中小企業のES=人間性尊重経営のパイオニア/有限会社人事・労務 ES組織開発・人事制度改革ブログ

社員の幸せ、職場の幸せを基準に経営を、社風を変えたいと本気で思っている社長さん・人事担当者の方へのエールをあなたへ!

ダイバーシティの評価制度

2018-09-07 19:29:41 | 人事制度
こんにちは!有限会社人事・労務の西田です。

最近は、下記のグラフ(総務省HPから抜粋)を見てもわかるように、少子高齢化が急激に進んできています。15歳~64歳の生産年齢人口も減り続ける事が予想される中、労働力の確保のため、中小企業でも多様な働き方がかなり増えてきました。



今までは、社員が同じ働き方、同じ価値観のもとで働いていたので、会社としては皆を同じように見ていればよかったのですが、違う働き方、異なる価値観の中で社員ひとりずつ見ていくことになり、評価の仕方も一元的に見ていくことが難しくなっています。
そのため、以前より評価制度も多様になってきました。

今回は、ある会社の例を紹介したいと思います。
この会社は、都内を中心に展開している小売店ですが、今までは、店で働く社員は、店長が、本社で働く社員は課長が一次評価して、部長の二次評価を経て社長が決定していました。評価の視点は、目標管理を反映する成果評価と日頃の仕事ぶりにおいて必要な能力が発揮できているかを見る能力評価。目標管理は期ごとに目標を立てて、その達成度を評価し、能力評価は、その等級や職種で求められる能力を項目ごとに評価するという一般的な評価の仕方でした。しかし、働き方が多様化して、例え同じ職種でも同じ能力項目で評価することが難しくなってきました。また、二次評価の部長も最終評価の社長も現場ひとりひとりの社員を把握することがしづらくなってきました。

そこで、目標管理はそのままに、能力評価は一番身近で見ている同じ店舗のメンバー同士で評価することにしました。評価項目も今までは、細かい項目を10項目ほど設定していたのですが、それももっとざっくりとした評価に変えました。同じ職場のメンバーであれば、仕事ぶりや能力、貢献度合いがよくお互いに良く分かり、それが公平性にもつながっていきます。メンバー1人1人の働きぶりをメンバー同士が評価をして、最終的には店長が決定し、社長はその評価をほとんど変えず承認を行います。評価というと「評価項目やルールを細かく決めて不満がないように公平、公正に」という考えが強く、「現場で決めるなんて大丈夫か」と思うかもしれませんが、そもそも評価制度を細かく決めるのは、人数が多くなってくると、個人の仕事ぶりや成果が見えづらくなるため、あるいは複数の考課者による評価をある程度統一化できるようにするために、一定のものさしで測り、制度を作るわけです。そのため、個人の仕事ぶりや成果が見えるチームという少人数の範囲であれば、むしろ細かい評価項目を決めて評価するよりも、細かい項目では測れない部分の評価も含め、制度に縛られない方が公正に評価できる部分もあります。

まだ、評価制度を変えたばかりですので、うまくいくかどうかは分かりませんが、最近はこのように、評価をシンプルに、ざっくりとしたいという会社が増えてきています。ただし、ざっくりとした評価は、評価者個人の評価判断に任せることが大きくなり、評価者が会社の文化や価値観を理解して、会社が評価すべき人をしっかりと評価することが求められます。
働き方が多様化してきている今だからこそ、より会社の価値観の浸透が必要となるのです。

デジタルツールは、職場の”見える化”の起爆剤

2018-09-06 09:41:04 | ES
皆さん、こんにちは。
ここ数年で私たちは、さまざまなデジタルツールの導入を推し進めてきました。
自らもES経営を実践しているビジネスチャットツール・ChatWorkから始まり、Slack、V-cubeなど、”情報共有”のためのツール。給与計算や手続きなど日頃の業務で用いるシステムも、クラウド型のものへと移行が進みました。

これらのツールに共通しているのは、「見える化」です。
数字や業務情報など、分業がなされ個々が担当することで見えづらくなる情報を見える化する。
あるいは、個々のマインドの状態や職場のES度合いなどそもそも数値では表現しづらいものをデータとして見える化する。
多くのES経営実践企業が、この数年でさまざまなデジタルツールへと切り替え、「見える化」に取り組んでいますが、その理由は、問題症状や課題、そしてあるべき状態が見えやすくなり、それによって個々が「あり方」を考えやすくなり、おのずと役割を見出しやすくなる。つまりは「自律分散型組織への変容」が進む、というのが大きな理由として挙げられると思います。

⇒中小企業のための自律分散型組織のつくり方


先日、その「見える化」ツールの一つとして最近私たちが積極的に導入を推進している”称賛アプリ”「レコグーrecog」について、大川印刷さんで導入研修を行いました。



大川印刷さんは、10年以上前にクレドを導入し組織開発に取り組んできたES経営実践企業です。
特に継続的に取り組んできたのが「ありがとうカード」。
社員やパートの皆さんなど職場の中で「ありがとう」を伝えあうココロミに自社オリジナルのカードを取り入れ、朝礼の中でありがとうのエピソードを共有し、承認・称賛の風土を組織に根付かせてきました。
今回、そのありがとうカードの取り組みをデジタル化し、組織開発を更に推進しよう、ということで、レコグの使い方説明も含め、全社で共有の場をもつことになったのでした。



特にお伝えしたのは、「レコグの導入により、職場の中の”雪かきの仕事”を見える化しよう」ということ。
“雪かきの仕事”というのは、朝まだ誰も起きていない時間、皆が歩きやすいようにと一生懸命雪かきをしてくれる人が地域の中に存在するように、職場においても、周りが見ていなくても誰かのために動いてくれている”誰か”が取り組む仕事のたとえです。
表舞台にある一つひとつの案件は、日々の多くの”雪かきの仕事”の積み重ねで成り立っています。
それらを見える化し、お互いがお互いの仕事を承認していくことで、役割意識や貢献意識を強化することができます。
また、デジタルツールの導入で情報が見える化されることは、業務効率を上げて生産性を高める上で効果的ですが、その生産性向上を持続させるには、チームワークが不可欠です。
レコグ導入によって、日々の仕事を通した職場の“つながり(関係性)”をより良い状態で強固にしながらチームワークを醸成していくことで、SDGsを柱に地域貢献企業としてイノベーションを推し進める大川印刷さんのように、組織の土壌をますますしなかやかに耕して行くことができるのではないかと思います。



自律分散型組織を目指す第一段階は、「情報の見える化」です。
ぜひ皆さんの職場でも、自社のココロミに合ったデジタルツールを活用し、組織の成長段階を押し上げる第一歩として、情報共有と見える化を推し進めていただければと思います。

○○会社ES組織開発幹部研修第一回目を終えて

2018-09-03 21:53:29 | 組織開発・社風改革
○○会社の組織開発プログラムの今日は第一回目。

いままでのトップダウンから、自律分散型の組織をめざして
現場主義のお客さんに寄り添い働くことが楽しい組織を目指そうと
若い新社長の構想で始まりました。



新社長は先代と僕は違う。先代の社長はスーパーマン。
全ての構想を自分で考え意思決定し、そして社員をグイグイ引っ張って
業界を作り、リードしてきた。それは、すばらしいし尊敬している。

しかし、僕は、先代のようなカリスマ性はない。だが、これから
この会社を業界をさらに社会的な意義あるものしていこうという
思いは先代、いやそれ以上に僕はもっている。

僕はその思いを社員皆で分かち合いやっていきたい。
もっと働くことが楽しい会社にしたい。世の中に
必要とされる会社にしたい。




社長からの社員全員へのメッセージのもとまずは、幹部の意識改革から
ということで今回の組織開発プログラムは始まりました。


この会社のことは、雑誌やテレビなどでも知られていて、業界では
トップの、いや、この業界をつくった会社としても先代の社長の
存在は有名だ。

社長がお亡くなりになり、社員たちの哀しみ、経営への不安、迷いは
会場に入った瞬間の社員たちの様子からも伝わってくる。

新社長の期待に応えるべく、また、社員たちを安心させさらに、
飛躍する手ごたえを社員たちに伝え私自身も安心させたいと強く思う。



新社長からいわれた、矢萩さんの会社の「ES=人間性尊重経営」という
考えが気に入りました。ぜひ、その組織開発というあたらしい試みを弊社で
やってみたい。
私のような社長にはぴったりだと思う。

組織と個人の成長をスパイラルアップさせていくという
「成長」を組織の中心に据える人材開発でなく組織開発の
考えを是非!ということで始まりました。



新社長のためにも業界いや地域の為にも私自身出来る限りのことはやっていきたい。

いま、会社だけでなく業界自体も難しい局面で
あるが社会には必要な意義ある仕事であり、その技術はこれからの
社会にとっては必要なまだまだ伸びしろが大いにある分野だと私自身も感じる。
さあ、次回がたのしみだ。