4年生の読み聞かせに選んだ本は、「みずをくむプリンセス」でした。
スーザン・ヴァーデ/文、ピーター・H・レイノルズ/絵、さくまゆみこ/訳。
この本は、アフリカのブルキナファソ生まれで、現在はモデルとして世界中で活躍するジョージー・バディエルさんの子供の頃の体験をお話にしたものです。
プリンセス・ジージは、朝、まだ日が昇らないうちから、お母さんと一緒に空っぽのツボを頭にのせて、何キロも先の川まで泥の混じった茶色い水を汲みに行きます。
アフリカの砂漠をイメージさせるような全体を通して茶色の色彩の絵本に、詩のように綴られた、とある現実のお話。
アフリカの空と、つちぼこりのたつ大地。
プリンセス・ジージは、彼女の王国に、いつの日か冷たくてきれいな水があることを願って、お話は終わります。
家に置いていたこの絵本を息子が読んで、
「この本は、絶対、あとがきまで読んだ方がいい!」
と、言いました。
あとがきには、世界には10億人くらいの人が近くに水のない暮らしをしていて、6人に1人がきれいな水を手に入れることができないことが書かれています。
何キロも先の川へ水を汲みに行っても、飲んだり、体を洗ったり、料理をしたりするとすぐになくなり、次の朝には、また水を汲みに行かなくてはなりません。
汚い水のせいで病気になったり、水汲みに通うせいで学校に通えなかったりもするのです。
村に水場があればいいのにと願っていたジージー(ジョージー・バディエルさん)は、その後、「ライアンの井戸」という組織と一緒にブルキナファソやその周辺に井戸を作るプロジェクトを始めました。
水は命の源であり、安全な水を手に入れることは、誰にとっても基本的な権利であって、もっと多くの人たちに安全な水を届けるための力になってほしいと願うあとがきを、10分という時間ぎりぎりまで使って読みました。
子どもたちは、静かに聞いてくれました。
この本は、2021年の低学年の課題図書でもあったので、読んだことのあるお子さんもいると思います。
中学年になると、また感じることは違うかもしれないし、一人でも多くの人に伝えたい気がして、この本を読みました。
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