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卒業式の中止

 早稲田大学のHPのトップに「早稲田大学2010年度卒業式・大学院学位授与式の中止について」のお知らせが3月17日の日付で載せられた。
                           
『学部卒業生、大学院学位受領者および芸術学校卒業生の皆さんへ

 東北地方太平洋沖地震等から生じた被災によって、大変多くの方々が甚大な被害を受けられたことに全学生、教職員は大きな悲しみに包まれております。まだ安否が不明の方々が、一刻も早く無事の確認ができますことを心より願っております。

 現状では、計画停電による交通機関の混乱により、当日の出席に多大な支障があることが予想され、また余震もいまだ活発に続いており、多数の卒業生および関係者が一堂に会することの危険性を軽んずることができないことから、3月25日、26日に記念会堂で予定していました2010年度卒業式・大学院学位授与式を中止することにいたします』

 慶応大学などの他大でも卒業式が中止になったのを知った妻が、「早稲田もきっと中止になるよね・・」と私に言ってきたのが17日の昼ごろ。「そりゃ中止だろう」と誰もが思うことを答えたら、夕方にはこの発表があったそうだから、当然と言えば当然の措置だろう。もちろん卒業生たる息子には残念な決定だろうが、どんな不測の事態が起こってもおかしくない現今の状況下では、至極まっとうな措置だろう。
 だが、息子はこの前の日曜から卒業旅行に出掛けていて日本にいない。地震が起こった時は東京にいて、「死ぬかと思った。あれほど真剣に机の下にもぐったことはなかった」と後で電話で教えてくれた。そんな怖い思いした地震直後は、旅行をどうしようか迷ったようだが、「日本にいるよりも外国のいた方が安全かもしれない」と、私たちは行ってくるように勧めた。息子も楽しみにしていた旅行だから、私たちの励ましを受けて出発することに決めた。ただ、問題は成田までの電車が動くかどうかだったが、何とか動いてくれて、ぎりぎりで旅立つことができた。
 今はどの国にいるのか私は知らないが、携帯電話は繋がるようで、妻が電話をして卒業式の中止を伝えた。日本の現状は、外国にいてもある程度伝わっているようで、「それは仕方ないよね」と冷静に答えたそうだ。実のところは、卒業式に参列することを随分前から楽しみにしていた妻の方が残念そうだ・・。

 「卒業式がないのなら、帰国したらそのまま我が家に戻ってきたらどう?」と妻は誘ったそうだが、4月から社会人になる息子はどう判断するだろうか。私たちとしては、福島原発の問題が落ち着くまでは、なるべく長くこちらに退避していてほしいのだが・・。
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