久しぶりに追分市民の森を歩いていると、
谷戸へ下りる曲がり道の手前の林の中に花が咲いているのが見えた。
エビネ(ラン科)だ。二株あった。
数年前まで瀬谷市民の森でもエビネが見られたが、消えてしまった。
最近はすっかり諦めていたが隣の追分市民の森には残っていたのだ。
後の褐色の5枚が萼弁で前に花弁があるように見えるが、ランの場合は少し複雑だ。
大の字の「人」にあたる3枚が上萼片(背萼片)と側萼片であって、「一」にあたる部分は側花弁だ。
その前の3裂した薄紫色の部分は唇弁で、その裂片の真ん中には3枚の小さな壁のような隆起がある。
寝弁の奥は白い距になっていて中に蕊柱(ずいちゅう)がある。
一株に20個ぐらいの花がついて見事だ。来年も消えないで咲いてもらいたい。