あの博士と同じ年齢になれたみたい。80分の記憶…、とは異なるけれど似たようなものだ。劣化が微小ならいいのにと願わずにいられない。今日、誕生日だ。
相変わらず、新しい発見がある毎日。今日も今日とて、日課にしているプール通い、更衣室でいつもご一緒する外国人の方と会釈を交わした。プールでは、男女問わず、いつも微笑みと共に挨拶するようにしているが、珍しく二人きりだったので、
「どこの国の方?」
と尋ねた。そしたら、聞いたこともないような国の名前が…。
「アンドラ国から来ました」
パタリロはどこの国の人やったけ、と一瞬思考が思わず、あらぬ方向に。
なんでもピレネー山脈の、フランスとスペインに挟まれた小国そうで、人口は志摩市ぐらい、山の中の国だそうだ。プールでは、派手な水しぶきと大胆な響きを轟かせ、大胆なバタフライを披露してくれる男が、海のない山の民だなんて。
アンドラ国のダビさんと自己紹介があったが、英語でいうデイビッドさんだそうだ。これも初知識である。
「サンジャックヘノ道」という映画があった。サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路が舞台だったが、そこじゃなくもっと南寄りに位置するというアンドラ国。雰囲気はまさに映画の感じだ。ぼくの甚だしい意訳であるが…。
何でスムーズに会話が弾んだかといえば、彼の達者な日本語のおかげ。スペイン村で舞台監督と通訳をされておられるとか。名前も知らなかった遠い国の人と出逢える志摩市、素晴らしい町だ。
配達に出向くヤマトのM氏と教室前ですれ違った際、向こうから
「お誕生日、おめでとうございます」
と声をかけてくれた。何で知ってるか。彼もfacebookしている。共通の友人がいて、フレンドだから。志摩市っていいな。フレンドリーで。
最近、娘の料理、神がかっている気がする。
今日のメニュー、これ、何?
と訊くと、
鶏肉と馬鈴薯のなんじゃらかじゃら…
こういう時は聞き返さないことにしている。圧力鍋のなせる技、皮付きじゃが芋の野趣溢れるうま味、鶏肉だってエッジを効かせる一歩手前のトロトロ感、しっとりした柔らかさ。絶妙である。残った汁けでパスタを絡ませたらペペロンチーノでいける。ガーリックときのこのハーモニー。もしかしたら、ヘルスメータの「下げ止まり」感は奈辺にありや。