中小企業のES=人間性尊重経営のパイオニア/有限会社人事・労務 ES組織開発・人事制度改革ブログ

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下町の未来のはたらくを考える、ソーシャルイノベーションでいこう!

2014-11-04 17:39:29 | 組織開発・社風改革
今日は、東京都社会保険労務士会台東支部の研修で、「下町の未来のはたらくを考える」
というテーマでのパネルディスカッションのコーディネーターとして役目をいただきました。


 パネリストの方は、下町を代表する団体、企業の方で、東日本最大のモノづくりイベントを
開催した、台東デザイナーズビレッジの鈴木村長、そして、現在、そのモノマチのイベントに携わっている
モノマチ協会会長のこの下町のモノづくりを代表する、お財布、カバン製造、卸のラモーダ吉田の吉田社長、
そして、墨田区からは、江戸っ子1号などのプロジェクトを成功させ、日本の新しい製造業の姿として、
数々のテレビなどでも取り上げられ、内閣総理大臣賞をいただなどご活躍の、浜野製作所の浜野社長
という豪華な顔ぶれの皆さんとパネルディスカッションです。
 そして、会場には、私たち社労士会のメンバーとそして、行政、中小企業の社長さんと社員さん、
商工会議所さん、地元JC、観光協会など、下町の関係者たちが一堂に集まって、
下町の雇用を取り巻く環境、そして課題などを話し合いました。
 第一部では、まず、私から、台東区、墨田区の現状をお話させていただきました。

台東区の特徴課題として、
高齢化率が、23区中第2位であること、生活保護者が第一位であることや、問屋のまちとして
栄えたが、現在は、元気が少しなく、特に、消費者と問屋さんとの距離が遠い、
貧困率が高い、在日外国人の方が多い、昼夜間人口がほぼ一緒、昔から住んでいる人と、
新しい住民との距離が遠い、廃業率がトップなどなど
台東区の歴史および、データーについて解説させていただきました。
 また、好材料としては、観光客が増えた、特に外国人の観光客は、
やく、半分近くが体得に来る。スカイツリーが出来たこと、三社祭や隅田川の花火大会
だけじゃなく、市民イベントが増えてきている、23区中人口増加率が第5位、町内会加入率が
高い、就業率が高いなど良い点も沢山出ました。
 そのあとは、このような下町の雇用を取り巻く環境について
3名のパネリストのかたからそれぞれの活動とご意見を伺いました。
 私が、これからの、企業経営とまちづくりについてパネリストの先生方から学んだこと、自分自身の感想について上げたいと
思います。

 鈴木村長と吉田会長のお話では、モノマチイベントが、10万人を超えるほどのイベントになるまでの軌跡について
伺いました。そこに至るまでには、3度も大きな失敗をしているとは想像がつきませんでした。
 職人と街を結び付けることにより、いままで、自分の技術が、表に出ることが少なかった職人さんたちが、
イベントに来てくれる人と直接触れ合い、イベントに来た多くのお客様から喜びの声や、伝統技術への関心
といったつながりにより、職人さんたちのモチベーションが上がったという点は、私たちの職場内でも
まちづくりでも同じなのだなあと思いました。
 また、このイベントには、100名を超える方が、ボランティアとしてかかわっているのですが、
その方たちをまとめることへのポイントについて、吉田会長は、
もともと、顔は知っていたが、そこまで深いつながりではない方たちとのつながりがよかった。
上下関係をなくし、階層をつくらないというのがポイントですという話は、勉強になりました。
 オープンイノベーションのポイントとして挙げられるのは、いままでの強いつながりでなく、緩いつながりから
イノベーションは生まれていきます。そして、階層型のつながりでは、イノベーションが起きないことは、
IBMやゼロックスなどの垂直統合による自前主義では、イノベーションが起きないということは、経済界でも
証明されています。シリコンバレーやシスコシステムズをはじめオープンで、横のつながりを大切にする企業が業績を
伸ばしているという点は、皆さんもご存じのことと思います。
 さて、その点を中小企業として、実際に行っているのが、浜野製作所さんです。
浜野製作所さんの取り組みは、まさに、まち全体をとおして、モノづくりを活性化させよう!というもの。
なんと、オープンイノベーションの手段をとおして、200件近い、新規のお客様が、浜野製作所さんの、ガレージスミダという
オープンな場を利用しました。
 そこには、大学や行政との連携、モノづくりを応援する大中の企業、投資団体との連携などテックプランターという生態系(コミュニティ)があり、
ものづくりに対して、次のようなコンセプトを持っています。
 「作りたい人を集める、作りたい人・場所を提供する」というコンセプトを持っています。

 まさに、日本の製造業が衰退していく中、1社の力だけでなく、連携をとおして、つながりで、業界を、まちの雇用をけん引するという
点は、私自身多くの気づきをいただきました。
 私たちも、「新しい時代のユニークな働き方を応援する」をテーマに、形は違えど、一人一人のはたらくのオリジナルな思いを
実現するための場としての存在であり続けたいと思っております。
 それが、農業だったり、介護だったり、学生ベンチャーだったり、障碍者の方や、団体だったりと
いままでにないユニークな働き方を実現したいそんな方が尋ねにきます。
 まさに、時代は、プロダクトアウトから、マーケットインへ、そして、コンセプトづくりの段階から一緒になって
関与していく、コンセプトアウトの時代へと大きく社会は、変化しています。
 浜野製作所さんの取り組みは、まさに、オープンイノベーションの必要性をはっきり示し、実現しているのです。
 第2部につづく。

横浜市立大学影山教授との対談「コミュニティ経営のすすめ!」~ESなくしてイノベーションなし

2014-11-04 17:00:39 | 組織開発・社風改革
昨日は、第一部の影山先生の基調講演、そして、2部は、影山先生とパネルディスカッションとうことで、
コミュニティ経営、オープンイノベーションについてお話をさせていただきました。

さすが、日本を代表するCSRの第一人者の影山先生のお話は、何度聴いてもいつも新たな発見があります。
今日は、そんな気付きメモしておこうと思います。
 現在中小企業からの相談で寄せられるのは、成長の行き詰まりです。

影山先生の講演の中でも、ニーズの個別化そして、さらに、ニーズの先鋭化という話がありました。
 時代は、プロダクトアウトの時代から、マーケットインへそして、コンセプトアウトの時代に
移り変わっているとうことでしょうか?いまや、お客さんのニーズを起点に考えるマーケットインの
考え方では、これからの市場についていけません。

お客さんとは、コンセプトの段階から、
一緒になって商品を考えて行くそんな時代に変化しているのです。弊社では、企業とマルシェを何度かやっているのですが、それは弊社のコンセプトの「農からうまれる地域の笑顔」というコンセプトに何か、お客さんが反応していただいて、一緒になって、お客さんのコンセプト作りから、マルシェをやろう!ということになるのです。

それは、地域だったり、学生のためだったりいろいろなのですが、まさに、コンセプトアウトの一れなのだなあと実感します。そして、影山先生から、これからは、感性主義の視点が大切だという話がありました。
つまり、FacetoFACEで、つながりをしっかり作っていくことが必要で、コンセプトアウトによる新しい商品、アイディアといったイジョベーションは、安定したつながりなくしては、起きないのだということなのです。

 よく、イノベーションというと、変化ばかりに目が行きがちですが、実は、変化すべき点と、安定さの両方が必要なのです。、このつながり、価値観といった部分は、安定していなくてはなりません。このような、安定したつながりがあってはじめて、変化をしていくいことは可能になるし、イノベーションを超すことが出来るのです。

私がお世話になっている日光の老舗企業に、金谷ホテルベーカリーさんと、元祖温泉まんじゅうの湯沢屋さんという企業があります。先日、そこで、私の40数年の人生の中では、最高においしいアンパンをいただきました。

それは、両社がそれぞれの持ち味を生かし、お互いに新しいコンセプトである、「日光の本物の商品をお客さんに届けたい!」とうコンセプトから出来上がりました。背景としては、日光は市町村合併を機会に、いままで、日光市じゃなかったところのお店も、日光の名店と名乗るようになってしまいました。そこで、まがい物の商品も出回り、昔からしっかり老舗の味を守ってきた商店さんのブランド価値が落ちてくるという現象が起きたのです。

そこで、2社は、いままで、秘伝と言われた門外不出の「あんこ」を金谷ホテルベーカリーさんの最高級のパンとのコラボレーションで、何度もチャレンジして、最高級のアンパンを創るに至ったのです。
 それは、安定した、経営姿勢、そしてお互いの経営姿勢にたいする信頼がなければ、変化は起こらず、新しい商品は生れなかったわけです。チェスブロウという方は、このような動きをオープンイノベーションと定義していますが、これからの時代は、外部の技術をつかって新たな市場を作り出すという視点はとても大切になります。 
 チェスブロウがいっているように、オープンイノベーションの考え方は、昔からあるのです。しかし、自前主義や、クローズド経営をやっている会社が世界的にも凋落しているという事実がそこにはあります。
 かつてのIBMや、ゼロックスという垂直統合で資産を囲い込む会社が元気がなくなり、P&Gやシスコシステムズといった会社が伸びています。そして、伸びている企業の戦略は、他社とのつながりから商品、サービスを生み出すといったオープンイノベーションの考え方なのです。例えば、P&Gにいたっては、売り上げの50パーセント外部技術で達成するというのが目標になっいるのです。弊社でも、25%をオープンイノベーションで達成するという目標を挙げているのですがまだまだですね。
 それでも、海外案件の仕事、デザイナーさんとの手帳づくり、他士業さんとのコラボレーション、商店街や、他団体とのサービス展開など外部に目に向けるように心がけています。

 オープンイノベーションの考えは、つながりを通した、エコシステムを創ることです。これをコミュニティといってもよいと思うのですが、そこには、社員、顧客、地域の笑顔といった成長実感という3社の満足を同時に満たすという社会的共通善の思想がなくては成立しません。そういった社会的共通善といった目的にのためには、それぞれの企業や立場の優劣といったものは、取り払うという感覚が必要です。そして、これからの市場は、このようなエコシステムを築き上げることができる企業が成長するのです。そして、影山先生が最後に強調されていたように、地域とのつながりが作りやすく、社長と社員の距離が近い、ステークホルダーを絞り込みやすい中小企業こそがその主役であるという考え方に大いに共感いたしました。