(有)人事・労務、社会保険労務士の畑中です。
2019年はラグビーワールドカップが日本で開催され、とても盛り上がりました。学生時代にラグビーをやっていた者(といっても真剣にやったのは高校3年間だけなのですが)にとっては、なんだか自分も少し認められたようでうれしかったです。

ラグビーは、よく言われているように、15のポジションがあり、それぞれの適正が全く違います。例えば、スクラム最前列のプロップ(1番・3番 稲垣や中島イシレリ)は重く、力強い選手、ロック(4番・5番 トンプソン)は、背が高く力強い選手、スクラムハーフ(9番 田中や流)はすばしっこく、持久力のある選手、ウイング(11番14番 福岡や松島)は足が速く決定力のある選手、といった感じでしょうか。
おもしろいのが、ポジションによってなんとなく性格の傾向もあるのです。これは完全に私の主観ですが、例えばプロップ(1番・3番 稲垣や中島イシレリ)はあまり表にでしゃばらず、ひたすら周りを支える。縁の下の力持ち。ほめられてもいつも謙遜しているようなタイプ。フッカー(2番 堀江)は明るくみんなの盛り上げ役。また、選手間の潤滑油的な性格。フランカー(6・7番 リーチマイケル)は、ひたすら献身的に仕事をするタイプ。みんなに公平でいいやつが多いです。ナンバーエイト(8番 姫野)は、人望がありいつも冷静で、みんなの先頭にたって引っ張っていける選手。スタンドオフ(10番 田村)は、頭がよく論理的。周りの意見をききつつも我が道を行くタイプ。ウイング(11番14番 福岡や松島)はとにかく集中力がある職人で、良くも悪くも自分の仕事だけに没頭するようなタイプ。

ワールドカップ期間中は、職場を見渡しメンバーの体格や性格をみながら「この人はナンバーエイトタイプだなあ」など、たまに考えてニヤついてました。
今回、ラグビーが人気がでたのは、もちろん日本代表が活躍したということがありますが、見た目も含めて選手が個性的で多様であったことが、今の時代にマッチしたからではないでしょうか。特に若い人は、自分のやりたいことを無理してやるのではなく、皆が同じようなことも無理してやらず、自分の個性や自分の信念が活かされる場所で働きたいと思っている人が多くなってきているように思われます。会社はそのような個人が活かされる場を作っていかなければならないでしょう。ただ、そこには皆でお互いをカバーしあう、という精神がなければなりません。
今回、私は横浜でスコットランド―アイルランド戦、日本―スコットランド戦を見ることができました。実際にスタジアムで試合を見てとても驚いたことがあります。私がラグビーをしていたのがちょうど昭和から平成に変わるころでした。そのころのラグビーはもちろん今と同じ15のポジションがあったのですが、それぞれの役割がはっきりと決められていました。私はフッカー(スクラム最前列2番)をしていたのですが、試合中にラインアウトの投入以外にボールを持つことはほどんどありませんでした。フォアード(1番~8番)は、パスやキックをせずに、スクラムやモール、ラックでバックス(9番~15番)にボールを出す。逆にバックスはボールを回したりキックをするだけで、モールやラックに入ってくることはない。これが常識でしたし、実際に役割以外のことをすると監督や先輩から怒られたりしました。それが、今のラグビーをみていると、それぞれ専門の役割をこなしながらも、他のポジションの役割もできるように鍛えられています。フォアードのメンバーも全員パスがうまいですし、バックスもモールやラックに参加するのは当たり前です。一人3役、4役をやっています。これは日本代表だけでなく、高校ラグビーを見てもそのように進化しています。私の時代では考えられない運動力と仕事量です。

これからの時代、本当の強い組織はこうなのだと思いました。一人一人が自分の特性、強みを持ち、それを活かせるポジションについている。しかし、それだけでなく常に周りをみながら自分の専門でない仕事も必要に応じてカバーして、全体での最適を常に目指している組織です。日本対スコットランド戦で、オフロードパスをつないで、プロップの稲垣が最後にトライをしたのは象徴的だったと思います。
私たちの時代はしばしばフォアードとバックスでいさかいがありました。フォアードは「俺たちが何度体をはってボールをだしてもトライをとってくれない」と言う。バックスは「フォアードから、ここぞといういいタイミングでボールが出てこない」と反論する。さらに各ポジション別にも、それぞれの役割がはっきりしているだけに、お互いに「自分はしっかりやっているのに、なぜもっとこうしてくれないのか」ということはよく言いあっていました。残念ながら、その時に自分の役割以外のことをやるという発想は少なかったように思います。多様なポジションはあったのですが、「分業システム」だったのでしょう。
これまでの日本の会社はピラミッド型組織であり、優秀な人材というのは(もちろん多少の個性はあるのでしょうが)こういう能力を持った人というのがおおよそ決まっていました。しかしこれからの時代、いわゆる典型的な「優秀な人材像」というものはなくなるのではないでしょうか。一人一人が自分の得意分野、やりたい分野についてはしっかりと力をつけ、組織がそれをうまく結びつけていく場をつくることで、すべての能力を活かされる時代がくるように思われます。それは決して分業システムでなく、全員が活かされるフラットでグラデュエ―ション的な組織のように思います。

南アフリカの優勝で終わった今回のワールドカップですが、その表彰式で普通のスポーツでは考えられない光景があったことにお気づきの方はどれくらいいらっしゃるでしょうか?
表彰式でメダルは、出場した選手だけでなく、控えに回った選手、そして、監督やコーチ、チームスタッフや審判にも渡されていました。もうプレーできなくなった私(48歳)でも、ラグビーワールドカップ優勝メダルをもらえる日が来る可能性はゼロではない・・・かも。
2019年はラグビーワールドカップが日本で開催され、とても盛り上がりました。学生時代にラグビーをやっていた者(といっても真剣にやったのは高校3年間だけなのですが)にとっては、なんだか自分も少し認められたようでうれしかったです。

ラグビーは、よく言われているように、15のポジションがあり、それぞれの適正が全く違います。例えば、スクラム最前列のプロップ(1番・3番 稲垣や中島イシレリ)は重く、力強い選手、ロック(4番・5番 トンプソン)は、背が高く力強い選手、スクラムハーフ(9番 田中や流)はすばしっこく、持久力のある選手、ウイング(11番14番 福岡や松島)は足が速く決定力のある選手、といった感じでしょうか。
おもしろいのが、ポジションによってなんとなく性格の傾向もあるのです。これは完全に私の主観ですが、例えばプロップ(1番・3番 稲垣や中島イシレリ)はあまり表にでしゃばらず、ひたすら周りを支える。縁の下の力持ち。ほめられてもいつも謙遜しているようなタイプ。フッカー(2番 堀江)は明るくみんなの盛り上げ役。また、選手間の潤滑油的な性格。フランカー(6・7番 リーチマイケル)は、ひたすら献身的に仕事をするタイプ。みんなに公平でいいやつが多いです。ナンバーエイト(8番 姫野)は、人望がありいつも冷静で、みんなの先頭にたって引っ張っていける選手。スタンドオフ(10番 田村)は、頭がよく論理的。周りの意見をききつつも我が道を行くタイプ。ウイング(11番14番 福岡や松島)はとにかく集中力がある職人で、良くも悪くも自分の仕事だけに没頭するようなタイプ。

ワールドカップ期間中は、職場を見渡しメンバーの体格や性格をみながら「この人はナンバーエイトタイプだなあ」など、たまに考えてニヤついてました。
今回、ラグビーが人気がでたのは、もちろん日本代表が活躍したということがありますが、見た目も含めて選手が個性的で多様であったことが、今の時代にマッチしたからではないでしょうか。特に若い人は、自分のやりたいことを無理してやるのではなく、皆が同じようなことも無理してやらず、自分の個性や自分の信念が活かされる場所で働きたいと思っている人が多くなってきているように思われます。会社はそのような個人が活かされる場を作っていかなければならないでしょう。ただ、そこには皆でお互いをカバーしあう、という精神がなければなりません。
今回、私は横浜でスコットランド―アイルランド戦、日本―スコットランド戦を見ることができました。実際にスタジアムで試合を見てとても驚いたことがあります。私がラグビーをしていたのがちょうど昭和から平成に変わるころでした。そのころのラグビーはもちろん今と同じ15のポジションがあったのですが、それぞれの役割がはっきりと決められていました。私はフッカー(スクラム最前列2番)をしていたのですが、試合中にラインアウトの投入以外にボールを持つことはほどんどありませんでした。フォアード(1番~8番)は、パスやキックをせずに、スクラムやモール、ラックでバックス(9番~15番)にボールを出す。逆にバックスはボールを回したりキックをするだけで、モールやラックに入ってくることはない。これが常識でしたし、実際に役割以外のことをすると監督や先輩から怒られたりしました。それが、今のラグビーをみていると、それぞれ専門の役割をこなしながらも、他のポジションの役割もできるように鍛えられています。フォアードのメンバーも全員パスがうまいですし、バックスもモールやラックに参加するのは当たり前です。一人3役、4役をやっています。これは日本代表だけでなく、高校ラグビーを見てもそのように進化しています。私の時代では考えられない運動力と仕事量です。

これからの時代、本当の強い組織はこうなのだと思いました。一人一人が自分の特性、強みを持ち、それを活かせるポジションについている。しかし、それだけでなく常に周りをみながら自分の専門でない仕事も必要に応じてカバーして、全体での最適を常に目指している組織です。日本対スコットランド戦で、オフロードパスをつないで、プロップの稲垣が最後にトライをしたのは象徴的だったと思います。
私たちの時代はしばしばフォアードとバックスでいさかいがありました。フォアードは「俺たちが何度体をはってボールをだしてもトライをとってくれない」と言う。バックスは「フォアードから、ここぞといういいタイミングでボールが出てこない」と反論する。さらに各ポジション別にも、それぞれの役割がはっきりしているだけに、お互いに「自分はしっかりやっているのに、なぜもっとこうしてくれないのか」ということはよく言いあっていました。残念ながら、その時に自分の役割以外のことをやるという発想は少なかったように思います。多様なポジションはあったのですが、「分業システム」だったのでしょう。
これまでの日本の会社はピラミッド型組織であり、優秀な人材というのは(もちろん多少の個性はあるのでしょうが)こういう能力を持った人というのがおおよそ決まっていました。しかしこれからの時代、いわゆる典型的な「優秀な人材像」というものはなくなるのではないでしょうか。一人一人が自分の得意分野、やりたい分野についてはしっかりと力をつけ、組織がそれをうまく結びつけていく場をつくることで、すべての能力を活かされる時代がくるように思われます。それは決して分業システムでなく、全員が活かされるフラットでグラデュエ―ション的な組織のように思います。

南アフリカの優勝で終わった今回のワールドカップですが、その表彰式で普通のスポーツでは考えられない光景があったことにお気づきの方はどれくらいいらっしゃるでしょうか?
表彰式でメダルは、出場した選手だけでなく、控えに回った選手、そして、監督やコーチ、チームスタッフや審判にも渡されていました。もうプレーできなくなった私(48歳)でも、ラグビーワールドカップ優勝メダルをもらえる日が来る可能性はゼロではない・・・かも。
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