る予定だけどね)。

塩抜き中です


 さて、美味しく食べられるかどうか。塩を戻すのに一昼夜。戻しながらも、次の一手を模索中のマタギです。

  To be continued!