山形のホリデイマタギ日記

山菜とキノコと魚を採って遊ぶ年寄りの冷や水日記

筍の聖地 お三度参り

2024年06月21日 | 山菜採り

 本日は、月山筍の聖地N沢筍詣での3回目になる。

 前回との大きな違いは、『中3日』での出発になったこと。

 この短いインターバルになったのは、マタギの勤務日程の都合で、どうにも動かしようがない。

 そうなると心配なのが、自身の体力の回復

 前回、大量のタケノコを背負って歩き続けてみて、局所的な痛みや怪我はなかったものの、フラフラになって帰還したことは事実。

 そこから、しっかり回復できるかどうかが不安材料だった。

 でも、そこは2回続けたタケノコ修行。3日目には、ほぼ疲労回復した。

 やっぱり、繰り返しは大事だわい。

 そうして、もう一つの懸念材料が、タケノコを持ち帰った後の台所

 一部は瓶詰め保存にしたものの、近日中に調理しなければならないタケノコが、まだ大量に残っているのだ。

「この前の残りがいっぱいあってよう。今日採って帰ったらどうなるか心配なのよ。」

「俺もそう思って、この前の分から、良さそうなものを人に配って、残りを瓶詰めにしてきたんだ。」

 なるほど、流石はA氏。先の見通しを立てて行動している。勉強になりました。

 さて、N沢の様子はというと、

「やっぱり、裏山でのクマ騒動から、こっちさも人来ねぐなってのう。今日もガラガラだ。」

検問所の爺さんも諦め顔のようだ。

 ここのクマは、人との棲み分けが出来ているから、よっぽど変なことをしなければ騒動にはならないと思うんだけどなあ。

 さて、歩き始めて30分弱で最初の休憩地に着いた。

        もうすぐ夜明 タニウツギは満開

 ここまで追い越しも追い越されも全くなかった。珍しいことだ。

       渡渉点周辺の雪も全くない

 この辺りも、つわもの達が急登を前に気合を入れ直す場所なのだが、誰もいない。

       遥かに庄内平野を望み、第二の休憩所へ

       対岸の山の雪渓はほとんど消えている

 ここにも人はいない。

 本当に人がいないのう。

 この先は沢歩きが中心になる。

       ようやくスノーブリッジが現れた

 頑丈そうだったスノーブリッジも大分小さくなってきたので、末端部分と沢の上は慎重に渡る。

 前回の結果に加えて、この雰囲気だと、雪渓の消え際が一番の狙い目になりそうな気がする。

       いいタケノコだ

       伸び加減でもウラ折りにしていただきます

 ちょっと厄介なのが、

       他の植物が伸び始めたこと

 出始め、短めのタケノコが見つけづらいです。

 筍採りの大原則が、地面に這いつくばって見ること。そして、下から上に向かって見ることなんです。

 ところが、この強靭な竹林が、束になって邪魔しに来るんです。

 ここからは、竹藪対マタギの死闘ですね。

 全力で竹藪をかき分け、身体を獲物に向かって移動させる。

 それをさせまいと、竹藪と蔓植物が連携して邪魔してくる。

 非常に辛いのが、この格闘が、雪崩の落ちた上の急斜面で行われているということなんです。

 ちょっと間違うと、せっかく登った斜面からずり落ちてしまう。

 そうならないために脚力・腕力・背筋・腹筋を総動員しての戦いです。

 そして、なんとか満足のいく収穫になったところで、

「あと、降りるぞう!」

「分かったあ!」

なんとか安定できる場所を見つけて、収穫物をリュックに移したら下ります。

 こんな採り方が、今回のマタギたちのタケノコ採り。

 上の平に行くと、採り方が全然違ってくるんだけど、これで十分に満足できるから続けています。

 さて、川底周辺まで発生範囲が広がってきていることが予想できたので、それらしい場所でも収穫を重ねて下山です。

 「おい。サンカヨウじゃないか?」

「どれどれ?おお!」

 マタギは、疲れて周辺を観察する余裕がありませんが、A氏にはその余裕があるようです。

       今年初めて見た

       やっぱり美しい

 余裕のA氏は、出始めのウドも少々収穫しておりました。マタギは、もう十分です。

       ツガザクラも咲いています

 下り基調で1時間余り、

       再び庄内平野の見える坂の入り口に

 ここまで来たら月山筍礼拝の旅も最終盤です。あとは、1時間弱、気を抜かずに下るだけです。

 今年も無事に月山筍採りを終了することができそうです。

 N沢の山の神様、沢山の喜びを、今年もありがとうございました。

 来年になるか、来週になるか分からないけれど、これからもよろしくお願いいたします。



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