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ジェイエスピー社員が綴る日替わりブログ

人工知能

2014-01-20 08:25:40 | 日記
 ソフトウェア開発業界の人の話には、元々英語だったのか和製英語なのかわからないカタカナ言葉が溢れかえっている。しかもそれを短縮してしまうことも多いので、別業界の人には何を話しているのかさっぱり、ということになる。例えば「レガシーシステムをバックエンドに置いたクラサバをウェブに置き換えることになり、ユーアイだけエッチティーエムエルファイブに置き換えてビジネスロジック部分のコボルはそのままジャバにコンバートして使うことになった」と言われても一般の方が内容を理解するには追加の説明が相当必要だろう。にもかかわらず、どっぷりとその中に浸かっていると、誰もが自分たちの使う言葉を知っているものだと思い込んでしまう。どの業界でも似たようなものだと思うが、特にITの業界の人はひどいような気がする。自戒しなければならない事項だろう。
 
 とはいえ、新鮮な響きを持った言葉が好きなのはIT業界人に限った話しでは無い。スマートフォンが急速に普及した影響でIT業界用語もITとは遠い所にいた方々にも少しずつ普及しつつあると言えなくもない。
 
 だから、というわけではないが、今は聞き慣れないがそのうちあちこちで聞くようになるかもしれない言葉の一つ「ニューロモーフィックチップ」を話題にしたい。脳神経を模したコンピュータシステムはかなり以前から作られていたが、ずっと主にソフトウェアで脳神経(ニューロン)のネットワークをシミュレートする方式が取られて来た。ところが昨年夏、スイスの大学と米独の学者たちがこれをマイクロチップ化する技術を開発したと発表してニュースになった。この研究は多くの企業や大学で思いのほか急速に実用化に向けた研究や実験が進んでいるようで、そう遠くない将来、多くのコンピュータシステムの中核を成す、前述した例に出て来たいわゆる「ビジネスロジック」の部分の開発スタイルを大きく変えることになるかもしれない。
 
 要するに、ある条件の情報が発生した時にどうすべきかを「判断する」部分の機能を指して業務システムでは「ビジネスロジック」と呼んでいるわけだが、業務の中で対応を判断するためには、業務自体に対する理解と経験が必要とされる。現在のシステムでは、お客様の持っている理解と経験、いわゆるノウハウをシステムエンジニアが聞き取ってプログラムを書き、コンピュータに乗せて運用している。「ニューロモーフィックチップ」を利用することになると、ノウハウはノウハウのまま、プログラムを書くのではなくチップに学習させる方式でシステム化することになる。
 
 ソフトウェア開発の困難さは業務が複雑になればなるほどプログラムをたくさん書かなければならず、そのための要員が多数必要となり、コミュニケーションが破綻してしまうところにあった。その最も人数を必要とする難しいプログラムの核心部分こそ「ビジネスロジック」である。それを「ニューロモーフィックチップ」を利用することでプログラムレスでよくなると、大規模なソフトウェア開発の困難さは大幅に軽減すると考えられる。昔はちょっとしたエンタープライズシステム開発に数百人も必要としていた、と言う話が驚きの昔話として語られる日が来そうだ。もちろんコンピュータシステムの開発だけが少人数でよくなるわけではない。たった今、大勢の人手をかけてやっている仕事の多くは、かなりコンパクトなチームで実施出来るように変わって行く。つまり、非常に社員数が少ない大手企業が増加する、ということだ。代わりに「ニューロモーフィックチップ」を組み込んだ人工知能システムがかなりの数働いている、そんなことが考えられる。人の仕事にはこれまで以上に増々創造性が要求されることになろう。頭を柔らかくする訓練はすぐに始めたほうが良さそうだ。(三)
 

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株式会社ジェイエスピー
  横浜に拠点を置くソフトウェア開発・システム開発・
  製品開発(monipet)、それに農業も手がけるIT企業
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