日本共産党第28回党大会は、4日目の討論が続いています。明日の最終日は、大会の模様が午前9時30分から閉会までライブ中継されます。多くの方々にご覧いただきたいと思います。
第28回党大会の焦点の一つは、「中国とどう向き合うか」という重要な綱領上の問題です。志位委員長の「綱領一部改定」に関する報告は、8中総以後の全党討論や情勢の発展を踏まえて、「新しい歴史的な踏み込み」をした内容となっています。以下、私が特に、志位報告で注目した点について、再録させていただいたいと思います。
「日本共産党が行ってきた、『社会主義』を名乗る国の大国主義・覇権主義との闘争は、半世紀を超える歴史があります。そのなかに今回の綱領一部改定案を位置づけてみると、ここには新しい踏み込みがあることを強調したいと思います」
「わが党は、1960年代以降、ソ連と中国という『社会主義』を名乗る二つの国からの激しい覇権主義的な干渉攻撃を受け、それを断固として拒否し、自主独立の路線を守り発展させてきました。ソ連によるチェコスロバキアやアフガニスタン侵略などを厳しく批判するたたかいを展開しました」
「中国指導部による『文化大革命』や『天安門事件』などの民主主義抑圧の暴圧に対しても、もっとも厳しい批判を行ってきました。同時に、それらの批判はどれも、『社会主義国』の中に生まれた大国主義・覇権主義との闘争、専制主義への批判としてとりくんだものです」
「それに対して、今回の綱領一部改定案は、中国にあらわれた大国主義・覇権主義、人権侵害を深く分析し、『社会主義をめざす新しい探求が開始』された国とみなす根拠はもはやないという判断を行いました。そうした判断をしたのは、『社会主義』を名乗る国の大国主義・覇権主義との闘争を始めて以降、今回が初めてのことであり、ここには新しい歴史的な踏み込みがあります」
「そして、こうした新しい踏み込みを可能にした根本には、『社会主義』を名乗る国の大国主義・覇権主義との半世紀余にわたる闘争の歴史があるということを強調したいと思います」
「今回の判断は、自主独立の党としてのたたかいの歴史的経緯と蓄積を踏まえたものであるといことを勇気と理性をもってこのたたかいにとりくんだ先輩の同志たちへの敬意をこめて報告しておきたいと思います」
「この一部改定案は、日本共産党に対する誤解・偏見をとりのぞくうえで大きな力を発揮するでしょう。中国の党は、『社会主義』『共産党』を名乗っていますが、その大国主義・覇権主義、人権侵害の行動は、『社会主義』とは無縁であり、『共産党』の名に値しません。このことを綱領上も誤解の余地なく明瞭にすることは、日本共産党のめざす社会主義・共産主義の魅力を語り広げるうえで、霧が晴れたような見晴らしを保障するでしょう」
「このとりくみは、それにとどまりまらず、世界の平和と進歩の事業にとって大義あるとりくみであります。すでに世界第2の経済力をもち、やがて世界一になろうという中国にあらわれた大国主義・覇権主義は、世界にとって、もはや座視するわけにはいかない重大性をもっています」
「にもかかわらず、その誤りに対する国際的な批判が全体として弱い。とくに日本政府はまったく弱く、追従的です。そのなかで、日本共産党が『道理に立った冷静な批判』を行うことは、覇権主義への手痛い打撃となり、国際的な貢献になるものと確信するものです」