宮応かつゆきの日本改革ブログ

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「中国に対する見直しは、綱領全体に新たな視野を開いた」-志位氏の綱領改定案討論の結語から(2)

2020年01月31日 | 未来社会へのプロセス

 大会最終日の1月18日、「綱領一部改定案の討論の結語」で、「中国に対する綱領上の見直しと綱領全体の組み立ての関連の問題」として、志位委員長が行った報告内容は、「改定綱領」を学び、広げるうえで重要なことではないだろうかと考えています。以下、要約(私の主観で申し明けありません)して、紹介させていただきます。

 志位氏は、「少し踏み込んで、理論的な問題を整理してのべておきたい」として、次のように報告しました。

「この問題での結論として強調したいのは、中国に対する綱領上の規定の見直しが、綱領全体に新たな視野を開いたということであります」

「この作業を始めてみますと、それは、この規定の削除にとどまらず、綱領の全体の見直しを求めるものとなりました。そこをつきつめて作業をすすめていきますと、この改定は、21世紀の世界、未来社会の展望にかかわって、次の3つの点で、新しい視野を開くものとなったのであります」

「第1に、20世紀に進行し、21世紀に生きた力を発揮している『世界の構造変化』の最大のものが、植民地体制の崩壊と100を超える主権国家の誕生にあることを、綱領上も明確にし、いっそう端的に押し出すことになりました」

「現綱領を決定した2004年の第23回党大会では、20世紀に起こった世界の構造の変化として、①植民地体制の崩壊が引き起した変化とともに、②2つの体制ーすなわち資本主義と社会主義が共存する時代への移行・変化をあげました。いわば”2つの構造変化が起こった”という見方にたっていた」

「一部改定案は、中国に対する規定の削除にともなって『二つの体制の共存』という世界論そのものについて、もはや過去のものとなったとしてこれを削除しました」

「こうして、中国に関する規定の削除は、21世紀の希望ある新しい流れを綱領に明記することにつながった」

「第2に、資本主義と社会主義の比較論から解放されて、21世紀の世界資本主義の矛盾そのものを正面からとらえ、この体制をのりこえる本当の社会主義の展望をよりすっきりした形で示すことができるようになりました」

「比較論が残されていますと、『中国に比べれば、欧米諸国がまし』というように、資本主義の矛盾が見えづらくなる結果にもなりました。また社会主義の本当の魅力も見えづらくなるという問題がありました」

「今回の一部改定案が、こうした比較論から解放されて、世界資本主義の矛盾そのものを正面からとらえ、本来の社会主義への展望、その魅力を正面から示すことができるようになったことも、大きな意義があるものだと考えるものであります」

「第3に、『発達した資本主義国での社会変革は社会主義・共産主義への大道』という命題を堂々とおしだすことができるようになりました。これはマルクス、エンゲルスの本来の、当然の立場でした」

「不破同志が発言でのべたように、これまでの綱領では、資本主義的発達が遅れた状態から出発して、『社会主義をめざす新しい探求を開始』している国が、世界史的な流れとして存在しているという認識であったために、簡単にその断定をくりかえすわけにはゆかない状況がありました」

「今回の一部改定によって、その状況は根本から変わりました。社会主義革命の世界的展望にかかわるマルクス・エンゲルスの本来の立場を、正面から堂々と押し出すことができるようになったのであります」

「こうして中国に関する規定の削除は、綱領の全体の組み立ての根本的な見直しにつながり、綱領にきわめて豊かな内容を付け加えることになり、その生命力をいっそう豊かなものとする画期的な改定につながりました」