ニュースなはなし

気になるニュースをとりあげます

「両親は一切共謀していない」弁護人が公表 札幌遺体切断事件

2023年09月03日 22時05分07秒 | 事件と事故
「両親は一切共謀していない」弁護人が公表 札幌遺体切断事件(朝日新聞デジタル) - Yahoo!ニュース 


「両親は一切共謀していない」弁護人が公表 札幌遺体切断事件
8/18(金) 19:00配信


朝日新聞デジタル
現場となったホテルの入り口は、立ち入り禁止として封鎖されていた=2023年7月5日午後3時41分、札幌市中央区、古畑航希撮影


 札幌市の繁華街・すすきののホテルの一室で北海道内の会社員男性(62)が殺害されて頭部が持ち去られた事件で、道警が実行役とみる田村瑠奈容疑者(29)と共謀したとして殺人容疑で再逮捕された両親が、容疑を否認していることがわかった。両親の弁護人が18日、「2人とも一切共謀していない」とするコメントを出した。


 両親は修容疑者(59)と浩子容疑者(60)。捜査関係者によると、浩子容疑者は死体損壊や死体遺棄などの容疑の調べの中で当初、「娘の犯行を止めたかったが止められなかった」と供述したという。これに対し、弁護人は供述内容について「そのような事実は一切ない」と否定。「(両親は)瑠奈容疑者が事件を起こすなどとは全く想像しておらず、一切共謀していない」とした。


 弁護人の1人は朝日新聞の取材に「両親が事件を知ったのは事後であり、共謀は成立しない」と話した。(新谷千布美)


朝日新聞社












コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【王座戦】「負けない将棋」永瀬拓矢王座は白星発進「自信がないかもしれないと思って指した

2023年09月03日 15時03分21秒 | 文化と芸能
【王座戦】「負けない将棋」永瀬拓矢王座は白星発進「自信がないかもしれないと思って指した」 (msn.com) 



日刊スポーツ新聞社 によるストーリー •


藤井聡太竜王(名人・王位・叡王・棋王・王将・棋聖=21)が全8冠制覇を目指して永瀬拓矢王座(30)に初めて挑戦する、将棋の第71期王座戦5番勝負第1局が31日、神奈川県秦野市「元湯陣屋」で行われ、後手の永瀬が150手で勝ち、先勝した。藤井は黒星スタートとなった。王座5連覇を目指す永瀬は今回防衛すると王座の永世称号である「名誉王座」の資格を獲得する。9月12日に神戸市「ホテルオークラ神戸」で行われる第2局で、永瀬が連勝を目指す。


永瀬は藤井の得意とする戦型の角換わりを受けて立った。序盤、4一玉型早繰り銀という趣向を見せ、徹底的に研究していた展開に持ち込んだ。7筋の歩を突いて仕掛けたが、リードを奪われた。終盤、藤井の猛攻を受け続け、反撃のチャンスを待った。

永瀬の持ち味は相手の有効な攻めがなくなるまで受け続ける「負けない将棋」。最後は際どい寄せ合いを制した。

本年度の藤井は先手番で12戦全勝だったが、黒星をつけた。価値ある「後手番ブレイク」に永瀬は「先勝できてよかった。後手番だったので、どう突いていくかの将棋になった。自信がないかもしれないと思って指していた。ただ、大きく崩れていなければよいなと思っていた」と振り返った。


昼食に名物の「陣屋カレー(ビーフ&伊勢海老カレー)」を選んだ永瀬は、午後5時の夕食にも再び同じメニューを注文。気合の“ダブルカレー”で最強の挑戦者との夜戦に備えた。


これで藤井との対戦成績は6勝11敗。藤井が四段時代からVS(ブイエス=1対1の練習対局)を行う研究パートナー。タイトル戦で戦うのは22年の棋聖戦5番勝負以来、2度目となる。お互いの手の内は知り尽くしているだけに、タフなシリーズが予想されていたが、開幕局から1つのミスが負けにつながるギリギリの“死闘”を繰り広げた。


後輩棋士を研究会で鍛える姿が、新兵を鍛える鬼軍曹の姿とダブって見えたことから「軍曹」の異名を持つ永瀬。第2局に向け「先後も決まったので、しっかりと準備して挑みたい」。軍曹が「8冠」阻止を狙う。【松浦隆司】


王座戦5連覇と「名誉王座」の永世称号獲得を目指して藤井聡太竜王を迎え撃つ永瀬拓矢王座(日本将棋連盟提供)

王座戦5連覇と「名誉王座」の永世称号獲得を目指して藤井聡太竜王を迎え撃つ永瀬拓矢王座(日本将棋連盟提供)
© 日刊スポーツ新聞社
関連するビデオ: 藤井聡









コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「ススキノ頭部切断事件」精神科医・容疑者父の“精神鑑定”は正しくできるのか 鑑定医に見解を聞いた

2023年09月03日 13時03分34秒 | 事件と事故
「ススキノ頭部切断事件」精神科医・容疑者父の“精神鑑定”は正しくできるのか 鑑定医に見解を聞いた(AERA dot.) - Yahoo!ニュース 



「ススキノ頭部切断事件」精神科医・容疑者父の“精神鑑定”は正しくできるのか 鑑定医に見解を聞いた
9/2(土) 9:32配信


AERA dot.
元精神科医の田村修容疑者

 札幌市・ススキノのホテルから、頭部を切断された男性(62)の遺体が見つかった事件で、田村瑠奈容疑者(29)と、父の修容疑者(59)、母の浩子容疑者(60)が殺人などの疑いで逮捕されているが、8月28日、3人の鑑定留置が始まった。しかし、修容疑者は元精神科医。精神医学のプロに対し、精神鑑定は正しく機能するのだろうか。豊富な鑑定経験を持つ、つきじ心のクリニックの榊原聡院長に見解を聞いた。


【月影の騎士? 田村修容疑者がSNSにアップしていた「コスプレ写真」はこちら】


*  *  *


 そもそも精神鑑定とは、何をどうやって調べるものなのか。


 これまで60件ほどの鑑定実績を持つ榊原院長によると、まず鑑定医は「被告が責任能力に関わる精神疾患を持っているか」を見極めるという。


「代表的な疾患は、統合失調症ですね。15年くらい前までは、統合失調症の診断がついた瞬間、責任能力なしと判断されました。でも今は、『幻聴や妄想に支配されたがゆえの行動だったのか』など、病気が犯行に影響を与えたのか、責任能力はあるのか、というところまで鑑定します」


 また鑑定では、疾患だけではなく、被告の知能や性格についても調べる。


 知能は、「低いかどうか」がポイントになる。一般的にIQが70以下だと知的障害とされるが、たとえば、「知能の低さによって衝動のコントロールが難しく、その結果万引きをした」と認められれば、減刑の対象となる。榊原院長によると、「裁判官はすごくIQを気にする」ため、WAIS-IIIやWAIS-IVといった標準的な知能検査を行い、知能と犯行の関連性を検討するという。


 性格についても、たとえば人の気持ちが分からないサイコパス気質や、高い攻撃性などが認められれば、犯行に及んだ背景として加味できる。また、「非常に温厚」という結果が出ても、それはそれで「犯行時に性格が豹(ひょう)変した」可能性を示すことになり、何か精神疾患があったのか、それだけの強い動機があったのか、という観点で犯行の理由を探っていく。


 性格検査の代表的なツールは、ロールシャッハ試験だ。インクの染みを見せて、何に見えるか答えてもらう。


「ロールシャッハ試験は100年の歴史があり、『こういう答えをする人はこういう傾向』という経験値が積みあがっている。うたぐり深い、被害妄想の傾向がある、くよくよしやすい、などの思考パターンを判定できます。統合失調症だと、『ここに妖精がいる』というような奇妙なことを言う場合がありますね。逆に常識的なことしか言わないと、『心の奥底を隠している』と判断されることがあり、どう答えても何かしらの所見がつきます。あくまで“傾向”なので絶対に正しいとは限りませんが、参考にはします」


 疾患や知能、性格にとどまらず、面接によって「犯行当時の精神状態」を明らかにすることも鑑定医の役割だが、相手が“患者”ではなく“被告”である以上、一筋縄ではいかないケースも多い。「正直に話すことで裁判で不利になるかも」とうそをついたり、もはや何もしゃべらなかったりする人もいる。

 そこで鑑定医は、面接の質問にさまざまな工夫をこらす。


「たとえば、時期をずらして同じ質問をすることがあります。前と言っていることが違ったら、本人の話のほころびに気づけます。あとは詐病を見抜くための質問もあります。公になってはまずいので詳しく話せませんが、たとえば統合失調症のふりをしていないか確認するために、『一般の人には統合失調症の症状っぽく見えるけど、実際はありえない症状』があるか尋ねて、『ある』と言われたら、詐病の可能性が高いと判断します」


 では、札幌遺体切断事件ではどのような鑑定が行われるのか。逮捕された容疑者3人は、来年2月28日までの半年間、精神鑑定を受けることになっている。6カ月という鑑定期間について、榊原院長はこう分析する。


「殺人のような重大事件の場合は基本的に精神鑑定が行われますが、2~3カ月が一般的なので、異例の長さですね。今回、娘の瑠奈容疑者は、引きこもりで社会から隔絶されていた一方、親子関係は異常なほど濃かったと報道されています。殺害に至った経緯を把握するには、家族3人の関係を含めて慎重に調べる必要があると判断されたのでしょう」


 鑑定期間中は、拘置所や病院に留置され、外出の自由はない。鑑定についての専門的な知識やスキルを持つ精神科医は全国で100人ほどしかおらず、多くの医師は病院での診察業務と掛け持ちのため、鑑定が行われるのは週に1回ほどだという。


 今回の鑑定でネックとなるのは、瑠奈容疑者の父親の修容疑者が、元精神科医ということだ。榊原院長は、「地元の権威である北海道大学の医師が担当するはず」と推察するが、それでも同じ精神科医だけに手の内がわかってしまい、正確な鑑定ができなくなる恐れはないのだろうか。


「もし修容疑者に精神鑑定の専門知識があれば、『今の質問はこれを確認しようとしているな』とか、逆に『なんでこの質問を聞いてこないんだ』と思われてしまい、鑑定医もやりづらいでしょうが、一般の精神科医であればそこまでは分からないと思います。通常の精神科の診察は、患者の“今”の状態にアプローチしますが、鑑定の場合は“過去のある時点”にさかのぼり、当時の心の様子を再現する。同じ精神科医と言えど、鑑定医の手法はかなり特殊なのです」


 しかし、精神疾患の知識が豊富だからこそ、巧みに“詐病”ができる可能性はある。だからこそ、逮捕前に勤務していた病院での仕事ぶりなど、周囲の証言が重要な意味を持つという。


 さらにもうひとつ、修容疑者を鑑定するうえで注意すべき点がある。


「修容疑者は、病院では精神科科長を務めていて、疾患を患っていたとは考えづらい。この事件は、病気ではなく、親子間の人間関係の問題によって引き起こされた可能性が高いと思います。人間関係というのは、精神医学よりも心理学の領域に入ってくるので、心理士に入ってもらってサポートを受けるのではないでしょうか」


 半年後、担当鑑定医はどのような結論を出すのだろうか。


(AERA dot.編集部・大谷百合絵)


大谷百合絵












コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

八冠挑戦・藤井聡太21歳が押された「鬼気迫る一手」…なぜ永瀬拓矢30歳は「人生を変えてくれた」研究相手に逆転先勝できたか

2023年09月03日 09時03分08秒 | 文化と芸能
八冠挑戦・藤井聡太21歳が押された「鬼気迫る一手」…なぜ永瀬拓矢30歳は「人生を変えてくれた」研究相手に逆転先勝できたか〈王座戦〉 (msn.com) 



八冠挑戦・藤井聡太21歳が押された「鬼気迫る一手」…なぜ永瀬拓矢30歳は「人生を変えてくれた」研究相手に逆転先勝できたか〈王座戦〉
田丸昇 によるストーリー •
3 時間


圧倒的な勝率を誇る「先手番の藤井聡太七冠」相手に先勝。永瀬拓矢王座は防衛に向けて力強く一歩目を踏み出した
圧倒的な勝率を誇る「先手番の藤井聡太七冠」相手に先勝。永瀬拓矢王座は防衛に向けて力強く一歩目を踏み出した
© Number Web 提供
 第71期王座戦五番勝負は、永瀬拓矢王座(30)に藤井聡太竜王・名人(21=王位・叡王・棋王・王将・棋聖を合わせて七冠)が挑戦している。永瀬が王座を防衛すれば、連続5期獲得によって「名誉王座」の永世称号を取得する。藤井が王座を奪取すれば、前人未到の「八冠制覇」を達成する。社会的にも注目されている大勝負だ。その王座戦第1局は8月31日に神奈川県秦野市「元湯陣屋」で行われた。研究パートナーでもある両者の関係、激闘が繰り広げられた第1局の将棋を、田丸昇九段の解説と写真で振り返っていく。【棋士の肩書は当時】


藤井がデビュー直後に戦った、伝説の『炎の七番勝負』
 藤井竜王・名人が棋士デビューしたばかりの2017年3月。新興のインターネット放送局「AbemaTV」(アベマTV)は、藤井四段(当時14。以下年齢はすべて当時)が若手精鋭、タイトル経験者と対戦する『藤井聡太 炎の七番勝負』の放送を開始した。
 対戦相手は登場順に、増田康宏四段(19=新人王)、永瀬拓矢六段(24)、斎藤慎太郎六段(23)、中村太地六段(28)、深浦康市九段(45)、佐藤康光九段(47)、羽生善治三冠(46)。※持ち時間は各1時間。羽生戦のみ各2時間。


 藤井がいくら有望な若手棋士でも、対戦相手は強敵ぞろいなので、棋士や関係者の間では「2勝すれば上出来」という声が多かった。ただ藤井の師匠の杉本昌隆七段は「藤井が7戦全勝しても、私は驚きません」と語った。藤井の将棋を身近で見てきて、真の実力を知っているゆえのコメントだった。


60秒で査定依頼/住友不動産販売
60秒で査定依頼/住友不動産販売
PR
住友不動産販売
 そして『炎の七番勝負』は杉本の予想に近い、藤井四段の6勝1敗という結果に終わった。藤井と初対戦した羽生三冠は、「しっかりした将棋でミスが少ないです。自分の14歳のときと比較して、あの完成度は信じられません」と語り、藤井の強さを絶賛した。


すでに「藤井曲線」が見える中で唯一勝利した永瀬
 ある将棋ソフトが七番勝負の対局を解析したグラフによると、勝った棋譜には悪手がほとんどなく、有利な形勢を拡大しながら勝ち切る上昇パターンだった。現在にも通じているそうした藤井将棋を評して「藤井曲線」という言葉が生まれたが、それは四段時代からの特徴だった。


 その七番勝負で藤井四段に勝った唯一の棋士が永瀬六段だった。戦型は永瀬の「ゴキゲン中飛車」。中盤まで互角の戦いが繰り広げられたが、終盤で藤井が指した受けの疑問手が響き、永瀬が攻め切って勝った。


 永瀬は、藤井の将棋に打ち込む真摯な姿勢と、序盤から時間をたっぷり使う妥協のない指し方に共感を覚えた。また、大棋士になる片鱗を感じたという。後日、自分から藤井との「練習将棋」を依頼した。


 永瀬は2016年の棋聖戦五番勝負で羽生棋聖に挑戦し、2勝1敗と勝ち越したが、2連敗して初タイトルを逃した。あと一押しの実力を伸ばす起爆剤として、藤井との申し合いが必要だと思ったのだ。


「人生を変えてくれたのが藤井さん」「永瀬さんと指して…」
 その後、永瀬は藤井の地元の愛知県に出向き、師匠の杉本が設けた名古屋の研究室で、公式戦さながらの力のこもった練習将棋(持ち時間は各30分)を重ねた。朝10時から始めて1日に2局指した。局後の検討を含めて4時間もかかる将棋もあり、永瀬が最終の新幹線で帰京することもあった。


 夏休みの時期には藤井が東京に行き、永瀬が研究室にしている都内の将棋クラブの一室で指した。


 両者はこれまでに、月に2、3回のペースで100局以上は指している。コロナ禍の頃は、パソコンによるオンライン対局で続けた。藤井の師匠である杉本は「藤井と盤上で激しいラリーを続けられる数少ない棋士が永瀬さん。両者は同志のような関係です」と語っている。


おすすめのビデオ: 藤井聡太七冠、八冠制覇に挑む 王座戦五番勝負第1局 対局開始から10時間近く、熱戦続く (日テレNEWS)
現在の時刻 0:00
/
期間 0:39
0
ウォッチで表示
ウォッチで表示
 永瀬は2019年に叡王と王座の二冠を獲得した。「藤井さんと指し続けたことで、タイトルを獲得できました。自分の人生を変えてくれたのが藤井さんです」と、就位式で挨拶した。藤井も同じ思いのようで、「永瀬さんと指して、勉強になることばかりでした。それで自分の棋力が引き上げられたと思っています」と語った。


 両者がタイトル戦で対戦するのは、昨年の棋聖戦(藤井が3勝1敗で防衛)に続いて、今年の王座戦が2回目。練習将棋はしばらく休止となる。


 永瀬は、正月でも研究に励むほど将棋一筋の生活を送っている。自分を厳しく律していることから「軍曹」の異名がある。唯一の趣味は、漫画やアニメを見ることだが「見続けると廃人になる」と言って自制している。ちなみに、好きな作品のひとつは『盾の勇者の成り上がり』(作者=アネコユサギ)。


第1局前日の会見で両者が語ったこと
 王座戦第1局の前日に、対局場の「元湯陣屋」で記者会見が行われた。両者は、次のように語った。


 永瀬「八冠の大記録については、自分とは関係ないことだと思っています。自分で結果を出して、名誉王座を目指して頑張りたいです。藤井さんの考え方や価値観は、すべてにおいて素晴らしいと感じています。それは自分にとって大きな財産です。互いに手の内は分かっていますが、戦いにくさはありません」


 藤井「永瀬王座とのタイトル戦は、昨年の棋聖戦に続いて2回目。今回は挑戦者として対局できるのがうれしいです。互いの棋風や考え方を知っていますが、さらに工夫したところ、成長したところを出せるかどうかが、ポイントだと思います。陣屋で対局するのは初めてで、庭が広くて対局室からの眺めがよいです」


投資は学校で学ぶ時代です
投資は学校で学ぶ時代です
PR
投資の達人になる投資講座
藤井が語る「陣屋事件」、永瀬の3年ぶり和服姿
 「元湯陣屋」は1918年に創業された老舗旅館で、数多くの将棋のタイトル戦が行われてきた。囲碁の対局を含めると、300局以上になるという。


 1952年(昭和27)には、升田幸三八段が木村義雄名人との王将戦の一戦で、対局を拒否した「陣屋事件」が起きて物議をかもした。藤井は前記の記者会見でその件について、「有名な話なので聞いたことがあります。升田先生のほうに、いろいろな葛藤があったと感じています」と語った。真相は70年たった今でも、未だに不明である。


 陣屋は、新宿から小田急線に乗って約1時間と近い。通常は多くの棋士、女流棋士が観戦に訪れる。しかし王座戦第1局では、メディアの取材依頼が殺到した事情によって、棋士たちに業務以外での来場は控えてほしい、との要請が主催者からあった。それは異例のことだった。


 永瀬と藤井の対戦成績は、永瀬が5勝11敗と負け越しているが、後半の8局は4勝4敗の五分。直近の今年2月のA級順位戦では永瀬が勝った。また、永瀬は過去4期の陣屋での王座戦で4勝していて、縁起の良い対局場である。


 永瀬は近年のタイトル戦で、戦いやすいという理由で洋服を着用してきた。しかし、今期の王座戦の対局規定では和服が原則として義務となり、3年ぶりに和服で対局に臨んだ。


振り駒でまたしても藤井の先手番に決まったが
 王座戦第1局で恒例の「振り駒」が行われ、藤井の先手番に決まった。先手番での勝率がかなり高いので、大きなメリットである。実は藤井は今年、王将戦、棋王戦、名人戦、叡王戦、棋聖戦、王位戦の順にタイトル戦を戦ったが、第1局の振り駒で名人戦以外はいずれも先手番となり、この6タイトル戦で先勝した。指運ならぬ「駒運」も持っていたのだ。


 永瀬王座に藤井竜王・名人が挑戦した王座戦第1局の戦型は、角換わりとなった。昨年の棋聖戦では6局(2局の千日手を含む)のうち、4局が角換わり腰掛け銀だった。ただ本局では、永瀬が後手番ながら右銀を四段目に進めて先攻し、棋聖戦とはまったく違う展開となった。それが事前に用意した作戦だったようだ。


 藤井は一段飛車の好形に構え、永瀬の仕掛けに呼応して反撃した。そして、▲6五角と中段に打って永瀬の攻めをけん制し、同時に相手玉にも利かした。永瀬は攻め続け、一進一退の攻防が繰り広げられた。


 藤井は角を切って4筋にと金を作り、盤面の中央に駒を集めて中段を制圧した。さらに▲4七玉と安全圏に上げた。


鬼気迫る永瀬の「強靭な一手」とは
 一方の永瀬の2二にいる玉の守り駒は銀1枚のみで、不利な形勢と思われた。しかし、相手玉から遠く離れた桂香をと金で取ったのが冷静な手段だった。後に飛車取りに打った△2六香や△3四桂で迫っていった。藤井は永瀬の迫力に押されて疑問手を指し、形勢はいつしか混とんとした。


 101手目の局面で、両者は持ち時間の5時間を使い切り、1手60秒の秒読みが約50手も続いた。


 その間の永瀬の指し手は鬼気迫るものがあった。自陣に金銀を打って藤井の寄せをきわどく残し、さらに△5一飛と自陣に打ったのが強靭な一手。最後は藤井の中段玉を見事に即詰みに討ち取った。


 永瀬は150手もの激闘を制して、第1局に勝利した。王座防衛と名誉王座の取得に向けて、後手番での勝利は大きかった。


 一方の藤井にとっては、痛い逆転負け。タイトル戦での先手番の勝利は9連勝で止まった。ただ昨年の永瀬との棋聖戦では、第1局に敗れた後に3連勝して防衛した例がある。八冠の可能性はまだ残っている



 王座戦第2局は9月12日に兵庫県神戸市で行われる。両者にとって、ともに負けられない大一番だ。










コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする