国葬の法的根拠はない」吉田茂元首相の国葬めぐる大蔵大臣答弁…内閣法制局の判断基準はナニ?

参院選の遊説中に銃撃され死亡した安倍晋三元首相の国葬について、政府が9月27日に日本武道館(東京)で行う方向で最終調整に入った──と報じられたことを受け、市民団体が22日朝、首相官邸前で「安倍元首相『国葬』の閣議決定反対! 7.22官邸前緊急行動」と題した抗議活動を行う。
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<法令上の規定すらない「国葬」について、国会も開かずに政府が一方的に決定する「安倍氏」の国葬は、岸田首相らの政治利用であり、いたずらに世論の分断と対立をあおるものであり、民主主義に反するものです>
市民団体がこう呼びかけている通り、今回の安倍氏の国葬には法的根拠がない。
岸田文雄首相は14日の会見で、内閣府設置法において、内閣府の所掌事務として定められている「国の儀式」として閣議決定をすれば実施可能──との見解を示し、「法的根拠あり」かのように説明しているが、果たしてそうなのか。
国葬の法的根拠、基準をめぐっては、1967年の吉田茂元首相の国葬をめぐる国会質疑でも議論となっていた。国葬に予備費を支出したことに対し、翌68年5月の衆院決算委で、社会党の田中武夫議員はこう発言している。
■55年前にも同じような議論が… 「国葬を行なう場合、吉田茂さんは長らく総理をしておられたのでいろいろやっておるだろうと思います。しかし、その功罪につきましては見る人、立場によっていろいろ観点が変わると思います。
(略)ただ単に国家に偉勲のあった──前の勅令を引用するならばそういう言葉になるのですが、そういうことで内閣が国葬にしようときめれば、いつでも国葬をだれにでも行なう、そういうことであっては私はならないと思うのです」 「その時の内閣の思い付きによってやられるということには賛成しかねるわけなんです。だから、今後はやはり一つの基準を設けるべきである、そのように思います」
つまり、55年前の吉田国葬の時から、「時の内閣の思い付きで国葬するな」と指摘されていたわけなのだが、「キモ」は、田中議員にこう迫られた水田三喜男大蔵大臣の答弁だ。
「国葬儀につきましては、御承知のように法令の根拠はございません。(略)私はやはり何らかの基準というものをつくっておく必要があると考えています。(略)私はやはり将来としてはそういうことは望ましいというふうに考えています」
この時、水田大臣は「国葬儀については法令の根拠はない」と明確に答えていて、その後、国葬に関する法的根拠、基準を作ったという具体的な事実は聞かないから、当然、今も「ない」だろう。
岸田首相が見解を聞いたという内閣法制局はどう判断したのか。集団的自衛権の行使容認の時のように「解釈でOK」としたのか。
<閣議決定でゴリ押しするな>などとネット上で怒りの声が出るのも無理はない。