安倍・竹下・宮澤が総理総裁の椅子を争っていた大昔、知り合いのある病院の院長さんから「会費は負担するから名前を貸して欲しい」と頼まれて自民党員になったことがあります。それから、神奈川の地元で自民党員してたこともある。自民党が野党に下る際に、比例区で当選していた地元選挙区の自民党議員が別の政党に移るという許せん振る舞いをしたから。義憤に駆られ--そう、因果は巡る糸車ですよね、みんなの党 . . . 本文を読む
カール・シュミットは、大衆民主主義下の福祉国家を念頭に置いて「国家は全体国家(totaler Staat)に堕している」と喝破しました。而して、「全体国家」とは、人間の生活の全体を支配する強力で権力主義的な政府という意味ではなく、「全体化」したがゆえに、社会の種々諸々の雑多な国民大衆の要求をすべて顧慮せざるを得ない、図体は巨大であるにせよ主体性の乏しい弱々しい国家という意味。畢竟、現実の国家は、内 . . . 本文を読む
あーれぇ、アーレントの言葉を引用しておいてアーレントの思想を否定してないかい、これ。と、そう感じたエッセーを目にしました。毎日新聞のコラム、山田孝男「風知草:思考停止から抜け出せ」(2014年1月27日)。そのコラムのどこが問題と感じたのか。
それは、アーレントの思想的関心の核心は--主著と目される『全体主義の起源:The Origins of Totalitarianism』(1951), . . . 本文を読む
<瓦解する天賦人権論のイメージ>法理論的な意味と用法において、「憲法制定権力」は事実の世界の実定法秩序の変遷と法規範の世界の憲法体系の交錯を説明する作業仮説にすぎない。だからこそ、カール・シュミットは『憲法論:Verfassungslehre』(1928)の8章で、これまでの現実の政治史において「憲法制定権力」になりえたものとして「国民」や「人 . . . 本文を読む
集団的自衛権の政府解釈の見直しや自民党の憲法改正草案は、「旧憲法への遡行」どころか、旧憲法さえ尊重していた「立憲主義」を破壊しようとするものだ、そのような動きを「保守」と呼べるのだろうか。このような言説が少なくないようです。蓋し、その多くは「天賦人権および立憲主義にアプリオリな価値を密輸する」誤謬を犯したもの、鴨。
その代表的論者、樋口陽一さんは、例えば、『世界』(2013年12月号)所収の . . . 本文を読む