今日から、7月。1年の折り返しだ。早い、驚くほど。時間の経つ感覚に不気味さを覚えるほどだ。
この調子で推移すると、「お迎え」が来る『Xデー』も、存外、近いと思えて仕方がない。
詩人で絵描きの中北幸久画伯からは、
惰性に陥ることなく、普段から「五年計画」を立てるよう勧められている。
氏は中学の先輩であり、大学教授を思わせる風貌ばかりか、語り口で、ぼくの愚昧な窘めてくれる有難い人である。真珠の餝(かざり)職人として活躍しておられるが、創作活動においても精力的に取り組んでみえるから、まことに多忙な方である。それ故、時間の配分にはこだわり、細心の心づかいをされている。
しかし、ぼくの教えには、計画を立てるよりも、その実行状況を確認し、検証するといったことに比重がかかっている。喉元過ぎれば…が、ありがちなぼくへの戒めがある。
毎日、膨大な原稿量を自ら課し、律儀に果たしてこられた先月末に、大作の脱稿をみた氏の言葉だけに重い。深い叡智に裏付けられた教えに愚かな後輩はうなだれるしかない。
無為に、半年を過ごした訳でない。が、内心忸怩たるものがあるのも、正直、事実。内省の時を迎えている。
古来から早さの象徴として、燕がいる。教室の廊下にはそのツバメの番いが雛に餌を与えるべく忙しなく行き交っている。また、外壁の塗装工事のため足場が組まれている北の窓からは、怠けないか監視のために訪ねてくれる。さながら、つばめハウスといった趣きである。
志摩の匠、中北幸久