中小企業のES=人間性尊重経営のパイオニア/有限会社人事・労務 ES組織開発・人事制度改革ブログ

社員の幸せ、職場の幸せを基準に経営を、社風を変えたいと本気で思っている社長さん・人事担当者の方へのエールをあなたへ!

メンバー個々の問題意識を見える化!職場の問題点を洗い出す「吐き出し」

2018-09-07 19:32:12 | 組織開発・社風改革
こんにちは!
有限会社人事・労務 行政書士の矢尾板です。

二代目の新社長からのご相談にこたえる形で 先日【ES組織開発】研修を行いました。

トップダウンで どんどんとご自身のアイディアをカタチにしてきた先代の社長。
業界を創り出してきた。



時代は変わり 決まったゴールへ向かって全員で駆けていく時代は終わり。
不確実性の高いこの時代。
持続可能な組織のカタチとは。個のはたらくカタチとは。

先代が創り出してきたものを大切にしながらも
職員の社会性を高め 今の時代に合う 社会に求められるものを生み出していける組織にしていきたい。
また もっと職員自身が組織の発展とともに自身の未来を描いていける
働きがいのある組織にしていきたい。

そんな熱い新社長の思いを受け、
トップダウンから自律分散型の組織へと変容を目指して始まった研修初日。



第一のステップとして“職場の問題点洗い出す「吐き出し」”を行いました。

職場の意識革新は
メンバー全員が互いに現状認識を共有するところから始まる!
特に 職場の問題点といえるネガティブな面を徹底的に洗い出していく。
問題点の抽出から「現場の現実」をとらえることができます。


■「吐き出し」の手順
①メンバーが付箋紙とサインペンを用意し 日頃の問題意識や不平不満を書き出す
付箋紙1枚につき1トピックとし 周りの人と相談せずに15分ほどで書き進める。

②全員が書き終えた付箋紙を模造紙に貼る
順不同ですべての付箋紙を模造紙に貼り 全員の問題意識や不平不満が一覧できる「吐き出しボード」をつくる。

③付箋紙を貼った模造紙を前にワイワイガヤガヤと話し合い メンバー間で共有する
「吐き出しボード」を囲みながら メンバー同士で問題・課題認識を共有する。
この作業によって「みんな同じようなこと悩んでいたんだ」「こんなことを考えていたんだ」とメンバー同士の相互理解が深まる。

④吐き出しの内容をもとに「マネジメント・スタイル図」「コミュニケーション状態図」を描く
90分~120分の決められた時間内で 「吐き出し」の内容を自由な形で絵に描いていく。

⑤「マネジメント・スタイル図」「コミュニケーション状態図」についてメンバーが発表し 共有する
高い評価を受けた図は 立ち上げ研修終了時に表彰される。




①のプロセスの中で見えてくる職場の土壌
多い人で15枚前後付箋紙が机上に並ぶ。
吐き出しの数は、職場の雰囲気をよく表し、自由に意見を述べられる職場は多く、そうでない職場は少ない。

ポイントは「他責モード」で本音を吐き出すこと!
あくまでも職場を良くするため、全員が働きやすくなるためという高い目標があってのこと。
自分のことを棚に上げて「他責モード」で本音を吐き出してください!

②これが最初の見える化&共有化!職場の現状をとらえる「吐き出し」ボード




③のプロセスでは痛烈な上司批判も許される!むしろ革新のエネルギーは大きい。

今回の場はここまで!
皆さんお一人おひとり現場で日々悩みながらも本当に真剣に職員と向き合ってらっしゃる姿。
「吐き出し」等を通して皆さんから本音のコトバには
組織そして個を変容させるためのヒントが沢山つまっている。

次回はもう少し若手も交えて話をしていきたい!人事部長からは今日出た話を踏まえて人事制度を考えていきたい!と。

次回は今回の皆さんから出た本音のコトバをもとに「行動」を考えていく。


「人が組織をつくっている」
これまでも唱えてきたことですが
この【ES組織開発】研修初回を終えて 現場で働く皆さんの思いに触れて
「この皆さんが組織を変えていく」ことを心底実感した。

その未来を創り出すお手伝い!
有難い機会を頂きました。

ダイバーシティの評価制度

2018-09-07 19:29:41 | 人事制度
こんにちは!有限会社人事・労務の西田です。

最近は、下記のグラフ(総務省HPから抜粋)を見てもわかるように、少子高齢化が急激に進んできています。15歳~64歳の生産年齢人口も減り続ける事が予想される中、労働力の確保のため、中小企業でも多様な働き方がかなり増えてきました。



今までは、社員が同じ働き方、同じ価値観のもとで働いていたので、会社としては皆を同じように見ていればよかったのですが、違う働き方、異なる価値観の中で社員ひとりずつ見ていくことになり、評価の仕方も一元的に見ていくことが難しくなっています。
そのため、以前より評価制度も多様になってきました。

今回は、ある会社の例を紹介したいと思います。
この会社は、都内を中心に展開している小売店ですが、今までは、店で働く社員は、店長が、本社で働く社員は課長が一次評価して、部長の二次評価を経て社長が決定していました。評価の視点は、目標管理を反映する成果評価と日頃の仕事ぶりにおいて必要な能力が発揮できているかを見る能力評価。目標管理は期ごとに目標を立てて、その達成度を評価し、能力評価は、その等級や職種で求められる能力を項目ごとに評価するという一般的な評価の仕方でした。しかし、働き方が多様化して、例え同じ職種でも同じ能力項目で評価することが難しくなってきました。また、二次評価の部長も最終評価の社長も現場ひとりひとりの社員を把握することがしづらくなってきました。

そこで、目標管理はそのままに、能力評価は一番身近で見ている同じ店舗のメンバー同士で評価することにしました。評価項目も今までは、細かい項目を10項目ほど設定していたのですが、それももっとざっくりとした評価に変えました。同じ職場のメンバーであれば、仕事ぶりや能力、貢献度合いがよくお互いに良く分かり、それが公平性にもつながっていきます。メンバー1人1人の働きぶりをメンバー同士が評価をして、最終的には店長が決定し、社長はその評価をほとんど変えず承認を行います。評価というと「評価項目やルールを細かく決めて不満がないように公平、公正に」という考えが強く、「現場で決めるなんて大丈夫か」と思うかもしれませんが、そもそも評価制度を細かく決めるのは、人数が多くなってくると、個人の仕事ぶりや成果が見えづらくなるため、あるいは複数の考課者による評価をある程度統一化できるようにするために、一定のものさしで測り、制度を作るわけです。そのため、個人の仕事ぶりや成果が見えるチームという少人数の範囲であれば、むしろ細かい評価項目を決めて評価するよりも、細かい項目では測れない部分の評価も含め、制度に縛られない方が公正に評価できる部分もあります。

まだ、評価制度を変えたばかりですので、うまくいくかどうかは分かりませんが、最近はこのように、評価をシンプルに、ざっくりとしたいという会社が増えてきています。ただし、ざっくりとした評価は、評価者個人の評価判断に任せることが大きくなり、評価者が会社の文化や価値観を理解して、会社が評価すべき人をしっかりと評価することが求められます。
働き方が多様化してきている今だからこそ、より会社の価値観の浸透が必要となるのです。