志位氏は、日本共産党の中国批判の大義について、「私は、わが党がいま中国の誤った行動を批判しているのは、国際的大義にたったものだ」として、次ぎのように語りました。
【世界の平和と進歩にとっての大義ーー公然とした批判は覇権主義への痛手に】
「第1は、世界の平和と進歩にとっての大義ということです。大会の綱領報告でのべたように、すでに世界第2の『経済力』をもち、やがて米国を抜いて世界1になろうとしている中国にあらわれた大国主義・覇権主義は、世界の前途にとって、もはや座視するわけにはいかない重大性をもつものです」
「にもかかわらず、その誤りに対する国際的な批判が全体として弱いという問題があります。たとえばアメリカはどうでしょうか。アメリカによる中国批判は、香港や新疆ウイグル自治区などの人権問題に対する批判はありますが、大国主義・覇権主義への批判はありません。自分自身が、世界最大の覇権主義国ですから、他人のことを覇権主義と言えないわけです」
「米国は、南シナ海などでの中国の横暴なふるまいを批判しますが、これも覇権主義という共通する立場にある同士の、『覇権争い』という角度からのものであって、『覇権主義』という批判はありません」
「核兵器問題では、米中は、核保有大国として核兵器禁止条約に共同して反対しながら、核軍拡競争を進めるという関係にあります」
「世界を見渡しても、政府として、中国に対する公然とした批判をする国は、ほとんどみあたりません。中国のふるまいへの批判はもちつつも、経済関係などを考慮して、言いたくても、なかなかモノが言えない状況に少なくない国があります」
「日本政府の場合は、そうした事情にくわえて、『あらゆる大国主義・覇権主義に対して屈従的』という独自の特徴がつけくわわって、いよいよもって弱く、追随的であります」
「そういう状況のもとで、日本共産党が、冷静に、事実と道理にもとづいて、公然とした批判を行うことは、覇権主義への痛手となっており、国際的にも大きな意義があるものであり、世界の平和と進歩への貢献となると確信するものです。先ほど紹介した中国大使との会談でも、大使は、大国主義・覇権主義への批判について、『削除してほしい』『公にしないでほしい』ということを求めたわけですが、それは、公然とした批判が覇権主義にとって痛手だからです」
「中国に対して批判的見地をもちつつも、公然とは批判できない国ぐにから、わが党の今回の綱領改定について、共感と賛同が寄せられているということを報告しておきたいと思います」