小学校のパソコンの講師を仰せつかって8年生になる。周りを見渡せば用務員さんを除いてぼくが一番古株かも知れない。校長先生は高校の1年先輩だからぼくが最年長ではないのは確かだ。その先輩も、当時アイドルとしてもてはやされた永井秀和(お笑い芸人の長井秀和とは別人)のように紅顔の美少年ともて囃されたもののだが、今はその面影は…、さらに渋みを加え、重厚さが漂う。(コホッ。)子どもらに囲まれているから若々しい。先輩を見るとつくづくと思う。だってたまに訪れるだけでも愉しいのだもの。
よく訊かれるが、
小学校では何を教えるのですか?
小学生とパソコンの出会いを見ていると興味深い。彼らを臆さない。きっちり(だれかのを)見ながら覚えるだ。だから適切な手順で導かねばならない。
「サンタクロースのそりを引くのは?」
「そう、トナカイさんやねぇ」
「じゃあ、そのトナカイさんは何頭いると思う?」
「それぞれにちゃんと名前があると思うので調べてくれるかな?」
さらに追い打ちをかける。
「それと、オスとメスが何頭ずついるんだろ?」
すると、子どもらの中から
「赤鼻のトナカイ、ルドルフってのがおるなぁ」
と、声がする。ひとりかふたりはクラスの中にこういう子らがいる。
「それでは、インターネットを使って調べてみようか。
検索の窓にどういう言葉を入れたら手っとり早いやろうなぁ」
みなさんもぜひトナカイの名前を調べてみられて?
子どもたちはこんなサイトを見つけてくる。
このページに書かれた「ルドルフはどのようにして生まれてきたの?」を熟読してほしい。哀しく、切ないルドルフの誕生秘話だ。
グーグルが飛躍的に便利になっている。それに合わせてぼくらはどう利用したらよいのか模索する。大人も子どももないのだ。検索名人は今や横一線、スタートは同じかも知れない。
クリスマスの頃となると、カードや年賀状もそうだが、ネタ(教材)は豊富だ。
画家として名を馳せた校長先生だが、最近、一眼レフのデジカメを片時も離さない。スケッチ代わりにパシャパシャだ。そんな先輩の近作が、「サンピラー(太陽柱)」である。シャッターチャンスを逃さないのが凄い。