平成22(行ケ)10291:
請求棄却
争点は容易推考性の有無。裁判所の判断は10ページ以下。
本判決は、引用発明の不揮発性メモリセルの構成を、不良アドレスを記憶する不揮発性メモリ回路のメモリセルとして用いる場合は、そのための適宜の改変は当然行われること等を理由として、容易推考性を肯定した。
最後に、争点が、「容易推考性の有無」とされていることの意味について考える。この点、通常は、進歩性に . . . 本文を読む
標記決定の骨子は以下の通り。
①「公正ナル価格」の意義
産業活力再生特別措置法12条の3第2項及び第3項、旧商法245条の5第3項によれば、営業譲渡に反対した株主は、一定の要件の下、会社に対して、自己の有する株式を「営業ノ重要ナル一部ノ譲渡ニ係ルル契約ナカリセバ其ノ有スベカリシ公正ナル価格」で買い取るべきことを請求できることを定めているが、この制度は、会社が営業 . . . 本文を読む
標記高裁決定のポイントは以下のとおり。
① フェアネス・オピニオンとは、一般に、第三者機関が、組織再編や公開買付の当事会社に対し、買収価格や統合比率について、企業の財務的見地から公正であることを意見表明するものであるところ(甲81)、みずほ証券の算定書及び大和証券SMBCの算定書においては、いずれも「本件株式交換の公正性について何ら意見を表明するものではありません」としてフェアネス・オピニオンは . . . 本文を読む
標記決定の骨子は以下の通り。
① 株式交換完全子会社の株主による株式買取請求の趣旨
会社法785条1項は、株式交換に反対する株式交換完全子会社の株主は、同社に対し、自己の有する株式を「公正な価格」で買い取ることを請求することができる旨を定めている。これは、株式交換完全子会社の株主は、株式交換においてその有する株式を取得されて対価を交付される立場であって、株式交換自体により同社の企業価値が毀損さ . . . 本文を読む
標記決定の骨子は以下のとおり。
① 「公正な価格」の決定は裁判所の裁量。
② 吸収合併消滅会社の株主に対する株式買取請求権の趣旨
吸収合併消滅会社の株主は、吸収合併によりその所有する株式を取得される立場にあり、吸収合併自体により同社の企業価値が毀損されたり、又は、吸収合併の条件が同社の株主にとって不利であるために、株主価値が毀損されたり、合併から生じるシナジーが適正に分配され . . . 本文を読む
標記事件の田原補足意見について
注目点は以下のとおり。
① 裁判所の裁量を担保するものは、個別事案に関しては、幅広い資料の開示、一般的には事例の集積による比較検討。
② 理論面においても、「公正な価格」の算定方法について、更に深化した議論がなされることを願う。
以下、コメント。
①は異論ない。事例の集積のためには、株式買取請求を特別の非訟事件として、東京又大阪の専属管轄とした上で地裁・高 . . . 本文を読む
近時、標記の件につき、最高裁判決がなされました。
多数意見の骨子は、以下のとおり。
① 株式買取請求権の趣旨
反対株主に対して退出の機会を与えるとともに、退出を選択した株主には、吸収合併等がなされなかった場合と経済的に同等の状況を確保し、さらに、吸収合併等によりシナジーその他の企業価値の増加が生ずる場合には、株主にこれを適切に配分すること。
② 判断手法
価格の決定は、裁判所の合理的な裁 . . . 本文を読む
改正特許法においては、通常実施者は、登録なしに、その発生後の特許権の譲受人等に対して効力を生じる。この場合におけて、譲渡人、譲受人、実施権者の法律関係の帰趨については改正特許法には規定がなく、解釈に委ねられている。
この点、大別すると、譲渡人の契約上の地位が譲受人に移転するという見解と移転しないという見解があり得る。筆者は、後者を支持する。以下、後者の見解に立った場合の法律関係について検討する。 . . . 本文を読む
平成22年(行ケ)10401:
請求棄却。
本件は、意匠無効審判請求不成立審決について取消を求めるものです。
裁判所の判断は18ページ以下。
裁判所は、類否判断について、差異点1ないし3は顕著な特徴であり美感に大きな影響を与えるものであり、差異点7についても美感に影響を与えるものであるとして、全体として美感が異なると判断しました。
また、美感に与える影響が大きいことの理由として、需要者が . . . 本文を読む
これまで読んだ三国志の中では抜群に面白い。
単なるハードボイルド風三国志ではなく、背後に、国家観がある。それは、血統の継続性をどう見るかだ。これを肯定するのが、劉備であり、否定するのが曹操という構図。そして曹操の参謀の旬は前者というねじれがある。孫策は明らかに前者だが、孫権の立場は不明確。
また、人物像も際立っている。特筆すべきなのは、張飛。単なる暴れん坊ではなく、劉備のために敢えて粗暴にふ . . . 本文を読む
本年5月6日、総理大臣から中部電力に対して、浜岡原発の運転停止要請がなされ、大きな波紋をよんでいる。
論点は二つだ。
第1は、浜岡原発の安全性である。一連の原発訴訟の判決によると、原発の安全性とは絶対的安全性ではなく、相対的安全性であるとされてきる。つまり、起こりえる最悪の事態に対しても、原発事故による災害発生の危険性を社会通念上無視できる程度に小さなものに保つことが「安全」の意味であり、およ . . . 本文を読む
冒頭は、野坂昭如との対談。司馬さんは、土地公有化論を主張される。理由は、土地が不合理な投機の対象になっているから。
2番目は石井先生との対談。日本では納税の意識と所有の意識がつながっているが、ヨーロッパではそうではないらしい。信託制度と関係ありそう。
3番目は高橋裕先生との対談。司馬さんは信長を天才と評価しています。理由は、大航海時代に乗ることが近世を開く唯一の扉と直感したから。また、国土の設 . . . 本文を読む
1 設立
仮装払込みについて、「会社資金を確保する意図の欠如」についてのガイドラインの必要性が指摘されている(66)。最低資本金制度が廃止されたことを考えると、資本金相当額が十分な弁済資力を有する発起人に対して貸し付けられた場合など実質的に見て債務超過にならないときには、「会社資金を確保する意図」があると考えて良い。
2 株式
105条2項の反対解釈として、完全無配当株式も認められるとの解釈 . . . 本文を読む
平成22(行ケ)10194:
請求棄却
本件は拒絶査定不服審判不成立審決に対して取消を求めるものです。
裁判所の判断は11ページ以下。
本判決は、フラットケーブルを用いる回転コネクタにおいて、ローラと内筒部や外筒部との間の半径方向におけるクリアランスを小さくすることは、周知の技術であったと判断した上で、引用発明に周知技術を適用して、「中間部分を巻き返したフラットケーブルを有する回転コネクタ . . . 本文を読む
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