沖縄知事選
「誇りある経済的自立路線」か。それとも「新基地容認で金を引き出す中央依存路線」か。
侘助 沖縄知事選挙佐喜真候補は「対立からは何も生まれない」、「対立よりは話合い」と言っているが、話合う相手は安倍政権ということになる。話し合って辺野古に米軍の新基地を建設することを沖縄県として受け入れるということだよね。ノミちゃんはどう思う?
呑助 そりゃ、安倍政権の言うことを聞き入れれば、沖縄振興予算がたくさんもらえるとか、「携帯電話四割値下げ」を実現するとか、いいことがあるということなんじゃないですか。
侘助 このような主張に対して沖縄県民の中には「金は一時、基地は永久」というように思っている人たちがいるようだよ。
呑助 そりゃそうですね。昔から札びらで頬を叩いて、住民の土地を買い上げたり、住民が嫌がることを受け入れさせたりすることは権力者がよくやるやり方ですよね。
侘助 そうなんだ。沖縄振興予算の配分、決定は財務省ではなく、内閣府によって決定されているようなんだ。だから政府の意向に沿う知事がいる県にはいろいろ多めに配分され、内閣の意に沿わない知事の県には配分しないというようなことがあるみたいだからね。
呑助 そうなんですか。世の中とは、そういうものなんでしようね。自分の意に沿ってくれるものは大事にする。自分に反するものを冷遇する。これって人情っていうもんなんでしよう。
侘助 「長いものにはまかれろ」、「寄らば大樹の陰」なんて言うからね。力の強い者には従った方が得策だということなんだよね。
呑助 そうですよ。これが処世術というものですよ。
侘助 個人の処世術としてはいいけれども県知事としてはどうかと思うな。そうでしょ。県知事になる佐喜真さんと彼の仲間はいいでしょ。しかし県民にとっていいのかというとそうじゃないように思うな。
呑助 そうかもしれませんね。政府の意向に沿った県政をしてくれたということで佐喜真さん本人と仲間たちは恩恵を受けることはあるでしよう。しかし県民にはいろいろ被害がでることはあるでしようね。被害を被る人がいるから根強い反対運動が七十年間も米軍沖縄占領以来続いてきているんでしょうからね。
侘助 「沖縄振興予算」が沖縄の子供の貧困を生んでいると主張する沖縄の大学の先生がいる。
呑助 誰なんですか。そんなことを言う先生は。
侘助 琉球大学教育学部島袋純教授だ。彼は主張している。子供の貧困とは家庭の貧困ということだよね。「沖縄振興予算」というのはあくまで「沖縄振興」だからね。福祉予算にすることができないんだ。沖縄振興をすればするほど一部の沖縄県民の懐は豊かになるけれども、一方貧しさから抜け出せない人々も多数出てきてしまうということなんじゃないのかな。
呑助 そうなのかもしれませんね。いつの時代もどこの国でも一部の人が豊かになり、他方には貧しい人々が置いて行かれてしまうということはあるのでしようね。
侘助 佐喜真候補の選挙対策は「新基地容認で金を引き出す中央依存路線」ということなのかな。このように佐喜真候補の選挙対策を述べたのはフリージャーナリストの横田一氏だ。私は横田さんの主張は正しいと思っている。
呑助 佐喜真候補に対して玉城デニー候補の選挙対策はどんなものなんですか。
侘助 「誇りある経済的自立路線」だと横田一さんは述べている。
呑助 「沖縄振興予算」などの増額要求と言うようなことではなく、沖縄独自の経済振興を図っていこうということですか。でも政府の支援を得ることなく、そんなことができるんですかね。
侘助 中央政府からの補助金というものは厄介なもののようだ。使い道に制約があったりしてね。だから独自の政策を実施することが難しいということがあるんじゃないのかな。玉城デニー候補の政策は安倍政権にすり寄るのでは沖縄独自の経済振興政策を取るということなんだと思う。辺野古に米軍の新基地建設はさせない。普天間米軍基地は無条件で返還してもらう。なぜならそこはもともと沖縄県民の所有地なんだからね。沖縄への観光客は今やハワイを抜いているようだよ。しかし、滞在日数ではハワイに負けているようだがね。
呑助 佐喜真候補は沖縄を基地とカジノの島にと、いうことか。