今日のシネマ
2018年 レバノン
長編デビュー作「キャラメル」が高い評価を得たレバノンの女性監督ナディーン・ラバキーが、
貧しさゆえに親からまともな愛情も受けることができずに生きる12歳の少年の目線を通し、
中東の貧困・移民問題を抉り出した人間ドラマ。
中東の貧民窟で暮らす12歳のゼインは、
貧しい両親が出生届を提出していないため、IDを持っていない。
ある日、ゼインが仲良くしていた妹が、
知り合いの年上の男性と強制的に結婚させられてしまい、
それに反発したゼインは家を飛び出す。
仕事を探そうとしたがIDを持っていないため職に就くことができない彼は、
沿岸部のある町でエチオピア移民の女性と知り合い、
彼女の赤ん坊を世話しながら一緒に暮らすことになる。
しかしその後、再び家に戻ったゼインは、強制結婚させられた妹が亡くなったことを知り……。
2018年・第71回カンヌ国際映画祭で審査員賞とエキュメニカル審査員賞を受賞。
(映画comより)
辛い・・・辛すぎる・・
平和な日本から見たら、対角線上の話です
でも、これは作り話ではなく、レバノンのシリア難民の実態を描いている
「世話できないなら産むな!」
”僕を産んだ罪″ で 両親を訴えた12歳の男の子ゼイン
そんな事を子どもにさせてしまうほど過酷な状況って・・
仲が良かった妹は11歳で結婚させられた
それは結婚という名を借りた人身売買
家を出たゼインの生きようとする力がものすごい
でも 親が出生届けを出してないのでゼインにはIDがない
つまり、存在のない子供なのです
途中で知り合う女性ラヒルは不法移民
だから彼女の赤ん坊もまた存在のない子供
ここに登場するのは実際にも似たような状況の中にいる人たちだそうです
撮影中に本当に拘束された人もいたとか・・・
ニュースで流れてても ながら見で遠い場所で起きていること、と
真剣に捉えていなかった自分を恥ずかしいと思いました
じゃあ、あなたに何ができるの? と問われても・・何もできない
でも、遠い国で起きている事に目を向けるきっかけをくれたこの映画の存在は大きい
そして、自分の日々の小さな不平不満を恥ずかしく思いました