初回に書籍『業界破壊企業』著者の斉藤徹先生にご登場いただいたTERAKOYAオンライン読書会
今回は書籍『業界破壊企業』読書会の第3回目。
第2章から第4章までを担当させて頂き、●プラットフォーム型●ビジネスモデル型●テクノロジー型と多くの業界破壊企業の事例を整理してお伝えしましたが、参加者の皆さんから共有いただいた気づきから、持続的な経営のカタチについて、より考えを深める機会となりました。
需要と供給を“直接”つなぐビジネスの基盤「プラットフォーム型」
事例企業【Houzz(バロアルト・カリフォルニア)】は「家を建てたい人」「リフォームしたい人」と「住まいの専門家」をつなぐプラットフォームです。
自分が住む限られた地域で、こじんまり始めた。先ずはコミュニティを拡充させ、充分に情報が流通するようになってから、コマースの要素を付加していった。
この事例から企業の成功の要因を下記2点をあげています。
- 小さく、早く、安く初めて、学び続けること
- コミュニティ作りから着手
また「先輩が後輩にお金を貸すしくみ」を作った【Sofi(サンフランシスコ)】の事例から「誰と誰をマッチングするのか」「そこにはどんなストーリーを乗せるのか」を工夫することを成功の要因とあげています。
私からは、会員数900名・26社、資格取得者数2万名強、と広く食の専門家のプラットフォームを運営する【NPO日本フードコーディネーター協会】様の事例をご紹介しました。
「プラットフォーム責任はあるのか?」
数年前に、理事会にて、コンプライアンスの視点からSNS活用/個人情報の取り扱いに関する勉強会の講師を担当させて頂きました。
広くプラットフォームを構築された組織であるが故の運営上の留意点。
現在は、テクノロジー導入による経営のカタチの変容を図っています。
次に、ビジネスモデルを変えることで「新しい顧客体験」を生んでいる「ビジネスモデル型」
女性専用の投資顧問【Ellevest(ニューヨーク)】の事例から『イノベーションの起点は無消費にある』との学び。
クリステンセンの掲げた ①スキル ②お金 ③アクセス ④時間 の無消費に加え、斉藤先生は『価値観の無消費』と提議。
女性が公の場でお金の話をするのは下品な行為である…と世の中にあふれていたメッセージを「自分に向けられたものではない」とスルーしている状態から『価値観の無消費』が存在するとし、この無消費がイノベーションの起点となると述べています。
商品を一つに絞り選ぶストレスをなくし、オンライン購入を可能にし購入のストレスを最小化し、寝具でなく“質のよい眠り”を売っている【Casper(ニューヨーク)】の事例から
企業の成功の秘訣を「どんな顧客の、どんな状況における、どんなジョブを満たすのか」という発想で考える『ジョブ理論』、そして、コミュニティ作りをあげています。
他社がマネできないような技術による事業革新「テクノロジー型」
そのテクノロジー技術だけで業界を破壊するインパクト。
コストをかけた技術は、SDGs的な要素も強く見られ、広く社会の為に活かされている印象です。
私からは、テクノロジー型の事例として、しあわせになる あたらしいお金 【共感コミュニティ通貨eumo】様の事例をご紹介しました。
つながりの分断をもたらす いわゆるお金から つながりの可視化~お金に色をつけることができ社会をよくするお金 を提唱しています。
【UberEats“つけ麺事件”】から、「プラットフォーム責任はあるのか?」とプラットフォーム型の課題をあげていますが、コストをかけたテクノロジー技術も、組織・コミュニティメンバーの心構えに大きく影響を受ける。
ギグワーク等 多様な働くカタチ・価値観の多様化が確実にある中で、私は、コミュニティメンバーとしての自分たちの心構えを互いに確かめていくようなプロセスを丁寧に持つことを、大切にしてほしい。
ともにコミュニティを育てていこうとする仲間とつながり、そのコミュニティ意思から生まれた働きであることが、持続的に発展をしていく鍵だと思います。
自分ごと・自分たちごと。いかに共創していけるか。
「業界破壊企業のその先〜ハッピーイノベーションとは」の学びの場は残すところあと2回。
皆さんと最終回まで楽しんで行ければと思います。
次回は第5章「起業」土谷先生!よろしくお願いします!