写真は関東地方を襲った記録的な豪雪のため、孤立した家屋などの人命救助で、長野県知事の要請に基づき災害派遣に従事中の陸上自衛隊員である。今回の豪雪では、東京都知事、宮城、埼玉、山梨、群馬、静岡、長野、福島県知事からの災害派遣要請が出され、陸上自衛隊の部隊が対応している。単純に写真を見ていると、いつもながら≪今の自衛官は大変だなあ≫という実感を抱くが、各自治体としての、危機管理の考え方がちょっとおかしいのではとも感じるのだ。自衛隊に頼めばどうにかなる・・というのはどう考えてもおかしい。絶対的緊急性や自衛隊の能力でなければ解決できない事象を最優先すべきなのに、東日本大震災後半年経過した時期での除染作業、或は今回の≪道路啓開≫である。言ってみれば、単なる雪かきなのだ。自衛官は命ぜられれば任務を完遂するが、考えてみれば、雪かき作業は自衛官でなければ出来ないことなのか。暇だから使え、タダだから使えと思っていると大きな勘違いだと思う。先ほどTBSラジオで埼玉県で、某市長が豪雪による自衛隊への災害派遣を県に申請したところ却下された、コメンテータは市長が現場情報を身近に知っているのに、県知事がそれを却下するのはおかしい・・等々県の対応を批判していたが、県としてのはそれが最善、最適な手段だったのかを考えた結果だと信じている。東日本大震災で有名になった宮城県知事の村井氏は陸上自衛隊幹部経験者であり、群馬県知事は海上自衛隊の幹部候補生学校の経験者である。さすがその2県は≪道路啓開(雪かき)≫での災害派遣要請は出さなかったようだ。防衛省関係者が自治体の長になることは、危機管理上容易に調整が出来、対応も迅速であると思いがちであるが、県知事本人が自衛官であったことによる≪自衛隊側の痛みや、本質を見抜く力が≫一般人よりも勝っているのではと思う。過日の東京都知事選挙では、懸賞論文問題で更迭された≪田母神俊雄元航空幕僚長≫が支援政党や組織を持たず善戦したが、舛添氏が当選した。いざという時の危機管理や、腐れ縁の全くいない田母神氏に投票した年齢層が20代~30代だったそうであり、この国もまんざらではないと思った。