朝一番でガソリンを満タンにして活動開始。32.4Lも入った。さぞ駿には受けることだと思う。仔細は最後に。
年も押し迫って、パソコンの自作に取り組む羽目になろうとは…。昨日(29日)のことである。昼過ぎ、ジャニ系駿が来てくれても、まだ届かない。指定は午前になっているはずなのに。年の瀬だから、物流もピークなのだろう。本来なら、ガゾリンがきわめて乏しく、スタンドまで走りたかったのであるが、代引きなので、留守にはしにくい。と、まあ、これが伏線である。
ようやく到着したのが午後3時前だったろうか。駿とのコンビネーションは絶妙である。きちんとデジカメ持参である。要所、要所で撮影して記録に残し、途中でも確認できる態勢をとってくれる。
先ずは購入商品の確認をする。 これは真っ先にやっておくべきこと。組み立て最中で欠品に気づくようでは何にもならない。
今回、ASUSのベアボーンを選択したことで、部品が少なく乱雑になることもなく、経費的にも節約が効いている。
ベアボーンとは、PCケースとパソコンの母体となるマザーボードがあらかじめセットになっているものである。デザイン、付加価値機能など、製品の特徴が端的に出て、しかも、格安である。このASUS T2-PH1には電源、フロッピードライブ、CPUファン、様々なメモリカードを読み書きできる7 in Card Readerが既に取り付けられている。おまけにパソコンを起動しなくても音楽CDやFMラジオが聴ける便利な逸品である。
組み立てる際の注意点としては、筐体が小さく、内部が狭いこと。 乱暴に扱うと手にケガをするどころかパーツを壊してしまう可能性がある。二人が過去に経験したものとは勝手が違ってくる。慎重さが求められる。
ケースからカバーを外し、続いて電源、フロントパネルを取っ払う。この辺りが面白い。製品として完成しているものを分解しなければ組み立てられないのだから。普通の自作なら何もないところに付け加えて行く。しかし、小さい分、バラシも難儀である。特に電源がいやらしい。
さて、このベアボーンに、CPU、メモリ、ハードディスク、DVDドライブといったパーツを載せるとパソコンが出来上がる。
本来ならぼくが組み、駿がカメラマン兼組み立て助手を担当するのだが、来客があったり、質問や問い合わせの電話が度々あったりして、気づけば何のことはない、駿が組み立て、撮影し、と独壇場である。もっとも、ぼく自身、CPUを触っただけで本望である。高校生にしては華奢で繊細な指が慎重かつ丹念に作業を進めていく。任せた方が安全かも。というのも、子どもの頃から車好きな父親といっしょに自動車を分解したり、加工したりと経験を積んでいる。ぼくなんぞより遥かにキャリアは勝っている。
で、2時間ほどで組み立ては完成した。 電源を入れる。BIOSの画面で、CDドライブを起動ドライブにしてWindowsXPのインストールが手順。ところが1分もしないうちに勝手に電源が落ちてしまう。駿と顔を見合わせる。作業に落ち度はないはずである。それで、もう一度、電源を入れてみる。結果は同じ。そこへmogeさんが慰問に来てくれたのであるが、思案に暮れる二人の剣呑な顔を見に来てくれたようなものである。気の毒に。さらに今年最後の授業が始まって、ぼく自身、半分心ここにあらず。2時間ばかりを、駿は、もう一度分解し、再組み立て(それでもダメ)、さらにはマニュアル(英語である)やパソコン雑誌の関連項目を漁り、ネットで検索をかけて過ごす。
授業の後、腹が減ってるからやと変な理屈をつけて、階下の「とんちゃん」でみぞれとんかつ定食を食らう。二人の作戦会議で、
- もう一度組み立て手順を頭の中で再現し、検証し合う
- 以前組んだ純正のCPUファンだと熱伝導シートが付いてて難なく動いた
- 今回は、ベアボーン附属のファンだからシリコンを塗らねばあかんのでは…
- そう言えば、附属部品にシリコングリースがあったなあ
お腹が満たされれば、原因らしきものが見えてくる。
その時、松阪・津方面までパーツ探しに遠征していたIT先生が寄り道してくれた。それを機にもう一度分解し、始めからやり直すことにする。慎重に手に持ったCPUにグリースを塗る駿に使用済みのテレフォンカードを渡す。
分厚く塗っても逆効果であるぞ。薄く、薄く延ばしないな。
既に3度バラして組み立てた駿にはベテランの風格が漂うようである。IT先生も認めてくれるだろう。
何度目の正直か、電源一発、起動はOK! さらに、今度は落ちる様子はない。成功である。何のためにパソコン雑誌を揃えているのだろう、ぼくは。こんなことの無いようにではなかったかと反省する。しかし、失敗は成功のマザーである。何より駿の成長ぶりが頼もしい。Windowsをインストールし、さらにドライバを組み込んでどうにかパソコンらしくなった。Celeron-D 341 2.93GHz とはいえ、Pentium4 2.8CG のマシンよりも体感速度では勝っている。 けがの功名というべきか、儲けもののような気がする。
で、午前0時を過ぎ、駿を送ろうと車を走らせたのであるが、パールロード入り口を登ろうとしたところで、エンスト。いや、最悪。ガス欠に気がついた。
駿の父上にまでご足労をおかけすることになって、無事救出された。寒い夜空を見上げながら、助けの車をひたすら待ち続けるジャニ系コンビ。パトカーが2回通り過ぎた。成功の余韻は何処へ。ぼくのドジは駿の心に深く刻まれるに違いない。BGMに、ほろ苦くジャズが流れる気がした。