オンラインキャバクラは夜の蝶たちのセーフティネットになるか?
キャバクラやガールズバーなどの夜の店が危機を迎えている。新型コロナウイルスの影響で全国に休業要請が広がり、煌々と輝いていた夜の街は空気が一変して静かに、営業自粛のあおりを受けている。
4・28・2020
「ズムキャバ!」のキャスト
そんな状況を逆手に取り話題となっているのが“オンラインキャバクラ”だ。その先駆けは、Web会議サービスのZOOMを使ってキャバ嬢に接客してもらえる「ズムキャバ!」。仕掛け人の小荒氏(仮名)に、立ち上げの経緯を聞いた。
「私はもともとイベント系の会社を経営しているのですが、コロナの影響で決まっていた仕事が次々と中止に。今後の売り上げがほぼゼロになると絶望していた4月頭に、知人のキャバ嬢から『お店が休業になる』と悩みを聞き、このサービスを閃きました。システムの設計、公式SNSなどを約1週間で完成させ、4月10日にはプレオープンしました」
キャストは所属店舗が休業中の現役キャバ嬢を中心に約40人。現在は、六本木や銀座の高級店の嬢からも応募が来ているという。 「料金設定は60分で4000円、指名料が2000円。ドリンクは自前ですが、スキンシップやアフターが当たり前のキャバクラ好きの方にとって、オンラインでこの金額は高く感じるだろうと悩みました。しかし、プレオープンの最終日には5時間で32組来店、売り上げは13万円超と大盛況でした。 外出自粛要請で人と喋ること自体が減った今、いい気分転換になるのではないでしょうか」
接客中、ZOOMの背景はキャバクラ風に設定。また、店と同じドレスを着るなど演出にはさまざまな工夫をしている。 「キャバ嬢たちは稼いでいるぶん必要経費の出費も多く、世間が思うほど蓄えがないのが実情です。綺麗事かもしれませんが、『ズムキャバ!』が一時的にでも彼女たちのセーフティネットになれば。
私自身、キャバの魅力はやはり会えることだと思っているので、あくまでコロナが落ち着くまでの事業です。いつか『こんなアホなサービスあったよね』と笑い話になることを願っています」
今はStay Homeを全うし、来る“濃厚接触”の日に向けて英気を養っておこう。
●経営者・プロデューサー 小荒氏(仮名) 本業はイベント系企業の経営者。仕事上キャバ嬢との交流も深く、サービスを開始した <取材・文/週刊SPA!編集部>