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大雨の翌朝に

 大雨が降った翌朝は、家の近くの川底に訳の分からぬ物が沈んでいることがよくある。夜半の大雨から一夜明けた昨日の朝も、橋の上から川面を見たら、何枚も銀板が沈んでいるのを見つけた。
「何だ?あれは・・」

 

 ずいぶん下の方まで続いている。直径30cmほどなので、きっとレーザーディスクなんだろう。橋よりも上流には一枚も落ちていないので、この橋の上から投げ捨てたのだろうか。だが、昨夜の雨は相当激しかったので、川の流れも急だったはずだ。橋の上から投げて、真下に沈んでいるとは考えにくい。ならば、もっと上の方から流れてきた物が、たまたまこの橋の近くで底に沈んだのだろうか・・。なんだかよく分からないが、ミステリーというほどでもない。たまたま川が増水したのを見て、処分に困っていたディスクを勿怪の幸いとばかりに捨てた不届き者がいた、というだけのことだ。でも、ふざけたことをする。川をゴミ捨て場だと思っている輩が、まだ私の近くに住んでいると思うとがっかりしてしまう。
 だが、落胆していても何にもならない。とりあえずは川底からディスクを拾ってくるのが先にすべきことだろう。委細はその後だ。

 長靴とゴム手袋で身を固めて、いざ川へと下りていった。以前何度かこのブログにも書いたことがあるが、市内を流れるこの川がこれほど透明になったのはここ10年ばかりのことだろう。私が小さな頃は陶器工場から流れ出る廃液で、どろどろに汚れていたいたのだから、まさに隔世の感がある。今でも時々増水に便乗して廃液を流す不心得な工場もあるが、おおむねきれいな状態を保っているから、こうした廃棄物を見つけたりすると驚いてしまう。
「まったく困った奴がいるもんだ」
などとブツブツ唸りながら、ディスクを集め始めた。

  

 手にとって見ると、収録作品の名前が貼り付けてあるもディスクも何枚かあった。「ガンダム」「宇宙戦艦ヤマト」「パトレーバー」・・・・、アニメばかりだ。ディスクを収めるジャケットやレーザーディスクのプレーヤーの説明書もあった。光を反射して虹色に見えるディスクはきれいだが、こんなにたくさんのディスクを捨てた輩の荒んだ心までは映し出してくれない。
「もったいないことをするもんだ・・」
拾い集めているうちに、寂しい気持ちになってしまった。


 一通り見える物は全部拾い集めてきた。塾舎の前に並べて数えてみたら、ディスクは21枚もあった。中には割れてしまったものも何枚かあったが、ほとんどは無傷のように見えた。はたして映るのだろうか?私はレーザーディスクのプレーヤーなど持っていないので確かめようはない。このままゴミとして処分するしかないだろう。
 だが、どうやってゴミに出せばいいのだろう?不燃物?資源ごみ?それとも普通のゴミと一緒に出してもいいのかなあ・・。
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