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飲み会や宴会はどのタイミングでできるようになりますか?

2022年01月05日 20時00分13秒 | 感染症のこと 新型コロナウイルス
東京や大阪など感染拡大地域における飲み会、「今はやめましょう」。屋外でも感染リスクはなくならない【#コロナとどう暮らす】

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新型コロナウイルスが再び感染拡大する中、大阪府は7月28日、8月20日まで家族同士を除く5人以上の宴会・飲み会の自粛を要請すると発表した。

この要請は夜の繁華街での感染拡大が続いていることを受けての対応だ。飲み会における感染リスクはどの程度あるのだろうか。「飲み会で感染したと考えられるケースも増えています」聖路加国際大学QIセンター感染管理室マネジャーで感染症対策の専門家・坂本史衣さんはこのように指摘する。【BuzzFeed Japan / 千葉雄登】

東京における従来型の飲み会、「今はやめましょう」

聖路加国際大学QIセンター感染管理室マネジャーの坂本史衣さん

坂本さんが強調するのは地域における感染状況を踏まえた判断の重要性だ。 現在の状況では、そこに集まる人の中に感染者がいる可能性は感染者が少ない地域よりも東京都や大阪府の方が高い。 

「東京のように感染者が多い地域で、人が集まって、お酒を飲み、気分よく大声で話をすることは安全ですか?と聞かれたら、今はやめましょうという話になると思います。では、流行がほとんど見られていない地域の場合はどうなのか。リスクは東京ほど高くはないと思いますが、当然ゼロではありません」 「どうしたら安全に飲み会をすることができるのか、というのは断言することが難しい。でも、どのような環境や行為にリスクがあるのかは伝えることはできます」 飲み会においても危険な行為は変わることはない。

「近い距離で大声で話したり歌うことには注意が必要だ」と指摘する。 こうした行為は飛沫感染のリスクを高める。 「アルコールを飲むという行為自体は何も問題ありません。1人でカウンターで飲むことやZoomなどオンラインツールで飲む行為は比較的安全です。

でも、実際に物理的に誰かと会って、近い距離で話しながら飲むということが心の拠り所である人にとっては、厳しい状況だと思います」 「飲みに行くことはできます。安全に配慮して、感染リスクを下げる方法はある。距離をとって、あまり喋らずに飲めば問題は少ないでしょう。食べ物は早く食べて、マスクをして、声を落として会話をすればそれほど危険ではない。

でも、それで楽しいのか?という問題はありますよね。飲み会が好きな人たちが望んでいる従来のような飲み方は、現在の状況では難しいと言わざるを得ません」 「楽しみが減る。“それで楽しいのか?“問題は人間が生きていく上で肝となる部分ですよね。そこを今回のウイルスは突いてきます。人が集まる楽しみを減らしてしまうんです」




たとえ屋外であっても、近い距離で大きな声で話せば感染する可能性はある」
Getty Images

ビアガーデンやバーベキューといった屋外の換気の良い環境で開催するなど、考えうる対策はあるのだろうか。 坂本さんは「たとえ屋外であっても、近い距離で大きな声で話せば感染する可能性はある」と言う。


 「その場におけるリスクの大小を考えて、どの程度までリスクをとるのかという話になります」 岩手県のように、これまで感染の報告が少なかった地域であっても、感染者が「いないという保証はない」。そのため、日本全国においてリスクがゼロな地域はないということを前提に考える必要がある。

 「人が集まり、飲み会をする場合には、絶対に感染が起こらないという保証はありません。そこに感染者がいた場合には感染する可能性があります」 「ですが、地域の感染状況を踏まえて、感染する可能性は低いから会を持ちましょうかという考え方は間違いではないと思います。一方で、今は飲み会はやめておこうかという考え方も間違いではないと思います」



東京都が事業者に配布する「感染防止徹底宣言ステッカー」の見本を掲げる小池百合子知事。東京都はこのステッカーが掲げられた店舗での飲食を推奨している。

「何が正しいのかを判断することは非常に難しい。リスクがある以上は、YesかNoの二択で考えることはできません。現実にあるリスクを、どこまでどのように許容していきますか?という話なんです」 人が何人くらい集まるのか、どのような環境に集まるのか、どういう方法で飲み食いするのか、といった条件次第でその場の感染リスクも変化する。「単純明快な答えはない」と坂本さんは語った。


昼食や会議でも注意すべきポイントは変わらない
感染リスクがあるのは、飲み会だけではない。飲食を誰かと共にする場面にはリスクは常につきまとう。 

「大事なことは発声の有無です。声を出しているのかどうか。お昼ご飯を会社の同僚を一緒に食べに行く、そこで向かい合って、マスクをつけずに話すことで飛沫は飛ぶので感染リスクはあります。会議のような場でも感染リスクはあると言えるでしょう。もしも、その場の換気があまりよくないと、その飛沫が漂いやすいということも指摘されています」 1人で食べる、カウンターに座り、黙ったまま並んで食べるといった方法を取ることで飲食における感染リスクの低減は可能だ。普通の声量で会話をしたとしても、マスクをしていれば「リスクはそれほど大きくはない」。 


「自分はどこまでリスクを避ける必要があるのかを、よく考える必要があるのではないでしょうか。自分自身あるいは周りにいる人が中高年や持病のある方の場合には、感染する・させるリスクを踏まえて行動する必要があります」


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【速報】新型コロナウイルス 全国の新規感染者が2000人超える 約3か月ぶり

2022年01月05日 19時01分51秒 | 感染症のこと 新型コロナウイルス
>昨日、1200人が、今日は2000人になりました。一日で倍近いです!

【速報】新型コロナウイルス 全国の新規感染者が2000人超える 約3か月ぶり



1/5/2022

新型コロナウイルスについて、JNNのまとめでは、きょうこれまでに全国で2000人を超える感染者が新たに確認されています。全国で2000人を超える感染者が確認されるのは去年の9月26日以来、約3か月ぶりです。

【動画で見る】東京で新たに390人感染 300人を上回るのは去年9月26日以来 沖縄県で623人、東京都で390人、大阪府で244人が確認されたほか、広島県で138人、山口県でも104人の感染が確認されるなど、全国的な感染拡大に歯止めがかからない状況です。


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日本にわずか150人…密着ルポ「死と向き合う法医解剖医の仕事

2022年01月05日 18時05分48秒 | 医学部と医師の育成のこと
>そんな奥田氏には多忙な合間を縫って通う場所がある。それは″お祓(はら)い″だ。 「何かに取り憑(つ)かれているって感じることがあるんですよ。身の回りで悪いことが立て続けに起きたら、必ず行くようにしています。



『FRIDAY』2021年12月24日号より
日々、死と向き合う法医解剖医という仕事をご存知だろうか。捜査機関から次々と運びこまれる変死体などさまざまな遺体を解剖し、死因を特定する専門医である。今回、FRIDAYは日本大学医学部の法医学分野教授・奥田貴久氏に密着取材を行った。ドラマなどの題材にはなっても、なかなか実態を知る機会のない法医解剖学の最前線を取材した。 



【画像】法医解剖医が手術の際に使う道具を公開 11月下旬朝9時、奥田氏の解剖室に作業着を着た6人組が入ってきた。検視官と鑑識である。彼らが抱える巨大なビニール製『納体袋』の中には、これから解剖される女性の水死体が入っていた。 それまで塩素系の消毒液の匂いで満たされていた解剖室に、納体袋を開けるや、すぐに腐臭が立ち込めた。


 「水死体はお腹にガスが溜まっているので、メスを入れると一気に噴き出して、強烈な臭いに襲われるのです」 たじろぐFRIDAY記者に静かに話しかける奥田氏。解剖前に鑑識が遺体をすみずみまでカメラで撮影している間、併設された小部屋で奥田氏は検視官と遺体発見現場の様子や遺体の病歴などの情報を共有し、意見交換し合った。 9時半になるとビニール製の手術着を羽織り、ゴム手袋をつけ、再び解剖室へ。 

「装備は生身の人の手術とほとんど変わりません。特殊なのは腐乱したご遺体の臭いを抑えるために、活性炭のパックをマスクの下に入れるくらい。効果は気休め程度ですけどね……」 午前9時45分に解剖がスタート。衛生面とコロナ対策の観点から、記者は部屋の外で待機することになった。 再び解剖室の扉が開いたのは昼の1時半。検視官に簡易的な報告書を提出すると解剖は終了。


奥田氏はコンビニでおにぎりを買い、教授室に戻って遅めの昼食をとった。記者が「ものが食べられなくなったりしませんか」と問うと、奥田氏は、 「そんなこと気にしてられないですよ。仕事は仕事。プライベートはプライベート。意外に図太いんです」 と苦笑いした。解剖はたいてい、朝9時から始まり、休憩なしで約4時間、立ちっぱなしで行われる。

 「鑑識の撮影とは別に、我々もご遺体の損傷箇所を中心に撮影します。事故死した遺体など損傷が多い場合は1時間半ほどかかることもあります。そのあとメスを入れるのですが、死因にかかわらず、すべての臓器を取り出します。最後に脳を摘出する。その後、今度は臓器自体にメスを入れ、異常がないか細かく探っていく。血液も抜き取って薬物検査にかける。全部でだいたい3時間ほどかかるでしょうか。 解剖が終わると、すべての切開箇所を綺麗に縫い合わせます。そのあと15分ほど、全身を洗って血や汚れを取り除く。


そして――これは私だけかもしれませんが、解剖の前後に必ずご遺体に挨拶をするようにしています。始まる前は『いまからこういう事例で解剖します』、終わった後は『こういう結果がわかりました』と伝える。ご遺体に対して礼節を忘れないことが一番大切だと思います」 


法医解剖医に任されるのは死因究明だけではない。近年では身元不明の遺体があった場合、最新技術を使い、その照合作業まで行うという。

 「『スーパーインポーズ法』という方法で身元特定も行っています。頭部などに欠損があるご遺体に使われる技術なのですが、身体の骨格などからCTを使って顔の骨格を再現します。あとは生前の写真と照合し、本人を特定していく。たとえ腐乱したご遺体でも骨格は変わらないので、身元がわからないときに重宝します」 

◆忘れられない解剖 年間70体ほどの遺体を解剖する奥田氏。

それ以外にも大学の講義や死因の鑑定書の作成など、業務は多岐にわたる。そんな奥田氏には多忙な合間を縫って通う場所がある。それは″お祓(はら)い″だ。 「何かに取り憑(つ)かれているって感じることがあるんですよ。身の回りで悪いことが立て続けに起きたら、必ず行くようにしています。実は最近、自転車を盗まれまして(笑)。これは間違いなく霊が憑いてると思ったんで、今週末も神社に行って、祓ってもらってきます」

 現在、日本にいる解剖医はわずか150人程度。日大には奥田氏も含め法医解剖医は2人しかいない。心身ともにハードな現場で長く活躍できる理由はなんなのか。奥田氏に聞くと、きっかけとなった5年前の解剖について話してくれた。 

「ある男性が、殴られた翌日に自宅で亡くなるという事件がありました。知人の男性に殺人容疑がかけられましたが、調べてみると被害者の胃の中から大量の睡眠薬が発見された。自殺だったんです。解剖は普通、死因を決定して、容疑者を捕まえるために行うものですが、そのとき初めて、冤罪を未然に防げ

。この仕事を通じて、救われる人がいるということを実感できた最初の体験でした。無罪を証明する最後の砦(とりで)になれることが、この仕事のやりがいです」 信念を胸に、死と向き合い続ける奥田氏。最後に、これからの法医解剖医の在り方について語った。 


「時代によって、運ばれてくるご遺体の傾向は違います。最近、多いのは同居孤独死です。たとえば認知症患者との生活で、介護者のほうが先に亡くなってしまうとしますよね。残された側は死んだことはわかるのですが、どう処理していいかわからなくて、結局、腐乱臭などで周囲に気づかれるまで、放置してしまうことが多い。

同居孤独死は事件性があると判断されるので必ず司法解剖に回されるのですが、ここ数年ですごく増えている。超高齢化社会のひずみだと思います。 私のいまの目標は、法医解剖医だからこそ聞こえるご遺体の声を拾って、社会に還元していくこと。それが浸透すれば悲しい事故を未然に防ぐことができるかもしれない。そのための発信方法を構築したいと思っています。

死を見つめ続ける中で、生きている人のために何ができるか、これからもそれを探していきたいと考えています」 日本で生きる人々のため、奥田氏は今日も死と向き合っている。 

『FRIDAY』2021年12月24日号より


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沖縄県 新型コロナ きょうの感染確認 600人前後の見通し

2022年01月05日 13時03分26秒 | 感染症のこと 新型コロナウイルス
 沖縄県 新型コロナ きょうの感染確認 600人前後の見通し 

新型コロナウイルスの新たな感染者について沖縄県は5日午前、暫定値で600人前後に上る見通しであることを明らかにしました。沖縄県ではこのところ感染者が急増していて4日も新規の感染者が225人でした。




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最難関大学や医学部に「合格する子ども」の親たち、その意外な共通点

2022年01月05日 10時01分05秒 | 受験のこと
最難関大学や医学部に「合格する子ども」の親たち、その意外な共通点

受かる子の親の心構え「5つのポイント」
 
 英語共通テストでの民間試験委託問題、国語・数学の記述式導入問題で揺れている大学入試。そんな騒動の中、「最後」のセンター試験が、先の1月19日・20日に実施された。

開成・灘ら名門男子校教師の提言「くそばばあ」と言われたらこう答えよ

 「共通一次試験」の時代から数えると40年近い実績を積んできた全国規模の客観式テストは、今年も大過なく行われ、すぐさま、私立大学の一般入学試験が始まる。

 大学によっては、2月の上旬・中旬頃から合格発表が始まり、早々と合格を決めた受験生は、2月後半からの国公立2次試験や、早慶などの難関私立校の試験日程も、心に余裕をもって迎えることになる。

 大学入試は、就職活動と同じで、学力の高い優秀な子は受験校を総なめにして合格を勝ち取り、そうでない受験生は、志望校のランクを2つか3つ下げて、ようやく合格をもらうことができるのが実情だ。

 大学進学を希望する学齢人口(18歳人口)よりも大学入学定員が多くなる、いわゆる「大学全入時代」になってすでに久しいが、それでも、やはり医学部や難関国公立大学、一流私立大学などでは、激しい競争が行われ、涙を呑む受験生の方が圧倒的な多数となっている。

 私は、長年、医学部等の難関大学を中心として、様々なレベルの大学受験のための指導を行なってきた。予備校の経営者として、受験生だけでなく、その「親」たち(場合によっては兄弟や親族など含め)の真剣な要望と対峙し、彼らの夢と現実、希望と不安に向き合ってきた。

 試験期間中には、夜中の2時過ぎまで、生徒の父親の相談に付き合ったこともある。とくに医学部受験レベルになると、親のほうが真剣になっていることも多い。

  このような、受験生本人と親との間の、10数年にもわたる真剣なやり取りの経験から、受かる受験生と受からない受験生の違いには、親の言動が大きく影響していることがわかってきた。
     
写真:現代ビジネス        
 


ダメな親、できる親の「違い」
 
 もちろん、最終的な合格を決めるのは、本人の学力である。

 しかし、その学力を一回限りの試験のために余すところなく発揮し、点取り競争というシビアな戦いに勝利するために用いるには、受験生本人を取り囲む環境、とくに人的な環境が整っていることが必要だ。

 受験生を支える指導者のやる気と指導力も、もちろん重要だが、それと同じかそれ以上に重要なのが、家族のサポートなのだ。

 ダメな親ほど、受験生に無用な介入をし、よくない価値観を押し付け、害のある情報を提供してしまう。

 できる親は、受験生を見守り、無関心と思われない程度の距離感を保ちつつ、可能なサポートは徹底的に、しかしさりげなく実行する。そして、何よりも、安定して勉強を続け、安心して試験を受けるための自信と安らぎを提供する。

 では、いったい、受かる子の親(や家族)は、何が違うのか。

  具体的にどういう事をするべきで、何をしてはいけないのか。多くの受験生と、その親とのやり取りの中から、一般化できると確信した事例を挙げながら、5つのポイントをアドバイスしてみたい。
子の勉強法に介入しない
 
 優秀で熱心な親ほど、子どもの勉強の仕方や受験勉強の進め方が気になるようである。

 中には、受験指導をしている私も驚くほどの受験指南本や参考書を買い込み、研究している親さえいる。

 そして、「おい、お前、この参考書がいいらしいぞ」とか、「まだこんなところをやっているのか、まず全体を回してから、次に細かいところを覚えるんだ」などと、あれこれ子どもにアドバイスするのである。

 そういう親と話していると、一般論として正しいことを言っているなと思う場合が多い。しかし、多くの親は、その勉強法や参考書が、自分の子のレベルや性格に合っているかは全く考えないのだ。ましてや、塾や学校の授業との整合性、受験校で出題されるタイプの入試との相性などは、判断できるだけの情報を持ちえない。

 親は、ネットや受験本からの情報だけを見て、その中の評判や説明の整合性から良し悪しを判断しているに過ぎない。親が受験生だった頃の「自分の受験勉強」と、子どもを取り巻く受験勉強の環境も大きく変わっている。

 そんな中で、「東大に受かった人はこの参考書を使っていた」「先輩の何々君はこのようにやっていた」という情報“だけ”で、子どもに、こうすべき、ああすべき、とアドバイスするのは、あまり意味がない。

 また、それどころか、せっかくいい情報を持っていても、子どもが反発して言う事を聞かなくなったり、あまつさえ、ふてくされてやる気を失ったりしてしまうこともあるから、注意しなければならない。

  子どもの勉強法は、子ども自身が自分に合ったものを見つけ出せるようになるのがベストである。こうしてほしいというお勧めの勉強法や、使ってほしい教材があるなら、何も言わずに買って机の上に置いておくだけでよい。
     
photo by iStock        
 


「学校・先生・テキストの悪口」を言わない
 
 熱心で真面目な親ほど、学校や塾の不備が目につきやすい。自分に厳しい人は、他人にも厳しくなりがちだ。

 なまじっか自分が有名大卒だったり、受験勉強に一家言あったりするような親は、「学校のこのテキストはダメだな」とか、「あの先生の言っていることは間違っているから授業中は内職でもしていろ」とか、「本当にあの学校は使えないな」とか、そんなネガティブな評価を子どもにぶつけがちになる。

 そんな悪口を聞かされた子どもはどうなるか。学校の先生の授業を聞かなくなる。塾の先生を信用しないようになる。いま使っている教科書や参考書を信頼できなくて、「評判のよい」問題集にあれこれと手を付けるようになる。

 あれはだめ、これもだめと、成績の不振を先生や教科書のせいにし始める。ひいては、勉強が嫌いになり、そのまま大学受験もうまくいかないということになりかねない。

 もちろん、親から見て、本当にどうしょうもない失態や目に余る怠慢に気づくことも、少なからずあるだろう。しかし、そんな時でも、なるべく子の前では、文句を言わない、ディスらないのが得策である。子の前では中立を装い、むしろ学校や先生の事情を察してあげる余裕を見せてほしい。

 そのうえで、学校や先生に、直接、気づいた点を指摘するとよい。このような冷静な態度で、丁寧に接するならば、むしろ指摘された学校も真摯に受け止め、改善策を考えてくれるだろう。

 反対に、子どもの方から「あの先生、なんか合わないみたいだ」という発言があった場合でも、その評価を鵜呑みにはしないようにしたい(いじめやモラハラ・パワハラがある場合はまた別の話だが)。

 子どもの立場・子どもの味方についているというポーズは必要だが、冷静に対処されたい。この場合も、先生や学校の全面否定はしないほうが良く、子どもではなく、学校にまず相談するようにしよう。

  一番避けたいのは、先生や学校、教材に対する「全面的な不信」が、受験生のモチベーション低下につながってしまうことである。往々にして、親のコメントは、このような意図せざるマイナスの効果を持ってしまうことがある。


お金の心配をさせない
 
 私は、医学部の専門予備校を経営してきたので、その対象の半分以上は、医師や会社経営者などのお金持ちの家庭の受験生だった。

 ところが、そんな恵まれた家庭のお子さんでも、そのほとんどが、「なるべく学費の安い大学に行きたい」、「親に負担をかけないように自宅から通える大学だけを受験する」というようなことを言うのだ。まして、平均的な一般家庭の受験生なら、もっと慎ましやかなことを考えている。

 ここで言いたいのは、子どもは、親が思っているよりも、進学のための資金や学費について、心配しているということだ。医学部にもほんの少しで合格できそうな(医学部志望の)受験生が、「浪人するとまたお金がかかる」(そして親に迷惑をかけるから)という理由で、不本意な進学を決める場合がある。本当にもったいないと思う。

 1年浪人して医学部に入れれば、6年後には医師になり、それから数年働けば、1年の大学受験浪人のための費用はもちろん、大学時代の学費分だって、親に返せるかもしれない。そういうことを、18歳くらいの子どもは、(全員ではないが)まだわからないのだ。

 また、塾や学校で勧められる参考書や問題集、参加を促される特別授業なども、子どもが望むならば、親から「買いなさいよ」「行ってもいいよ」と声掛けをしたいところだ。親にとって、子の教育費は、少子化傾向の世相とは反対に、上がり続けているらしいが、それは子どもには責任がないことだ。

 教育費の負担増という問題は、政治の力でなんとか解決してほしい課題だと思っているが、それはここでは置くとして、親の立場としては、子の本気の勉強を支援するための必要経費は、子どもが遠慮しなくて済むように、さりげなく準備しておきたいところである。

 数千円をケチることによる機会損失は、学力を大幅に下げることにつながり、ひいては子の選択肢の幅を狭めてしまうかもしれないのだ。

  お父さんお母さんの「飲み代」を、子の学費に回したら何を学べるか、一度計算してみよう。

良い食事」と「良い休息環境」を準備する 
 子どもの勉強、学力と進路に関する親の影響力は、果てしなく大きい。しかし、日常、親ができることはそれほど多くない。むしろ、何をしてはいけないか、ということのほうが多いくらいかもしれない。

 その意味で、親が積極的にやるべき数少ないリストのトップに来るのが、食事(栄養)と休息の機会の提供だろう。とくに受験生は、朝から晩まで、真剣勝負の勉強を長期間続ける必要があるため、きちんと栄養を取り、体調を管理させ、勉強中眠くならないようにしっかりと眠る時間を取らせることが重要だ。

 昔、4当5落とか言って、4時間睡眠で頑張れば受かるが、5時間も寝ていては落ちるなどと言われた時代もあった。しかし、受験生は、最低でも6時間くらいはしっかりと寝なければ、数学の問題は(眠くて)解けないし、英単語は(眠くて)覚えられない。

 しかも、記憶は睡眠中に定着するという。しっかり睡眠時間を取らないと、むしろ成績は伸びない。これは、現代の受験勉強のセオリーでは常識だ。

 親は、こういった受験生のロジスティックスをしっかりサポートしてあげるにはもってこいの存在である。つねに布団を清潔にし、暖かく、ときに加湿・除湿などで、環境を整える。静かな環境を作り、朝にはカーテンを開けて起こす。

 甘やかしすぎだと思われる方もいるかもしれない。たしかにそうだ。しかし、親にとって、大学受験という人生の岐路に立つわが子を応援する方法は、これくらいしかないのだ。子どもには、「受験の時だけだからね、頑張ってね」と声をかければ、子も親に恩義を感じる。

 もちろん、食事も大切だ。とくに、朝ごはんは、しっかりと食べさせるようにしよう。そして、せめて、朝と夜くらいは、親子そろって食卓を囲み、悩みや不安があれば、一緒になって聞いてあげるとよい。

 私の教え子のAさんの家では、毎朝、朝食を食べた後に、お母さんが、子どもの英単語の暗記チェックを手伝っていたそうだ。

 暗記につかっている単語帳をお母さんが開き、順番に単語を読み上げる。Aさんはすぐに訳をこたえる。1秒以内に答えられないものはすべてバツ印をつけられる。これで、受験レベルの単語は、ほぼ完ぺきにマスターできたのだ。

  家族との食事は、受験生の心理的安定にも役立つ。ある調査によれば、家族で毎日食事をとる家庭の子は問題行動が少なく、成績もよいというが、これは受験生にも当てはまるかもしれない。厳しい受験だからこそ、1日1回は安心できる「場」を確保してあげたいものだ。

不合格でも動揺せず「ポジティブだが現実的な選択肢」を示す
 
 わが子が受験に失敗した場合の対応については、どうしたらよいだろうか。

 医学部志望者などの場合、1浪や2浪は当たり前の世界だから、本人も親も余力があれば、何度でもチャレンジすればよい。しかし、そのような余裕(気力・体力、学力、そして資金)がない場合は、どうアドバイスすればよいのか。

 まず、大前提として、受験の失敗はけっして人生の失敗ではないということを、改めて確認しておこう。1年や2年という長期にわたって、がむしゃらに頑張ってきたことが失敗に終わると、それはそれで、親子共々、心理的には結構大きな痛手を負うことになるだろう。

 しかし、受験で人生のすべてが決まるわけではない。アップル社のスティーブ・ジョブズではないが、大学をドロップアウトしたことがきっかけとなって、起業家として成功するような例だってある。

 いや、そんな極端な例など挙げなくても、一度や二度の大学受験の失敗なら取り返せる方法がたくさんある。

  不本意な進学をせざるを得ない場合でも、大学2年生から3年生に上がるときに、大学の編入試験を受けることが出来る。
 編入・大学院・再受験
 
 大学の編入は、大学2年次までの勉強(単位)を資格とする「一般編入」と、4年生大学を卒業した者を対象とする「学士編入」など、いくつかの種類があり、様々な大学がこの制度を取り入れている。

 自分が本来行きたかった大学や学部への別ルートとしてお勧めだ。学士編入の場合は、2年間ほど長く大学に行くことになるが、それでも、二つの大学の学位(学士)を取れるのは魅力的だ。

 また、大学を出た後、あるいは数年働いたあとに、大学院を受験することだってできる。多科目を暗記する勉強が苦手でも、少ない専門科目について深く勉強を進められる人はいる。

 そういう人なら、大学入試では失敗しても、大学院入試で、一流大学の大学院に入学するチャンスはたくさんある。向き不向きはあるが、大学院入試の競争率は、学部の入試と比べてはるかに低い場合が普通だ。しかも、試験はそれほど難しくないこともある。

 難関の医学部だって、同じだ。例えば薬学部や歯学部に進学して研究職に就き、その後学士編入で医学部に入る人も多い。一般の文系学部から医学部に再チャレンジする人だって、いまは本当にたくさんいるのだ。

 大学に限ってみても、入学する方法、再チャレンジの方法は、たくさんある。

 あらかじめ、いざとなったらどうするかを調べておくことは、受験生の心理的安定剤としても有効だ。この辺りは、子どもが自分で調べておくには荷が重いから、ぜひ、親が率先して調べておくべきだ。場合によっては、親自身が、学びなおすきっかけを見つけることになるかもしれないが、それはそれでよいことではないか。

  入試シーズン真っ盛りである。上記のポイントは、長期的にも、短期的にも、心得ておいて損はない。ぜひ、親子共々、協力して受験を乗り切ってほしい。




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