城台山日記

 城台山の麓で生まれ、毎日この山に登り、野菜・花づくり、読書、山登りをこよなく愛する年寄りの感動と失敗の生活日記です。

歴史小説・時代小説を読む 23.11.18

2023-11-18 18:46:52 | 面白い本はないか
 読書は、おじさんにとって世界や社会、家族、個人に起こっている様々な事象を知るため、あるいは考えるためのものである。しかし、だからといって難しい本は、理解出来ないので、初心者でもわかるようなものばかり読んでいる。そうしていると、世界や日本等が直面している問題の難しさを知るにつれ心がどんどん重くなってしまう。もちろん、普段の生活にはさほど関係していないものが大半なので、重くなるのは読書の時だけとなる。

 ノンフィクションばかりであった読書から、少しづつフィクション、すなわち小説や小説家の書くエッセイなども読むようになってきた。村上春樹もいいけれども、藤沢周平や葉室麟の時代小説を今年後半からかなり読んできた。彼らの作品は、重くなった心に一服の清涼剤としての効用がありそうである。葉室は15冊、藤沢は13冊、少し少ないが吉村昭2冊。この中で葉室と藤沢はエンターテイメント性が強く一般的に時代小説、吉村は歴史をかなり忠実にたどっているので歴史小説ということになる。もちろん司馬遼太郎の作品の大部分は娯楽性が強いが歴史小説とされるようだ。

 ここでなぜこのようなブログを書くことになったかというと、葉室麟の小説2冊と一緒に今村翔吾の「教養としての歴史小説」という本を揖斐川図書館から借りてきて、読んだからである。彼は昨年「塞王の盾」で直木賞を受賞した。もちろん、おじさんはこの長い小説をまだ読んでいない。著書の経歴がすごい。小学校5年生で読んだ池波正太郎の「真田太平記」をきっかけに歴史小説に没頭。中学生になると歴史小説家に憧れ、月30~40冊ほど歴史小説を読み込んだとある。


 彼によると教養を高めるにはまず歴史を学ぶことが大事であると。ところが、この歴史、学校で習うのは暗記するためばかりで、少しも面白くない。(このことは東大の史料編纂所の本郷和人教授が「歴史学者という病」、「日本史を疑え」などで述べているように、歴史学者は史料に書かれていないことは述べることができなくて、自己の想像をたくましくして歴史を勝手に解釈できない。したがって、あまり面白くはならない。)歴史小説、時代小説であれば、作者がめいっぱい想像力を発揮して、面白く書いてくれるので、歴史が好きになるというわけである。このあと興味があれば、歴史家の書いたものを読めばいいのである。また、歴史小説から人としての生き方や振る舞い方、人情の機微なども学ぶことができる。

 著者が歴史小説家を世代別に分けている。
 第1世代 岡本綺堂(半七捕物帳)、野村胡堂(銭形平次捕物控)、中里介山(大菩薩峠)、直木三十五、子母沢寛(新撰組始末記)、大佛次郎(鞍馬天狗) ※おじさんが知っているあるい名前を聞いたことのある作品のみ 三十五が直木賞のもとだとずっと知らなかった

 第2世代 長谷川伸(瞼の母)、吉川英治、中山義秀、海音寺潮五郎、山本周五郎、山岡荘八、新田次郎 ※新田次郎が「武田信玄」を書いているのを知らなかった 中山以外は皆さんよく知られた作家ばかり

 第3世代 柴田錬三郎、山田風太郎、隆慶一郎、池波正太郎、遠藤周作、司馬遼太郎、陳舜臣、永井路子、藤沢周平、津本陽、笹沢左保、平岩弓枝

 第4世代 宮城谷昌光、高橋克彦、北方謙三、浅田次郎、松井今朝子

 第5世代 佐伯泰英、葉室麟、諸田玲子、山本兼一、火坂雅志、高田郁  ※知っている名前があるのはここまでで、この後の世代は全く知らない それだけ年をとっているということなのである

 第6世代 朝井まかて、伊東潤、木下昌輝、澤田瞳子、天野純希     

 第7世代 砂原浩太朗、永井紗耶子、川越宗一、今村翔吾 蝉谷めぐ実

 さらに、日本の歴史を知るための歴史小説10冊として、①国盗り物語(司馬遼太郎)、②徳川家康(山岡荘八)、③飛ぶが如く(司馬遼太郎)、④沈黙(遠藤周作)、⑤炎環(永井路子)、⑥平将門(海音寺潮五郎)、⑦白村江(荒山徹)、⑤聖徳太子(黒岩重吾)、⑨大義の末(城山三郎)、⑩樅の木は残った(山本周五郎)をあげている。このうちおじさんが読んだのは④と⑨の2冊、①、②、⑩は大河ドラマで拝見

 第2世代や第3世代の作家の作品は、大河ドラマとなっている。今村翔吾の最大の夢は、大河ドラマの原作者になりたいということだ。ちなみに最も多くの作品が大河ドラマとなったのは、司馬遼太郎で「竜馬がゆく」、「国盗り物語」、「花神」、「徳川慶喜」、「功名が辻」の6作品でもちろんダントツの一位である。※最近の大河ドラマはオリジナルの作品ばかりである。

 おじさんは、藤沢周平のドラマが大好きである。「立花登青春手控え」「三屋清左衛門残日録」「神谷玄次郎捕物控」「風の果て」、古いところでは「江戸の用心棒」(BSで最近見た)などたくさんある。もちろん、池波正太郎の「鬼平犯科帳」、「剣客商売」などは何回もBSで見せてもらっている。

 今村翔吾の本は図書館で借りて読んでみたい。他に山本兼一「利休にたずねよ」と池波正太郎の「真田太平記」にチャレンジしたいと思っているが、後者は12巻もあるのでちょっと無理かもしれない。



  


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