1分で読める小さなお寺の法話集

子育て、人材育成に関する法話を実話と歴史から紐解いて書いております。

【住職の法話。考え方を少し変えるだけで、苦しい人生が、楽しい人生に】 投稿写真は、今は亡き、会社の会長さんから寄贈された達磨大師。拙僧の爺様(明治生まれ)にそっくり。檀家さんにも愛されております。

2023-01-16 06:41:27 | 法話
読者70代男性が「住職のお寺に『これは』という彫刻などは、ありますか」と。「拙僧が個人的に気に入っている物はありますよ。もう亡くなられましたが、某会社の会長さんから『私のお気に入り、これをお寺に寄贈する』と頂いた『達磨大師』の彫刻ですかね。わが寺の宮大工棟梁(現在98歳)が『これは、柘植(つげ)の根じゃないかな。この大きさの根は珍しいぞ』と。この達磨さんは、肩から上の彫刻(添付写真)で、手足がないので、身体の不自由な檀家さん達が『あなた様も私と同じく、不自由をながらも頑張っておられるのですね』と、親近感を抱かれて、頭やお顔を撫で回して、心身の健全を願っておられます。お陰で達磨さんは、テッカテカ、の、ツルッツル。

因みに、彫刻と言えば、わが寺の本堂入り口の龍神(縦70センチ、横300センチ)を彫られた彫刻師さんが『わしはただ、楠(材木)の中に埋もれてあった龍を、丁寧に掘り出しただけじゃよ』と言われておりましたね。この言葉には深みがありますよね。人間も国もあらゆる組織も、その中にあって掘り出せてない物(気付いてない物)が、まだ、沢山ありそうですもんね。宝の持ち腐れにするか、しないかは、自分次第かな。

掘り出し物と言えば、こんな話も。もう50年以上前の事ですが、拙僧の父が住職だった頃、60歳過ぎの檀家男性が父に「先日、偶然、離婚した元妻の姿を街で見かけ、悪いと思いましたが、その後を付けて彼女の家まで。古いアパート住まいで、とても裕福な暮らしには。その後も何度か、元妻の家へ行き、遠くから彼女の姿を。どうも、今でも独り身の様で。私達の離婚原因は、子宝に恵まれなかったこと。妻は責任を感じ、自分から身を引いて。その後、親戚中から『再婚しろ』と採算言われましたが、とうとう私も独身のままで、今日まで。再会以来、頭から元妻の事が離れなくて。『迎えに行こうか』と、何度も考えましたが『この人(妻)の人生に、もう、私は登場しない方がいいのではないか』とも。住職(拙僧の父)は、どう思われますか」と。「奥様には、新たな家族はおられないんでしょ」「はい」「じゃ、迎えに行かれたら、どうですか」と。「受け入れてくれるでしょうか」「さあ、どうでしょうね」と父が。結果は、今、同じお墓の中で眠っておられます。調べる手立てがない時は、子供が授からないは、一方的に女性の責任と決め付ける理不尽な時代があったですもんね。この様な類似の話は、拙僧の時代でも、何度か相談を受けました。

次の投稿法話は、2月15日です。投稿写真は、わが寺の達磨大師。