小説 「火の島」は真っ白な中に赤字で火の島とだけかかれ、その左に
石原慎太郎と書かれた装丁でシンプルな本です、(500頁余)
東京都知事であり、エッセイ、小説などももののする石原慎太郎氏です、
好き嫌いは別として、やはり政治家としても作家としても現役謳歌です。
東京都三宅島が「火の島」としての舞台で、主人公の出会いの場です。
燈台守の子ども(5年生の礼子)と漁師の息子(中学生の栄造)が、雨天
体操場での礼子のピアノの譜面まくりをしたことがきっかけで、ほのかな
恋心を持つ二人(その時は気づかないが)。
島のいたずら坊主に譜面を取られ、奪い返そうと、取っ組み合い、事故で
頬に大きな傷をもつ栄造、島の噴火の際にも必死で助ける栄造です。栄造に
とっては、”永遠の存在”であり美しく可憐な礼子は守るべきものとして夢を
持つ。
しかし二人を隔てたのは島の大噴火で溶岩の流れが火の河となり栄造の
父と兄は死んだ。母と栄造は島を離れた。
30年余りが過ぎ、礼子は大手ゼネコンの社長夫人となり音楽財団の
仕事にも関わり海外の有名な演奏家も招き音楽会を持つ。
他方、栄造はやくざの世界に身を落とし、建設会社も設立する。そして
礼子の会社の脱税事件をネタに揺さぶりをかけ、念書をめぐって、自ら
重役へと・・・・礼子の会社の・・・
交渉役に起用された礼子は栄造と逢い、30年の年月は一度に狭めら
れ燃え上がる。官能小説とまでは??(かつて石原氏は「太陽の季節」で
衝撃な描写をしている)しかし純文学の範囲内でしょうか・・・・
最後は二人して手に手をりと海外に逃亡と・・・・その前にもう一度
二人が出合った思い出の地三宅島へ そこで・・・・・
やくざでありながらやくざになりきれなかった栄造と礼子の「純愛」
すら感じさせられました。