安倍元首相の後継者、94歳ゴッドマザーは甥を指名か。世襲批判に反論も
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4b/a3/40dfb5e3e14766a43737a8c07479d1b3.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/61/a1/c95b006d53f4e48d3eead8c20e038a1b.jpg)
2022/08/26(金) 14:34:11.
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/66/bb/d703b28ab893a40e1e35a66f028f2d45.jpg)
安倍晋三元総理が亡くなって1ヶ月あまりが過ぎました。
しかし政治の世界は恐ろしいもの。弔いモードはすぐに消え去り、自民党内は早くもポスト安倍を見据えた権力闘争へと突入しているようです。
そんな中、驚くべき発言がありました。発言の主は安倍氏の母で岸信介元総理の娘、安倍洋子氏(94)。
『NEWSポストセブン』の記事が岸信夫前防衛大臣の後援会関係者による証言を掲載していました。
<「安倍さんが亡くなったとの一報が流れた後、後援会幹部の一人に洋子さんから電話があったそうです。『もう晋三はいないんですよ。明日から信千代の選挙戦が始まると思ってやりなさい』と声をしぼりだし、『もう晋三は……』と、最後は涙声で聞き取れなかったそうです」>(『NEWSポストセブン』2022年7月9日掲載『【安倍元首相銃撃】母・洋子さん、悲嘆の肉声「もう晋三はいないんですよ」』より)
死後わずか1日でこのような報道がなされたことに加え、岸信千代(のぶちよ)氏という具体的な名前が挙がったことに明確なメッセージがうかがえます。そこで少し事情を整理しておきましょう。
「けしからん」晋三氏は甥の政治家転身を強烈に反対
岸信千代氏(31)は岸信夫前防衛大臣(63)の長男で、安倍晋三氏の甥にあたり、2020年10月にフジテレビを退社し現在は父の岸信夫氏の秘書官を務めています。
しかし事は複雑で、もともと岸信夫氏は晋三氏の父・安倍晋太郎、洋子夫妻の三男として生をうけました。つまり“安倍信夫”だったわけですね。
ところが、岸信介の長男・信和氏と仲子氏夫妻が子宝に恵まれなかったため、信夫氏が岸家の養子に出されることになったのです。
なぜこんなまわりくどいことをしたかというと、岸の名を保持するためにほかなりません。約束通りの養子縁組でしたが、後年洋子氏はこの決断を悔いていたといいます。
そして信夫氏が政治家への転身を決意したとき、強烈に反対したのが晋三氏でした。
<「会社を辞めるなんて、けしからん。元に戻してやる」>(『絶頂の一族 プリンス・安倍晋三と六人の「ファミリー」著・松田賢弥 講談社 p.219より)と気色ばんだのだそう。
ゴッドマザー洋子氏94歳の影響力の大きさ
ともあれ、すでに次なる戦いに向け周囲を鼓舞する“ゴッドマザー”の姿が浮かび上がります。悲しみに暮れている暇などない。岸一族の命脈を途絶えさせてはならないという並々ならぬ覚悟がうかがえます。
洋子氏の言葉を裏付けるように、月刊『文藝春秋』2022年9月号に信千代氏のインタビューが掲載されました。
岸・安倍両家の血を継ぐ者としての自身の考えを明らかにしています。政界進出について晋三氏に相談したこともあるそう。事実上の“後継者宣言”なのでしょうか? 今後の動向が注目されます。
こうした一連の動きからうかがえるのは安倍洋子氏の影響力の大きさです。御年94歳ながら、華麗なる一族の意思決定をくだす。
日本の戦後政治の中心であり続けた洋子氏の言葉から、怪物的な存在感について考えてみたいと思います。
父・岸元総理が洋子氏へ与えた影響
洋子氏にとって父である岸信介の影響は絶大なものでした。戦犯として刑務所行きを命じられるも、後に公職に復帰し総理大臣にまで上り詰めた父の言葉、立ち居振る舞い、姿こそが、政治家の全てだったのです。
純粋な尊敬が岸信介の描く日米安保条約や憲法改正の政治思想と結びつき、息子の晋三へと受け継がれていく。ここに単なる親と子の愛を超えた強固な継承が生まれるのですね。
<父は、後になって、国民の皆さんの同意を得て進めるのは理想的な形ではあるが「お国のために、これこそ」というときには、どのように誹謗(ひぼう)されようとも、やる。いずれ分かってもらえる、というようなことを申しておりました。 政治家は、国家のため、信念を持って、命がけで行動するのだということを強く感じました。>
(毎日新聞1994年5月1日掲載『[新編戦後政治]/155 女性たちが語る 安倍洋子さん/1』より)
実際、当時は国民からの激しい反対が巻き起こり、安保闘争と呼ばれる学生運動では一人の女子大学生が命を落とす事態にまで発展しました。岸信介総理はもとより、家族にまで危険が及びかねないほどの混乱が生じたのです。 死が差し迫った状況から発せられた発言だと思うと、世襲という言葉にも別の重みを感じないでしょうか。
華麗なる一族の外面を保ちたいがために権力を必要としているのではない。まさに生き死にに関わる問題なのだという業の深さを感じてしまいます。
次ページは:世襲批判に対し「親を見て育っているのですから、ふさわしい」
続きは↓