近畿旅客鉄道 佐倉線

明日の鉄道員を夢見る男の物語

並行在来線問題について…

2011年04月26日 | 10番線:社会論議室

皆さんは「並行在来線」という言葉をご存知ですか?
これは新幹線の開業時に既に存在する路線で呼ばれる名前の事です。

「大した問題では無い」と考える方もいるかもしれませんがこれは非常に重要な問題です。

原則として並行在来線は新幹線の開業時にJR線から切り離されます。
(この時に沿線自治体は路線経営を存続するか廃線の何れかを選択する必要があります。)
しかし何故、並行在来線はJR線から切り離されるのか?そこには2つの理由が存在しました。


1つ目は並行在来線の殆どはJR線時代から赤字路線だという事です。
新幹線開業前には特急列車が運転されていましたが、開業後は新幹線に役目を託す形で運転は打ち切られます。
分かりますよね?「殆どの乗客は新幹線に流れると言う事は普通列車の利用は殆ど無い。」という事です。

しかし新幹線開業後も一定の利益が見込める一部区間ではJR線が存続して経営を行う場合もあります。
(これは信越本線の篠ノ井駅~長野駅、鹿児島本線の川内駅~鹿児島中央駅などの区間が該当します。)


2つ目は平成2年に可決されたある法案の中に存在しました。
それは「新規に新幹線を建設する場合は並行在来線を自治体が引き継ぐことが条件」という内容です。
この法案は「新幹線を建設する代わりに赤字路線を押し付ける」という自治体にとって非常に理不尽な物です。
(上記で述べた様に一定の利益の見込める区間は引き続きJR線が経営を存続します。)



そしてこの「並行在来線問題」を解決するかもしれない画期的な解決策が数年前に一部の間で話題となりました。
それは10年後の開通を目指して2007年頃に着工した長崎新幹線(武雄温泉駅~諫早駅間)で出された物です。

これまでの並行在来線との最大の相違点は「新幹線開業後も最低20年間は引き続きJR九州が経営を担う」という点です。
また現行本数の普通・快速列車の運転の他、特急列車も朝夕の一部列車に限っては運転が存続されます。


数年後にも開通予定の北陸新幹線や北海道新幹線ではどの様な解決策が行われるのか…?今後の動きに注目です。


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