hyperclub

パソコン教室アイラブハイパークラブです。
教室に流れるBGMなどを紹介します。

バック・コーラス

2008-05-31 23:59:00 | 音楽

 体調については快調と断言できる。しかし、さすがにこの時期、梅雨前のはっきりしない天気が続くと、例年、何とも譬えようのない不具合に悩まされ、ときに支障を来たすことがある。

 喩えると、こうだ。

 美味しいご馳走を目の前にしながら、しかもすこぶるつきの大好物を目の前にしながら、食指が動こうとしない。

 体調不良?

 とんでもない!

 ぼく自身、外見も中味もどこも悪くないはずだ。悪い感じもしない。寧ろ前のめりになるほど気持ちが傾いているのにお箸をとると何かが消失するみたいなのだ。

「さあ、召し上がれ!」

「…あれっ、食べないの?」

 さぁ、何と答えよう。ふだん饒舌なくせに言葉を濁す。自分にも異和の兆しが感じられ、それが説明つかない。でも、回りが進んでいく。厚意が温もって通ってくる。

「いやぁ、そのぅ…」

 しどろもどろになるのも無理はない。相手のおもてなしの気持ちがビンビン伝わるだけに引っ込みがつかない。取り繕えばさらに無様になる小心者。夢なら覚めろ。

 

「あるんだよな、そういうの。大切な場に限って得てして起こり得るのよ。」

 連休に立ち寄った友人のSが呑んでる席でそうボヤク。彼はぼくの友人には珍しく業界の人だ。音楽プロデューサーのY氏の別荘が的矢湾沿いにあり、そこに居候を決め込んだ。Y氏も同席で、すぐに

「タニちゃん」
「Yちゃん」

と呼びあう仲になった。

「ワシさぁ、苗字のフルに『ちゃん』付けられるとゴウ沸くんよ、タニちゃんならOKなんやけどね」
「ナニよ、ごおわく…って?」

 酔っ払ってるから脈絡もない話を行ったり来たり。そのうち痺れを切らしたようにSが囁く。

「なあ、タニ公、お主、昔はファルセット綺麗に出たよな。今も大丈夫か?」

あれ~、まだ覚えてくれてたのか、ワシのベルベット・ヴォイスを。訳すとこうなる。学生の頃、ぼくは裏声が綺麗で、ぼくがハモると、マヒナスターズ、違う! モトイ、タイム・ファイブのようなコーラスになったのだ。事実、今でも、ぼくがカラオケで歌うのが、ジミー・ジョーンズのファルセットが見事な「素敵なタイミング」で、この曲は坂本九ちゃんがカバーしたし、今でもコマーシャルで「光のタイミングゥ」なんて登場してくる。

「なあ、タニ公。お前、バックコーラスやらないか?」

ぼくは咽た。

「ノ、のっけにナニを言うんやなぁ!」

「いや、冗談じゃないんですよ。」

とY氏。顔が真剣だ。

「ココだけの話にしてください。実はもうまもなくあるビッグなロックグループが活動を休止するんですよ。インサイダー絡みで微妙なので詳しく申し上げませんが、株価が変動するほどの大事です。」

 そこで、A社の意向を受けてアダルト・コンテンポラリなバンドを急造する役目を担ったのが、目の前の二人。もちろんかつてアイドルとして時代の寵児だったNがメインのヴォーカル、楽器が達者なスタジオ・ミュージシャン上がりを数名添えて、さらにファルセットの名手であるぼくがバックアップ…となるとそれはそれは最強のグループになるのだとか。

 豚もおだてりゃ…、その勢いで歌いまくったのは当然だろう。気分はオーディション。

「昔のまんまや。それ以上や」

感涙するSと、

「いいっす、そこんとこのエロキューション!」

と、のせまくるY氏。弾みというか、下戸の酔った勢いというものは怖ろしい。瞬く間に、すっかりしぐさもプロ並だ。

 最近ブログの更新が途絶えがちなのはそういう訳である。しかもプロ・デビューが7月と決定し、実は、毎晩レッスンに余念がない。おそらくブログのエントリーも今夜が最後になるかも知れない。

 そんな訳でとても信じられないだろうが、本当のつくり話だ。


ライブ

2008-05-27 23:31:38 | 音楽

Shingo_01

 通称大阪村と呼ばれる地域にある山の隠れ家的喫茶店「コンドルは飛んで行く」でライブが開かれた。

 アーティストは今村信悟氏。全国ツアーの途上、店主に声がかかったらしい。開催に至る顛末はここをクリックしてもらった方が分かるかもしれない。閑静な別荘地の中のこと、あまり大掛かりだと駐車場など周辺に迷惑を及ばすかもと知れないと店主が気遣ってささやかな口コミでの周知となった。それでも30人ほどが集ったから大したものだ。参加者の配慮が行き届き整然として混乱もなかった。

「このジーッというノイズ、何とかなりませんかね。」
「それは虫の音だから何とも致しかねます」

こうした店主と出演者ののどかなやりとりも楽しく、窓を閉め切ったら静まりかえったのには笑ってしまった。

 ジャズ、ボサノバ、ビートルズ、カーペンターズのメロディがふだんは喫茶店の急ごしらえのホールを満たし、心洗われるひとときとなった。

 それにしてもビートルズをリアルタイムで聴けたことの幸せをかみ締める。年喰ってしまったが良かったことの多いのも確かだ。

Shingo_02

オヤジですが何かぁ!


清﨑と清崎

2008-05-10 11:33:18 | 音楽

Atelier

 文楽アトリエ10周年について同じ記事が続いている。訝られる方がおられるかも知れない。これには訳があって…。

 主宰の「きよさきひろし」先生の「さき」の漢字、正しくは「﨑」が「立つ」の方である。たまたまそのことを伺っていたので、6日発のブログでは、「清﨑」と表記した。ところが…。

 よく考えると、普通、先生の名前を Google や Yahoo! で検索しようとすれば、どなたも頓着無しに「清崎」と「さき」が「大」の方で入力されるだろう。日本語入力システムで勝手に変換してくれるのが「大」の方の「﨑」というのもある。

 せっかく検索エンジンとの相性が良いとされるブログで、これはもったいない。検索結果を見ていただければ分かる。

 で、急きょ、よく使われるだろう「崎」の方でも記事にしアップした次第。その配慮が検索結果にどう効いてくるかは明日のお楽しみだ。で、なぜ最初のを削除しないのか。数は少ないだろうけど正式名で検索かけてくださる方のため。選択肢を増やすのは損にはならない。


清崎博文楽アトリエ

2008-05-07 23:58:00 | 音楽

清崎博文楽アトリエエントランス

 教室に学籍番号というものがあるとしたら、事実ある訳だが、第一番を冠するのが清崎博画伯である。安乗文楽人形をテーマに油絵を描き続けられておられるのはご存知の通り。のみならず人形芝居の復興にも寄与された方である。現在、

清崎博文楽アトリエ

の主宰として後進の指導にあたられている。また、マジシャンとしても活躍されている高名な方なのだ。

 その先生のアトリエが今年創設10周年を迎える。11年前、画伯は磯部小学校長を退職されたばかりで幼稚園の園長先生をされていた。ぼくはまだ教室の準備活動を始めたばかりで、別の仕事に就いていた。共通の友人のおかげで顔見知りではあるものの、パソコン講師としては海の者とも山の者とも分からないぼくを信頼してくださり、入会していただいた。

「フライングというのもありますねぇ」

穏やかな口調で仰られると、とても抗えない雰囲気がある。先生から教授法を指導していただきながら受講料をいただいた。ぼくって果報者だ。何せ当時三重大学でも教鞭をとっておられたのだから。

 時代は、パソコンがなければ何も始まらないという空気に満ちており、とても好いタイミングだったように思う。一年後に先生のアトリエがオープンしたのだが、時期を同じくして瞬く間に肩書きが増えた。それ以来、多忙を極める密度の濃い日常を過ごされている。

 告知にしてはずい分早めだが、今日、このブログにしたためようと思う。

清崎博個展

  • 期間:6月29日~7月6日
  • 時間:午前10時~午後6時
  • 場所:清崎博文楽アトリエ
  • アクセス:近鉄志摩磯部駅から的矢方面車で5分
  • 連絡先:090-3480-1332

 なに、忘れっぽいからってからじゃない。フライングが二人の馴れ初めなのだ。

Bunnrakuatelier10th


清﨑博文楽アトリエ10周年

2008-05-06 23:49:05 | 音楽

Bunnrakuatelier10th

 教室に学籍番号というものがあるとしたら、事実ある訳だが、第一番を冠するのが清﨑博画伯である。安乗文楽人形をテーマに油絵を描き続けられておられるのはご存知の通り。のみならず人形芝居の復興にも寄与された方である。現在、

清﨑博文楽アトリエ

の主宰として後進の指導にあたられている。また、マジシャンとしても活躍されている高名な方なのだ。

 その先生のアトリエが今年創設10周年を迎える。11年前、画伯は磯部小学校長を退職されたばかりで幼稚園の園長先生をされていた。ぼくはまだ教室の準備活動を始めたばかりで、別の仕事に就いていた。共通の友人のおかげで顔見知りではあるものの、パソコン講師としては海の者とも山の者とも分からないぼくを信頼してくださり、入会していただいた。

「フライングというのもありますねぇ」

穏やかな口調で仰られると、とても抗えない雰囲気がある。先生から教授法を指導していただきながら受講料をいただいた。ぼくって果報者だ。何せ当時三重大学でも教鞭をとっておられたのだから。

 時代は、パソコンがなければ何も始まらないという空気に満ちており、とても好いタイミングだったように思う。一年後に先生のアトリエがオープンしたのだが、時期を同じくして瞬く間に肩書きが増えた。それ以来、多忙を極める密度の濃い日常を過ごされている。

 告知にしてはずい分早めだが、今日、このブログにしたためようと思う。

清﨑博個展

  • 期間:6月29日~7月6日
  • 時間:午前10時~午後6時
  • 場所:清崎博文楽アトリエ
  • アクセス:近鉄志摩磯部駅から的矢方面車で5分
  • 連絡先:090-3480-1332

 なに、忘れっぽいからってからじゃない。フライングが二人の馴れ初めなのだ。


グローイング・アップ

2008-05-05 21:54:46 | 音楽

成長したな

 連休だからか、懐かしい顔がそろう。入学祝がまだだった高校卒業組と遅まきながら祝宴を催す。お隣りのシェフ(後姿)も顔なじみの成長に目を細めてくれる。

 ジャニ系と単純にくくれないほど精悍になって頼もしい。車好きの一人はコンピュータを学び、もう一人はNHKのロボコンに出場するのが目標だとか。ぼくなら「ボディコン」も好いがなあ。

 最初の平成生まれだが、卒業後はしっかり金を稼ぎたい、んだと。実に、頼もしく嬉しい。事あるたびにシェフんちに集いディナーを奢ってくれようってか。どれだけ年食っても歯と胃は丈夫に保ちたいと固く心に誓った。バイト代が入る度毎でもこちらはかまわないぞ。


シェーカークッキング

2008-05-04 23:56:12 | 音楽

Shakercooking02

 ブルーグラス・ミュージックにのめり込むと、英国から大西洋を越えてアメリカ東海岸にたどり着いた人々のことに思いが及ぶ。移民といわれる人たちだ。彼らの持ち運んだ楽器や故郷の音楽体験がこの音楽のルーツとなるからだ。新天地を求めて、と言葉は勇ましいが、貧困や生活苦、または迫害と、それぞれに事情を抱え様々なドラマがあったことだろう。

 そんなぼくの前に一冊の本が現われた。

シェーカークッキング

 発見場所は例によって山の隠れ家的喫茶店「コンドルは飛んで行く」である。ここはお宝の山で埋もれている。

 料理本といえば言えるが…、もっと深みがある。

Shakercooking01

 マザー・アン・リーら8名のシェ-カー教徒たちが英国国教会に反発してリバプールからニューヨーク港に入国したのが1774年のこと。神の啓示を支えに強い信念のもと、新大陸でひたむきで真摯な開拓が始まった。土地を入手し、種をまき、丁寧に世話するばかりか、農具や食器などを自作するなど、自給自足の暮らしの実現を目指し懸命に働いた。

「手は仕事に心は神に」

 日の出とともに目覚め、、6時の夕食までそれぞれに与えられた仕事を誠実に行った。この教団では働くことがすなわち神への祈りでもあった。

 労働が祈りであること。信仰が深ければ深いほどそれだけ稔りは大きくなる。例えば、牧畜担当者はどこよりも良質の牛乳を絞る。さらにそれが高品質のバターやチーズになる、といった具合に。家具をこしらえる信徒は、シンプルながら、頑丈で、使い勝手のよいものを作りそれが商品化されていく。教団は瞬く間に成長して行く。時に500人、果ては1000人にも及ぶ信者たちの賄い、つまり食事づくりも大切な宗教活動であることは自明である。シスターが食事作りを担当したが、祈りとしての料理がいかに素晴らしかったかが、この本で明らかにされる。

 命を紡ぐ大切な糧は、真摯なものづくりの賜というべき食材と、いささかも手を抜かない自作の調理道具や装置から、プロダクト・インダストリーのごとく全員に饗される。さぞ圧巻だったろう。

 不思議なことに執着するように惹かれてしまったが、これは料理の本であるとともに、料理に対する態度について書いた本でもあるからだろう。この言葉はあとがきにあり、強く同意する。

 耐震偽装、表示偽装と、ものづくりの丁寧さによって成長して来たこの国の、品質管理を放擲してしまったかのような最近のテイタラクを思うにつけ、この本が鮮明に輝く。

 さて、この教団の現在だが、今は消えようとしている。この教団の持つ根幹となる教義ゆえだ。

 迫害を受け投獄されたマザー・アン・リーは獄中にあってひとつの啓示を得る、

男女間の肉欲こそが、あらゆる災いの根源であるから、すべての人間は、男も女も肉欲を越えて純粋無垢な関係をもたなければいけない。

 男女間の肉体関係の否定は結婚の禁止に繋がっていく。

 今も実用に耐える家具に載せられたノートがある。シスターたちの綴り残しのレシピ、それはそれは美しい手書き文字だ。

Shakercooking03


アイデンティティ

2008-05-03 23:59:00 | 音楽

 久しぶりに、超ど級の女子高生登場である。ぼくの年代を考えれば宇宙人にも思える。しかし、面白い。

 この教室で彼女の先輩にあたるのが、ぼくがセレンディビティと呼ぶ帆美だ。ディック・ロクティ著「眠れる犬」、「笑う犬」の登場人物に由来する。彼女にもハマったが、彼女は、現在、パテシエを目指して修行中だ。会計士も務まる調理人として期待している。

 さて、新・セレンディビティだが、タイプ・レッスンの合間に素っ頓狂な声を上げた。

「先生ってさぁ、イッコーさんに似てるよなぁ?」
「イッコーって誰よ」
「『ドンダケー』の人やん」
「…!」

 そう来るかい。確かに、ぼくはイタリア系で(?)フツーには見えんのかも知れん。瑞々しい感性は、ぼくから一芸に秀でた人物としてのカリスマ性のようなものを嗅ぎ取ったものと思える。それでもセクシャリティに関ってこないか。まさに、

「どっから~?」

と反問したくなるではないか。この世代の感覚にはワシなんかがうかがい知れない嗅覚が備わっているのだからして、まあコレモ何ぞかと自らのアイデンティティを問いかけてみてもよいかも知れない。昨夜、見目麗しい女性に対して、

「オトコマエ!」

と烙印を押した矢先である。江戸の仇を長崎で…、そんなことを考える初夏の夜だ。

キロロのいちばんイイ歌あつめました キロロのいちばんイイ歌あつめました
価格:¥ 3,045(税込)
発売日:2006-03-29