歌論 無名抄 喜撰住事
喜撰が跡 又みむろとのおくに廿よ丁ばかり山中へ入て うぢ山のきせがすみけるあとあり。いへはなけれど たうの石ずゑなどさだかにあり。これらかならず たづねてみるべき...
歌論 無名抄 艶書古歌事
艶書ニ古哥カク事ある人女のもとよりふみをゑたり。その文に哥二首あり。これかへしして給はせよとあつらへ侍をみれば二首ながら古今の戀のうたなり。かへしをすべきにあらず。いかゞせまし...
歌論 無名抄 基俊僻難事
基俊僻難事 俊恵云法性寺殿にて哥合ありけるに俊頼 基俊ふたり判者にて名をかくして當座に 判しけるに俊頼哥に くちをしや雲井がくれにすむたつも おもふ人にはみ...
歌論 無名抄 琳賢謀基俊
琳賢基俊ヲタバカル事 いかなりけるときにか琳賢は基俊となかのあし かりければたばらんとおもひてあるとき後撰の 恋の哥の中に人もしらずみゝどをきかかぎり 廿首をゑりいだしてかきつがひ...
歌論 無名抄 同人名字讀事
同人哥ニ名字ヲヨム事 法性寺殿に會ありけるとき俊頼朝臣まひりたり けり。兼昌こうじにて哥よみあぐるにとしよりの 哥に名をかゝざりければみあはせてうちしわぶきて 御名はいかにとしのび...
歌論 無名抄 俊頼歌傀儡云事
俊頼哥ヲクゞツウタフ事 ふけの入道殿に俊頼朝臣候ける日かゞみの くゞつどもまいりて哥つかうまつりけるにかみ哥なりて 世中はうき身にそへるかげなれや おもひすつれどは...
歌論 無名抄 不可立哥仙教訓事
不可立哥仙之申教訓事 おなじ人つねにをしへて云。あなかしこ/\哥よみ なたて給そ。哥はよく心ずべき道なり。われらがごと ...
歌論 無名抄 我與人事
我与人又をなじ所にてこくなばといひし女坊夏を契と云題に をしむべきはるをば人にいとはせ...
歌論 無名抄 隔海恋事
隔海路論 或所にて哥合し侍し時海路をへだつる恋といふ 題に(哥はわすれたり)つくしなる人のこひしきよしをよめ り...
歌論 無名抄 貫之躬恆勝劣事
貫之躬恒勝劣俊恵法師語云三条の大相国ひゐの別當ときこえけるとき二条の帥とふたりの人みつねつらゆきがをとりまさりを論ぜられけり。かたみにさま...