山形のホリデイマタギ日記

山菜とキノコと魚を採って遊ぶ年寄りの冷や水日記

まぼろしのキノコ(PartⅡ)

2020年03月19日 | キノコ料理
 キノコの世界にも格差というものがあるようだ。マタギが採ってくるキノコのうちでも、マイタケとかシメジ(ブナシメジ)とかナメコなんかは、万人から愛されているようで、人にあげても喜ばれるし、栽培が盛んに行われて、店頭にも並んでいる。
 ここで、時事問題です。この栽培と店頭販売の発展が、人と自然とのつながりや山での生業を希薄にしている要因の一つだと感じるんですね。今回のテーマからは離れるんで、あっさりと。この自然豊かな山形に住んでいても、人々の自然離れは顕著だと感じます。簡単に言うと、マタギ自身も含めて、ファストフード文化に浸りつつあると思っています。もうちょっと言うと、苦労と収穫とを分かち合う『お陰様』『お互い様』の文化を忘れてはならないと思うんですね。詳しくは、追々と。
 ・・・なんでこんな話になったかというと、今回の『まぼろしのキノコ(エゾハリタケ)』の値段なんですよ。ネットで検索してみると、1㎏7000円だって!高級品じゃない。でも、この値段がつくのは、本当に美味しい天然物だけ。1パック98円のキノコとは、モノが違うのよということを主張しているんですね、通販業者は。

この株 5㎏ありました=3万5千円?

 ここに、2つの格差が見えてきます。
 美味しいと人が認めるから、栽培をめざす。技術が発展し、確立された結果、大量生産されて安く販売される。その結果、これまで以上に世に認められ、万人に更に受け入れられていくポピュラーキノコ。1つ目の格差発生です。
 それに対して、めったに採れないし栽培技術も確立されていない。したがって、いつでも気軽に味わえるわけでもない。しかし、その味を知っている人にとっては、忘れられない憧れのキノコになる。その結果、かなりの高値がついてでも買いたい人が生まれるレアキノコ。こちらが2つ目の格差です。
 つまり、いいキノコというものは、安値方向か高値方向かに向かって2極化していくみたいなんです。
 どちらの格差も、発生して当然ね。この欲求って、人の本能だもの。(美味しいものは食べたいし、滅多に手に入らないものは自分のものにしたくなるよネ)
 で、今回の『まぼろしのキノコ』の問題だ。これは、明らかに2つ目の格差を生む高級キノコ。収穫できたこと自体は、すごい喜びなんです。
 しかしですよ、調理方法に自信が持てないんですよ! とにかくマタギも経験不足でドギマギ(さすがまぼろしのキノコ)。

 ≪エゾハリタケの味噌漬け≫

 とりあえず、一部を『味噌漬け』にしてみました。

薄く切り分けて


味噌に和えて

 ・ビンの下に味噌を敷いて
 ・味噌和えを押し込めて
 ・酒、醤油、味噌の汁を足して
 ※素人考えなんですけど、この方がキノコに味が染み込むと考えている
 ※隙間の空気も抜けたので、ほぼ密封状態
 ・密封して冷蔵庫へ

果たしてうまくいくか?


 1年とは言わず、今年のキノコシーズン開幕の頃に味見してみようと考えています。

 これで、第1部終了。 今回戻したうち、1/3終了。果たして、この高級キノコを美味しく仕上げることが出来るか。すごく心配で楽しみです。でも、・・・。
 よく考えてみると、問題は、高級かどうかじゃなくて、美味しく仕上がるかどうかの1点なんだよね。生産量や値段の格差は、誰かさんが決めるだけ。マタギが決めるのは、みんなが喜んでくれる料理の仕方。その辺をめざして、続きも工夫してみましょう!

  To be continued!