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AC

 東日本大震災の発生以来、テレビはほとんどNHKしか見ていない。やはり緊急時はNHKの報道が一番信頼できるような気がして、民放はまるで見る気がしなかった。だが、妻から「民放のCM、ACばかりだよ」と教えてもらった時から、妻の言葉を確かめる意味もあって、時々は見るようになった。
 このACという団体、「広告を営利目的のためでなく、公共のために役立てようと、全国の企業が集まった団体です。広告を通じて住みよい社会作りに貢献することが、私たちの願いです」なのだそうだが、妻が言った通り、震災後あまりに度々CMが放送されるため、苦情が殺到したのかもしれない、「お詫び」まで出したそうだ。
 確かに少々説教くさい内容のCMが多く、あまりに何度も繰り返されると食傷気味になってくるが、それでもやっぱり心に残るCMが多い。特に、
  心はだれにも見えないけれど『こころづかい』は見える。
  『思い』は見えないけれど『思いやり』はだれにでも見える。
というナレーションが入るCMは、被災した人々の苦難が思い浮かんできて、何か少しでも役に立つことはできないか、という思いに駆られる。


 この言葉、CMの最後に小さく出ているように、宮澤章二という人の「行為の意味」という詩から引用したものだ。私はこの詩人のことをまったく知らなかったので調べてみたら、全文が見つかったので、以下に載せてみる。

 「行為の意味」
  -あなたの〈こころ〉はどんな形ですか
  と ひとに聞かれても答えようがない
  自分にも他人にも〈こころ〉は見えない
  けれど ほんとうに見えないのであろうか

  確かに〈こころ〉はだれにも見えない
  けれど〈こころづかい〉は見えるのだ
  それは 人に対する積極的な行為だから

  同じように胸の中の〈思い〉は見えない
  けれど〈思いやり〉はだれにでも見える
  それも人に対する積極的な行為なのだから

  あたたかい心が あたたかい行為になり
  やさしい思いが やさしい行為になるとき
  〈心〉も〈思い〉も初めて美しく生きる
  -それは 人が人として生きることだ


いい詩だ。涙があふれてくる・・。


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