拙僧が3歳の頃から、可愛がってもらった檀家(行年82歳女性)さんの33回忌法要を昨日、お寺で。この女性の生き様は、拙僧や拙僧の子供達(家族)に『お寺で生活をさせてもらうとは、どういう事か』の多大な教えを与えてくれました。
拙僧、大学を出て間もなしの頃、この檀家女性の家の仏壇参りのお役を、父から頂きました。伺うと、陽の当たる窓際に水を入れたヤカンが。「おばちゃん、これ、何をしてるの」と尋ねると「そうしておくと水が温もって、多少はガス代の節約が。私は年金が6万円ほどしか。市営アパート代、病院代、日々の生活費と、少しでもどこかで節約しなきゃ。この世を立つ時(葬式)、仏さんのただ使いは出来んじゃろ」と拙僧に。
また、ある時は、お寺の本堂にある賽銭箱に、涙を流しながら、頭を深々と下げて、お賽銭を打つ姿が。「おばちゃん、どうしたの」と尋ねると「英照(拙僧の僧名)さん。お賽銭を入れる事が出来るという喜び、あなたにはわからんだろうね」と。
この女性の話(生き様)を拙僧は、子供達に度々、話して聞かせていました。「この様な檀家さんの尊いお金で、父さんら家族は生活をさせてもらっている。お寺に供えられるお金(お布施)は、国でいうところの血税と同じ。決して無駄遣いをしちゃならん。父さん(拙僧)は、住職とはいえ、お寺から給料で雇われている身。『俺が働いたお金だから、お寺の収入は全て、俺が勝手に使っていい』と、勘違いしてる住職さんも少なからずいるが、そうじゃないんだよ」と。
この檀家女性の話は、お金にルーズな檀家さん達にも、自分達の生活態度を戒めてもらう為に、話をさせて頂いております。それを教訓に出来る、出来んは、本人次第ですが。お金にルーズ、周囲に迷惑を駆け回っている檀家さん達に「お金は使えばなくなるって、知ってるかい。月に1万円貯金すると、1年で12万円、10年で120万円も貯まる。月に2万円だと、10年で240万円。月に3万円だと、10年で360万円に。みんなそうやって、堅実的に生きてるんだよ」と。中には、ほぼ毎日、夫婦で外食し「お金がない、お金がない」と、人に借りまくっている夫婦が。勿論、そんな夫婦だから、他でも浪費を。その夫婦に「2人で外食すれば、1回で約2000円。月に20日外食すれば、4万円に。半分我慢すれば、月に2万円は貯金が出来るでしょ」と言っても、聞く耳なし。今では、誰も相手にしなくなった。人を頼ってばかりいる人間を、人はいつまでも助けてはくれない。人は教えられても、身に付かない。人は気付かないと、身に付かないですもんね。周囲も、こういうお金にルーズな人達を、本気で立ち直らせようと思うなら、心に鬼1匹を。
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投稿写真は、わが寺の本堂内陣。次回の投稿法話は、3月10日です。
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