今日のシネマ
2008年 日本/オランダ/香港 合作
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ご存知の通り、今月公開予定の 『スパイの妻』 が
第77回ベネチア国際映画祭コンペティション部門で銀獅子賞(最優秀監督賞)を受賞しました
ハテ・・・私ったら黒沢清監督の作品を今まで観たことがあったかしら、と
何本かリストに入れ、最初に届いたこの作品をまず鑑賞
これは、第61回カンヌ映画祭でも、「ある視点部門審査員賞」を受賞しています
”東京のごく普通の家庭の崩壊と再生を描いたホームドラマ” とうたわれていますが
こういうテーマの作品てドラマも含めて今まで観た気がする・・・
でも、なんだろう・・・この感じ・・・
本当に、どこにでもありそうな ”ごく普通の” 家族なんだろうか??
家族に起きる一つ一つの出来事は、決して珍しいことではないかもしれない
お父さん(香川照之)はリストラに合うが、それを妻(キョンキョン)に伝えられず、
長男(小柳友)はアメリカの軍隊に入ると言い出し(これはちょっとどうなの、って思った・・・)
二男(井之脇海)はピアノを習いたいけど、父に反対されたから
親に黙って学校の給食費をピアノの月謝にして勝手にレッスンに通い始め・・・
ん? って私が思ったのは、キョンキョン演じるお母さんです
いつもすごく冷静に対応するわけです
淡々とね・・・
決してヒステリックになったりせず、家族を俯瞰するかのように見つめる母
これがきっとこの映画のトーンなんでしょうね
崩壊 も 再生 も決して嵐にはならず、静かなさざなみのごとく過ぎていきました
だからこそ、役所広司 登場のシーンがものすごく異質に見えてしまって、
あれは本当にあったことなのだろうか、とかなり心に残りました
12年前の作品ですから、太鳳ちゃんも海くんもまだ子どもですが
特に海くんの演技はすごく印象に残りました
ちょっと作品とは逸れますが・・・
例えば、夫が会社でいきなりリストラに合ったとします
それってそのことを妻に伝えられないものなんですかね
最初に嘘をつくと、それを取り繕うためにまた次の嘘をつき、
結局はどんどん自分を追いつめていくことになると思うんですが・・
うちのパパさんなら 絶対に私に言うと思うんだけどなぁ
でも、それって、私がそう思ってるだけだとしたら・・・
怖い・・・
『スパイの妻』 楽しみです