先日のマイブログで浅田次郎氏の作品である「鉄道員(ぽっぽや)」の映画についてふれたが、どうしてこの映画を見たかというと、この本を読んで浅田次郎氏が気に入ったからである。
この本は、あとがきによると、どこかでの講演を本にしたものらしくて非常に読みやすい。(全部で五章あり)
また、浅田氏の専門とする幕末以降の日本と中国の歴史の概要を知ることができる。
幕末といってもいつから幕末になるのかはよくわからないが、とにかく1853年にペリーの黒船が来たことの意義は大きい。
この本によると明治維新は中国のように列強の植民地になることを防ぐために行った大改革だったようだ。
中国は1840年のアヘン戦争あたりから列強に負けて、領土の一部を奪われるのだが、日本は短い期間に欧米に学んで富国強兵に成功して、日清戦争に勝ち、また、日露戦争にも勝利する。
そのあたりの日本人の変化への対応能力は改めて感心する。祖先へ敬意を払うしかない。
しかし、その後、今後は逆に列強への仲間入りをして他国を植民地化しようとするようになる。
その結果が第二次世界大戦の敗戦だ。
1868年10月23日に慶応から明治になって、2018年でちょうど150年しかたっていない。
1928年(昭和3年、戊辰の年)には明治維新から60年という節目で明治維新の意義を振り返ろうとする動きがあったが、その後はそうしたことがない。
また、1945年(昭和20年)の敗戦から74年になるが、そうした歴史を振り返ろうとする動きはない。
学校で習う歴史の時間でもこうした部分は入試にもあまり出ないので、教えられることが少ない。
でも、室町以前のことを勉強するより江戸以降のことを勉強することは非常に役にたつ。
例えば、
東京の日本橋を起点する五街道を通っての参勤交代。この役割はどのようなものであったか?とか。
江戸時代という平和が260年も続く幕府がどうしてもったのか?とか
そして、この本のタイトルにもなっている日本の「運命」とは何のことか?
ヒント:ペリーの黒船に関係あり
この本は、一度読んでみる価値大ありです。