散歩日記XX

主に趣味の話を書いているブログです。

2022年の本

2023-01-02 08:15:26 | 読書
2022年に読んだ本の中から、面白かったものを上げる。
(5行ごとの改行は単に見やすくするためのものである)

「勝負の店」久住昌之
「喫茶アネモネ1、2」柘植文
「透明人間は密室に潜む」阿津川辰海
「星新一の思想」浅羽通明
「時の子供たち 上下」エイドリアン・チャイコフスキー

「売春島」高木瑞穂
「十日間の不思議」エラリー・クイーン
「フォックス家の殺人」エラリー・クイーン
「イヴリン嬢は七回殺される」スチュアート・タートン
「新しい世界を生きるための14のSF」伴名錬編

「ドライブイン探訪」橋本倫史
「ツナグ 想い人の心得」辻村深月
「最後の宇宙飛行士」デイヴィッド・ウェリントン
「掃除機探偵の推理と冒険」そえだ信
「風神館の殺人」石持浅海

「ここから先は何もない」山田正紀
「われはレギオン4」デニス・E・テイラー
「日本ボロ宿紀行2」上明戸聡
「航路 上下」コニー・ウィリス
「早朝始発の殺風景」青崎有吾

「NSA 上下」アンドレアス・エシュバッハ
「オール・クリア 上下」コニー・ウィリス
「ブラックアウト 上下」コニー・ウィリス
「ヨルガオ殺人事件 上下」アンソニー・ホロヴィッツ

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以上から、特に良かったものを挙げる。

■「オール・クリア 上下」コニー・ウィリス
■「ブラックアウト 上下」コニー・ウィリス
時間SFの超大傑作。「ブラックアウト」が作者得意の回りくどい感じでどうかなと思っていたが、ここで貼っていた伏線が「オール・クリア」で完璧に回収されるところが、最高のSFであると同時に最高のミステリを楽しんでいるかのような感覚になる。あえて、前半の「ブラックアウト」も含めて今年のベスト入り。

■「NSA 上下」アンドレアス・エシュバッハ
爽快な(時に多弁すぎる)コニー・ウィリスに対して、陰鬱なこの作品も大変興味深く、考えさせられるものであった。かつてのSFが原子力に警鐘を鳴らしたように、データサイエンスとAIに警鐘を鳴らす作品。

■「ここから先は何もない」山田正紀
構想のすばらしさに、思わず「星を継ぐもの」や「幼年期の終わり」のネクストと誉めてしまった作品。

■「十日間の不思議」エラリー・クイーン
■「フォックス家の殺人」エラリー・クイーン
後期クイーンを面倒くさいと思い込んで読まず嫌いだったことを反省する名作。アメリカの片田舎の雰囲気を描き、最小限の登場人物でミステリを構成する力量が素晴らしい。2作からどちらかを選ぶことができず、合わせてベスト入り。

■「喫茶アネモネ1、2」柘植文
最後は何とも不思議に楽しいこのマンガをセレクト。自分もどこかの喫茶店常連になりたくなってくる。

次点として、「時の子供たち 上下」エイドリアン・チャイコフスキーを挙げておこう。ベタベタの黄金時代SFテイストだったので、そこがちょっとマイナスだったが、今の時代にクラシックな味わいを蘇らせた作品だと思う。
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