事故物件のプロ”大島てる、究極の2択に回答? 殺人事件現場と孤独死の現場、どちらかに住むなら
日本が世界に誇る各界の“知のフロントランナー”を講師に迎え、未来の日本人たちに向けてアカデミックな授業をお届けするTOKYO FMの番組「未来授業」。9月9日(水)の授業講師には、事故物件公示サイト「大島てる」の管理人・大島てるさんが登場。未来授業3時間目となるこの日の放送では、「気にしいな人の知る権利」をテーマに、お届けしました。
2005年に開設された同サイトは、当初東京23区のみの事故物件情報を公示していましたが、徐々に注目を集め、現在では日本全国のみならず海外の事故物件情報も掲載するなど、規模を拡大。物件を探す人から不動産関係者にまでニーズの広がりを見せています。 また、大島さんはサイト運営だけでなく、「事故物件ナイト」と題した事故物件イベントを開催するなど、活動の幅を広げています。
◆「大島てる」で徹底しているルールとは?
事件や事故、自殺や孤独死などで、入居者が部屋で亡くなり、いわゆる“いわくつき”や“訳あり”になってしまった物件=事故物件。サイト「大島てる」では、その情報の扱いについて“徹底しているルール”があると言います。 それは、「間違った情報以外は削除しないこと」。
例えば、放火、焼身自殺、疾患など、入居者が部屋で亡くなるケースはさまざまです。しかし、「どのようなケースであっても、引き続き、『大島てる』サイトには掲載され続ける」と大島さん。 それは、建物が焼け崩れ、大家さんが建て替えたとしても例外ではないそうで「その土地が“訳あり”である、土地が“いわくつき”であるということで、事故物件扱いにしているのであって、管理がずさんだということではなく、あえてそのままにしているだけ」とキッパリ。
例えば、火事によって人が亡くなり、建物を建て替えたからといって、事故物件であることが「リセットということではない」と強調。それはあくまで「建て替えたくなるほどの酷い火事だったんだということの証拠だと捉えることが自然」と言います。
とはいえ、なかには「建て替えたら、以前の歴史はどうでもいい」といった考え方をする人がいるのも「当然」と理解を示したうえで、「しかし、私は“気にしいな人”に合わせてこのサイトを運営している。知る権利は失わせてはいけない」と主張します。
◆殺人事件現場と孤独死の現場、どちらに住む?
大島さんによると、事故物件は自殺だけでも年間およそ1万軒という規模で増え続けているそう。しかし、その一方で「今、日本人の人口は少しずつ減ってきているので、当たり前な話ですが日本人の死ぬ人の数が右肩上がりで増え続けることはありえない。日本人の人口が減るからには、亡くなる人の数も減るので、孤独死する人の数も頭打ちになるというのが自然」と話します。
加えて、昨今では空き家が増えているという問題もあるそうで「よっぽどの人気エリアは別として、借りる側、買う側がわがままを言えるようになってきていて、ましてや人が亡くなった物件なんてごめんだと。そういった消費者の高い要求が通るようになってきている」と現状を説明。
むしろ、こうして家が余ってきている状況下にある「現代こそ、事故物件の情報が重宝される」と声を大にします。さらには、「孤独死自体に目を向け、1人で亡くなったのに、なぜそれが見つかるのかということに思いを馳せてほしい」とも。
大島さんいわく、孤独死で1番多いのはいつまでも気づかれないケース。それがいつ発見されるのかというと「(死体が)腐敗して死臭が周囲に漂って、大家さんに『隣の部屋が臭い』と、あるいは直接警察に通報する。それで、その玄関を開けてみると、部屋のなかはものすごくグロテスクな状況になっている」と話します。
そんな悲惨な状況を差し置いて、「病気で亡くなったのはお年寄りだから」、「人間はいつか死ぬものだから」といった理由を挙げ、孤独死のあった物件は「事故物件じゃない」と主張する人がなかにはいるそうですが、「私からすれば、孤独死の実情をご存知ない世間知らずの方がそうおっしゃっているだけ。あるいは、知っているにもかかわらず、都合が悪いから隠しているんだと言わざるを得ない」と一刀両断。
そして、あくまで「個人的な意見」と前置きし、「究極の2択で、殺人事件現場と孤独死の現場、『どっちかに住め』と言われたら、私はものによっては殺人事件現場を選びたい」とまで言い切っていました。
(TOKYO FMの番組「未来授業」9月9日(水)放送より)