【終末時計 残り100秒】
「米科学誌『ブレティン・オブ・ジ・アトミック・サイエンテェスツ』」の「終末時計」の今年の発表(1月23日)に関心が集まっています。この発表を報じた「しんぶん赤旗」25日付、記事を紹介します。
「世界滅亡を表示する午前0時まで『残り100秒』に設定しました。1947年の設定依頼、史上最短。科学者や政治家らが会見で、核兵器と地球温暖化がもたらす脅威で、世界が未踏の危険領域に入ったと強い警鐘を鳴らしました」
「同誌は、時計の針を進める要因について、各国の温暖化対策の不十分さに加え、崩壊に近づくイラン核合意、米ロの中距離核戦力全廃条約の失効により、核軍拡の懸念が高まっている点をあげました」
以下、「核危機」については、後述させていただきます。
同誌は、「『2050年までに温室効果ガス排出の実質ゼロを達成する明確な目標・約束をもって、今年こそ各国は国連会議に来なければならないならない』と呼び掛けたと述べています」
1月24日までスイスのダボスで世界経済フォーラム年次総会が開かれました。ダボス会議には、昨年に続きスェーデンの環境活動家グレタ・トゥンベリさんが講演しました。もともと世界の政財界トップらの会合として開催されてきました。グレタさんの登場は、気候危機打開を求める国際世論の反映ではないでしょうか。
ダボス会議に参加した5人の若い活動家が記者会見した記事が、「しんぶん赤旗=ベルリンー伊藤寿康記者」名で掲載されました。
【私たちの要求は無視された】
「会議に参加した若い気候活動家ら5人が記者会見しました。口々に『私たちの要求は無視された』『化石燃料からの離脱へ直ちに行動を起こすべきだ』と訴えました」
5人の若者の声を紹介します。
「グレタさんー危機を危機として扱わない限り、事実と科学を無視し続ける限り、私たちはこの危機を解決できない。私たちの要求は完全に無視された」
「ルィーザ・ノイバウアーさん(ドイツ)ー世界で最も豊かな会社、投資ファンド、個人が集まっているが、彼らの金がこの危機を加速させている」
「バネッサ・ナカテさん(ウガンダ)-あなた方は(気候災害による)さまざまな人々の苦しみを見ながら、無視し、何を報道するかを選んできた。(とマスコミの報道姿勢に厳しい目を向けました)」
「ルキナ・ティーユさん(スイス)-(フォーラムは)楽観性のバブルに閉じこもっている。私たちはそのバブルをはじけさせないといけない」
「イザベル・アクセルソンさん(スウェーデン)-(フォーラムの)焦点は気候危機の克服より、技術開発だった。私たちは存在していない技術には頼れない」
そして、記者の質問に答えて、グレタさんは、次のように述べました。
「米国の(地球温暖化対策の国際条約)パリ協定からの離脱は、許せないことで、みんなが心配している。しかし、パリ協定の約束をみなが破ろうとしているという事実を、権力の座にある人々はまったく気にしていないようだ」
安倍首相は、日本共産党の山下芳生副委員長(参議院本会議)の24日の代表質問に次のように答弁しました。
「山下議員ー総理、国連の要請にこたえ、2050までに『実質ゼロ』をめざす、その実現のために2030年削減目標を引き上げるーこうした『ゼロ』戦略の立案に直ちに取り組むべきではありませんか」
「安倍首相ー昨年6月に今世紀後半のできるだけ早期に脱炭素社会の実現を目指すとした長期戦略を策定し、国連に提出した。
人類と地球の未来を守るための若者たちの力強い行動が妨害、不条理を乗り越えて広がり始めています。