中小企業のES=人間性尊重経営のパイオニア/有限会社人事・労務 ES組織開発・人事制度改革ブログ

社員の幸せ、職場の幸せを基準に経営を、社風を変えたいと本気で思っている社長さん・人事担当者の方へのエールをあなたへ!

自由で責任のある遊び方とは

2020-01-10 11:20:44 | 教育
こんにちは。有限会社人事・労務の井上です。

先日、世田谷公園内にある羽根木プレーパークへ行きました。
3歳の子供を連れての遊びは専ら公園遊びが多いのですが、近所の公園だけだなく遊具や遊びの充実している公園へは機会があれば連れていきたいと考えています。



羽根木プレーパークは、実際に足を運ぶと見たことのないような遊び場でした。
手作りしたかと思われる様々な木の遊具や廃材を利用して、子供たちが自由に触れられるのこぎりや金槌や釘があり、かと思えば近くでキャンプファイヤーができ、かたや一方では、練習後のサッカーチームの少年達が焼きそばを作っていました。

とにかく自由に色々なものに触れられる環境でした。
私自身も都内で生まれ育ち、経験したことないような場でした。

のこぎりや金槌や火を扱うなど、子どもたちには危険と思われる道具は家庭では極力手の届かないところへ置いたり、触れられないようにすることが多いです。

そこでは扱い方を間違えると大けがにつながるような道具や遊具も自由に手にもてて自由に使える…

そこには、プレーワーカーと呼ばれる大人が近くにおり、遊びをサポートしてくれるため、危険なことがあった時に子どもに寄り添い、遊びを止めようとする大人へ子どもの気持ちを伝えてくれたりなど、大人でありながら親子間だけでなく、また親とも異なる子どもとの距離の近さで子どもの遊ぶ環境を整えてくれます。

子どもと過ごすとき極力安全な場で怪我無く過ごせたらと思うことも多いですが、全く怪我無く過ごすことなどあり得ず、自我のある子にとっては親にいくら言葉で危険を知らされても経験しないと気が済まない性分でもあるため、このような自由で責任のある遊び方ができる環境であれば「危険かな」と思って触れさせないような物も経験になる遊びとして位置付けられているんだなと感じました。

その後はプレーパークにて、のこぎりを使って廃材を切った経験が自信となり、未知の道具であったのこぎりの使い方を知り、たまたま道端でのこぎりを使っていた人を興味深く眺めており、良い経験になったなと思いました。

私自身も子供には色々な経験をさせてあげたいという気持ちと、危険な物は触れないようにするという相反する想いが自由になったような気持ちでした。



社会の変化が激しく、未来の予測が困難な時代の中で、子供たちには、変化を前向きに受け止め、社会や人生を、人間ならではの感性を働かせて、より豊かなものにしていくことを期待して、2020年からは小学校より学習指導要領が変わります。

以下、新学習指導要領の内容です。

〈授業で学んだ知識から「何ができるようになるのか」という観点から、「知識及び技能」「思考力・判断力・表現力など」「学びに向かう力、人間性など」の3つの柱からなる「資質・能力」を総合的にバランスよく育んでいくことを目指す内容となっています。

「知識及び技能」は、個別の事実的な知識のみでなく、習得した個別の知識を既存の知識と関連付けて深く理解し、社会の中で生きて働く知識となるものも含むものです。そして、その「知識及び技能」をどう使うかという、未知の状況にも対応できる「思考力、判断力、表現力など」、学んだことを社会や人生に生かそうとする「学びに向かう力、人間性など」を含めた「資質・能力」の3つの柱を、一体的に育成することを目的としています。〉
(文部科学省 新学習指導要領webサイトより)




私自身も知識を多く持つだけでなく、それを活かして状況に応じて判断して、知識を生かして行動につなげていくことを重ねていきたいと心がけています。
その為には、失敗含めの沢山の体験を重ねていく必要があると感じています。
体験や経験から感覚として一つ一つの事柄がつながって見えることがあります。その見える面を増やしていく事が生きていくうえでの考える力につながっているように思います。

そのためには子どもとの関わりの中で、安全を第一に囲い込み経験をさせないのではなく、多少の危険であれば経験をできるようにし、経験を通して安全を知ることができるような遊びを共にしていければと思いました。

2020年謹賀新年。次世代を担う子どもたちへ働く豊かさを!今年も、よろしくお願いいたします。

2020-01-08 11:53:16 | 経営全般
あけましておめでとうございます。今年は、弊社も創業25年、四半世紀をなんとか生き抜いてきました。感謝申し上げます。



それにしても今年は昨年からもやもやしている働き方改革。まさに、私どもの社労士のフィールドで業界も沸き立っており、働き方改革そのものは賛成なのですがその政府の打ち出した背景に疑問を感じる日々。



働く人の格差は広がる
ブラックだ、パワハラだ
社長も残業、パワハラ言われるから怖いなあ
おまけに若い人はなぜ働くの?
うちの外国から来て働いている人、文化違うやめさせたい!
取引先からの価格交渉厳しい。企業間格差
                        などなど

まったくもって”働く”に幸せを感じない社会になっている気がする。



毎月訪問させていただいている児童養護施設の子供たちの訪問。
私達にとっては子供たちに会うのは楽しみでもありますが、一方で、年末年始休みにもかかわらず施設に子供たちがいるということは、お正月でも親元に戻れない子どもたちはいるわけで、どうしてこうなっちゃうんだろうなあとモヤモヤ。

そこで年末年始は経済のお勉強をしてみることに。
なるほど、お金が循環していないんだなあ。
資本主義がどうも制度疲労をおこしているようなんだなあ。

年末、共感資本社会の実現を目指す株式会社 eumo 新井社長と話した際も、お金は腐らなくなったため、貯め込むことができ極端に貯め込む人が増えてきて、時代とともに少しずつおかしくなってきてしまった。



つながりをお金で買うものだからつながりが分断されて人が幸福を感じない世の中になるなんて話していたのだが本当に実感する日々。

日本はすでに人口減少でこれ以上稼ぐのは基本的に難しい。
ならばどうするかというと、儲けようとすれば、グローバル経済を推進するか、移民などを受け入れて増やすか、実体経済ではむりだからバーチャル経済で稼いでいくしかないか。そうしないと資本家は納得しないからという話。



大丈夫かよ資本主義、という感じですよね。人を幸せにするのが経済でありその主体が会社なはずなのに日本全体がお金に依存しすぎてしまっている。だから、お金がないとどうして良いかわからない。特に私を含めて都会に住んでいる人はもうお金がないとどうしようもない。反省。

詳しくは、新井社長のこの書籍がおすすめなのだが、私は働くの分野でこの共感資本経済の分野に貢献していきたいと思っている。



働き方改革も幸福が大前提。生産性はそのための手段でその施策が働き方改革。
そこを無視してもお金だけでは、若い人を中心に働き方改革には参画してこないと思うし、中小企業はそんな施策をやっても大企業主導の働き方改革で企業格差、地方格差が広がるばかりでしょと。賢い人や会社は知っている。

哲学者の和辻哲郎は、人の幸せとは、“じんかん”にありという。
人は他人とのつながり、地域とのつながり、自然とのつながりからしか幸せを感じないのではないかと私は思っている。

10数年日光街道を歩くイベント(日光街道まるっと学び舎プロジェクト)をやってきて思うことは、電車で行けばたかだか数時間の距離を歩く。まわりの仲間と対話して歩く。自然と対話して歩く。地域の方々と対話して歩く。



一見面倒だが、その面倒なつながりからしか人は幸せになれないのではないかと思う。

つながりをお金で買い合理的になった分、人は働く意味を失う。人は生きる意味を失う。
幸せな感覚を失うのだ。

働く豊かさの追求。
よき仕事から、よき人、良き会社が社会に増えていく。そしてそれが循環する。
それは、私は農業を通して自然から学んでいるがまさに自然は偉大なり。

今年は、私もいよいよ50歳になり人生の意味をまわりからたくさんの気付きを
頂いている。
少し半生を振り返ってみる。
25周年。
今年は、活動を融合させていこうと思う。

農業から学んできた自然。
日本ES開発協会の活動を通して日本の未来の働くを考える
そして本業の組織とはなにか?

この「自然」「働く」「ES組織」の3つの融合をこれから更に追求していこうと思う。

共感資本経済とSDGsそしてティール型組織。
天人合一、修己治人を25年前に掲げて活動した日々を再度振り返り未来へどんなエネルギーを弊社が放つことができるかを投げかけていこうと思う。



資本主義を否定するのでなく、対極につながりの経済をおいてみる。そんな楕円思考を実践していきたい。

ラグビーワールドカップから考えるこれからの組織のあり方

2020-01-07 09:50:45 | 組織開発・社風改革
(有)人事・労務、社会保険労務士の畑中です。
2019年はラグビーワールドカップが日本で開催され、とても盛り上がりました。学生時代にラグビーをやっていた者(といっても真剣にやったのは高校3年間だけなのですが)にとっては、なんだか自分も少し認められたようでうれしかったです。



ラグビーは、よく言われているように、15のポジションがあり、それぞれの適正が全く違います。例えば、スクラム最前列のプロップ(1番・3番 稲垣や中島イシレリ)は重く、力強い選手、ロック(4番・5番 トンプソン)は、背が高く力強い選手、スクラムハーフ(9番 田中や流)はすばしっこく、持久力のある選手、ウイング(11番14番 福岡や松島)は足が速く決定力のある選手、といった感じでしょうか。

おもしろいのが、ポジションによってなんとなく性格の傾向もあるのです。これは完全に私の主観ですが、例えばプロップ(1番・3番 稲垣や中島イシレリ)はあまり表にでしゃばらず、ひたすら周りを支える。縁の下の力持ち。ほめられてもいつも謙遜しているようなタイプ。フッカー(2番 堀江)は明るくみんなの盛り上げ役。また、選手間の潤滑油的な性格。フランカー(6・7番 リーチマイケル)は、ひたすら献身的に仕事をするタイプ。みんなに公平でいいやつが多いです。ナンバーエイト(8番 姫野)は、人望がありいつも冷静で、みんなの先頭にたって引っ張っていける選手。スタンドオフ(10番 田村)は、頭がよく論理的。周りの意見をききつつも我が道を行くタイプ。ウイング(11番14番 福岡や松島)はとにかく集中力がある職人で、良くも悪くも自分の仕事だけに没頭するようなタイプ。



ワールドカップ期間中は、職場を見渡しメンバーの体格や性格をみながら「この人はナンバーエイトタイプだなあ」など、たまに考えてニヤついてました。
今回、ラグビーが人気がでたのは、もちろん日本代表が活躍したということがありますが、見た目も含めて選手が個性的で多様であったことが、今の時代にマッチしたからではないでしょうか。特に若い人は、自分のやりたいことを無理してやるのではなく、皆が同じようなことも無理してやらず、自分の個性や自分の信念が活かされる場所で働きたいと思っている人が多くなってきているように思われます。会社はそのような個人が活かされる場を作っていかなければならないでしょう。ただ、そこには皆でお互いをカバーしあう、という精神がなければなりません。

今回、私は横浜でスコットランド―アイルランド戦、日本―スコットランド戦を見ることができました。実際にスタジアムで試合を見てとても驚いたことがあります。私がラグビーをしていたのがちょうど昭和から平成に変わるころでした。そのころのラグビーはもちろん今と同じ15のポジションがあったのですが、それぞれの役割がはっきりと決められていました。私はフッカー(スクラム最前列2番)をしていたのですが、試合中にラインアウトの投入以外にボールを持つことはほどんどありませんでした。フォアード(1番~8番)は、パスやキックをせずに、スクラムやモール、ラックでバックス(9番~15番)にボールを出す。逆にバックスはボールを回したりキックをするだけで、モールやラックに入ってくることはない。これが常識でしたし、実際に役割以外のことをすると監督や先輩から怒られたりしました。それが、今のラグビーをみていると、それぞれ専門の役割をこなしながらも、他のポジションの役割もできるように鍛えられています。フォアードのメンバーも全員パスがうまいですし、バックスもモールやラックに参加するのは当たり前です。一人3役、4役をやっています。これは日本代表だけでなく、高校ラグビーを見てもそのように進化しています。私の時代では考えられない運動力と仕事量です。



これからの時代、本当の強い組織はこうなのだと思いました。一人一人が自分の特性、強みを持ち、それを活かせるポジションについている。しかし、それだけでなく常に周りをみながら自分の専門でない仕事も必要に応じてカバーして、全体での最適を常に目指している組織です。日本対スコットランド戦で、オフロードパスをつないで、プロップの稲垣が最後にトライをしたのは象徴的だったと思います。

私たちの時代はしばしばフォアードとバックスでいさかいがありました。フォアードは「俺たちが何度体をはってボールをだしてもトライをとってくれない」と言う。バックスは「フォアードから、ここぞといういいタイミングでボールが出てこない」と反論する。さらに各ポジション別にも、それぞれの役割がはっきりしているだけに、お互いに「自分はしっかりやっているのに、なぜもっとこうしてくれないのか」ということはよく言いあっていました。残念ながら、その時に自分の役割以外のことをやるという発想は少なかったように思います。多様なポジションはあったのですが、「分業システム」だったのでしょう。

これまでの日本の会社はピラミッド型組織であり、優秀な人材というのは(もちろん多少の個性はあるのでしょうが)こういう能力を持った人というのがおおよそ決まっていました。しかしこれからの時代、いわゆる典型的な「優秀な人材像」というものはなくなるのではないでしょうか。一人一人が自分の得意分野、やりたい分野についてはしっかりと力をつけ、組織がそれをうまく結びつけていく場をつくることで、すべての能力を活かされる時代がくるように思われます。それは決して分業システムでなく、全員が活かされるフラットでグラデュエ―ション的な組織のように思います。



南アフリカの優勝で終わった今回のワールドカップですが、その表彰式で普通のスポーツでは考えられない光景があったことにお気づきの方はどれくらいいらっしゃるでしょうか?

表彰式でメダルは、出場した選手だけでなく、控えに回った選手、そして、監督やコーチ、チームスタッフや審判にも渡されていました。もうプレーできなくなった私(48歳)でも、ラグビーワールドカップ優勝メダルをもらえる日が来る可能性はゼロではない・・・かも。